因果 15 | 同じ空の下 ~秘密の恋愛~

同じ空の下 ~秘密の恋愛~

人妻と大学生の不倫日記です。不快な方は素通りお願いします。


何から始めればいいのか悩んでみたものの


数日間、何事もなく時間は流れた。



夫からの連絡も


谷口からの嫌がらせも


何もない日々。



そんな偽者の穏やかな時間に騙されそうになり


仕事で疲れたカラダを休めることを優先して


今後の人生にかかわる離婚話でさえ


後回しにしてしまいたくなるほど静かな夜が続いていた。


けれど


夫は私のいない昼間に何度か帰宅しているようだった。


その頃の私は


毎日 仕事から帰ると夫の部屋を覗くのが習慣になっていて


数日に一回は


クローゼットが開けっ放しになっていたり


仕事で使うファイルなど


部屋のドアを開けるだけで目につく変化があった。



もちろんガサ入れなどはしないので


持ち出したモノの詳細は不明だが


もしかしたら、少しずつ引越しのような事を始めてるのかもしれない・・・


いずれ全ての家財道具を持ち出し


離婚届だけを残して出て行ってくれないだろうか・・・


そして私はカバンひとつで再出発をする。



音のない部屋で


都合のいい妄想はどんどん展開し


もう既に何もかもが『終わった』と錯覚してしまう。



そんな身勝手な私を現実に引き戻したのは


ポケットの中で振動するケータイだった。


やれやれ・・・と心でつぶやきながら


手の上で開きかけたケータイのランプは


信じられない事に白い光が点滅していた。


ランプの点滅に合わせるように


鼓膜の内側から聞こえる心臓の鼓動。


その音は一秒ごとに大きくなっていき


カラダ全体でドキドキと発しているようだった。



90パーセントの喜びと


10パーセント不安を抱き


ゆっくりと画面を確認する・・・



シークレットモードを解除すると


どうしても消せなかった翔太専用の受信ボックスが現れ


そこに一件の未読メールが入っていた。







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