夢のあと | 月のベンチ

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両親の闘病記

10年前、深夜に放送していたドラマを思い出した。

きっかけは、その主演女優の結婚報道を読んだから。

当時仲良くしていた友人が、その舞台版を見ていて、面白いから見てみなよと言われたのだ。

原作は柳美里の『雨と夢のあとに』。
ただし私は原作は読んでいない。
ドラマが良かったからと言って原作が面白いとは限らない。
逆もまたそう。

父親と二人暮らしの女子中学生(原作は小学生)雨。
ある梅雨の日、父親は海外で不慮の事故で亡くなる。
雨はそのことを知らない。
ある日、父親は雨のもとにいつもと変わらず帰って来て、いつもと変わらない日常が過ぎていく。


人間は小難しいもので、自分に都合よく忘却装置が働くときは良いけれど、どうしても受け入れられない事実があったりする。

そのうちのひとつに『死別』がある。

ドラマはそれをどう受け入れて乗り越えていくか…ということだったと思う。
でも、一方で、ある事実をどうしても受け入れられなかった人のことも、忘れずに描写している。





どうしても乗り越えていかなきゃならないのか

どうしても受け入れなきゃならないのか





ちょっと
そう思った。



主演女優さん
子供だったのに、もう結婚かあ。

私も、四年前に結婚していたら、どうなっていただろうなぁ。

結婚式には母も車椅子で出席して…
と相手には言われたけれど、その当時は車椅子なんてまだまだムリだった。
今もそうだけれど、血圧が100にも満たないから。
低いときは80だから。
それも訓練してやっとリクライニング車椅子に乗れるようになった。

普通の人たちの考える『寝たきり』の姿って、本当に想像の枠を超えているんだよね。きっと。

『白雪姫』や『眠れる森の美女』みたいな姿じゃ‥ないんだけどね。