僕の塾には小学生から高校生まで(ほんとは他にも)いる。
学年の壁を取り払って毎日彼らと接しているからこそ、
気がつくということは確かにあるように思う。

その一つは中学受験と大学受験の類似性。
これは実際に自分が中学受験をしたことがあるか、
中学受験の指導をしたことがある方々にはわかるだろう。

ある程度のレベルの中学入試においては当たり前のように、
本来は中学校で学習する範囲のことまで問われる。
たとえば算数などは、普通中学3年生が習うことまで出題されることもある。
しかもそれを解く時に、
中学校で学ぶ便利な公式や方程式を用いて解くことを許さない学校も少なくない。

国語にしても似たようなことはある。
国公立大学の二次試験といえば「記述式」がお約束であるが、
中学入試においても記述することを解答の基本としているものは多い。
出典にしたって上位私立高校入試や大学入試で、
よく見かける著者によるものがかなり散見される。
あまりいちいちあげつらっていても冗漫になるだけなので簡単に済ますが、
理科、社会に関しても、算数や国語と似たようなことは多々ある。

では、これはいったいどういうことなのか。
そう、結局学年という仕切りは最終的にはないということである。
大学入試の範囲というのは当然に過ぎる話であるが、
小・中・高校で「本来は」学習してきたであろうことのすべてが問われるということである。


大学入試と中学入試の類似点を鑑みると、
いわゆる中高一貫校の大学入試における優位は当然のこと。
しかしながら、ごくごく一部の進学校を除いては、
中学入学時の生徒のポテンシャルと比較して、
大学入試における実績に首を傾げたくなる。
そうなってしまっている最大の理由はどこにあるのか。


この問いに対する明確な僕の答えはまだない。
明確ではないけれども、それらしきものはある。(と思っている)
「それらしきもの」が「そうであるもの」であることを、
日々期待したり、疑ったりしながら、
僕は目の前に居る塾生たちと過ごしている。