時間軸 | 月のベンチ

月のベンチ

両親の闘病記


世間はいつの間にかハロウィンだった。

いつからハロウィンがクリスマス並みに浸透したんだろう。

私の中の時間は、六年前からあまり動いていなくて、

ガラスを数枚隔てた向こう側に世の中があるようで

意識していなくても、まるでテレビ画面を見ているような、そんな時間の流れだった。


よく、不幸ぶってるとか、悲劇のヒロイン気取りだとか、今は疎遠になった同僚に言われたこともあった。

似たようなめにあっても、人それぞれ感じ方も受け取り方も、ましてや元々の性格も環境も違うのだから分からない人にはわからないけれど、でも、分かる人にはたとえ言葉は少なくてもわかる。





時薬はあるとは思うけれど、それぞれの“傷”が完治することはないと思う。



たとえば、いつも下を向いて歩いていたとして、だけどそれが悪いことばかりだとも思わない。

歩く足もとにだって、草花は咲くし、昆虫だって生きているわけだから。

世間と違う時間軸にいても、悪いってことは、ないと思うよ。