昨日日本人の海外移住についての検索をgoogleでしていたら、いつの間にか、ある掲示板にアクセスしてしまっていた。
この掲示板のテーマは「外人顔の日本人について」だった。ここに我が「ヴィータフェリーチェ」得意の話に、ついつい読んでしまった。興味深いのは「西日本には外人顔が多い」あるいはその逆で「中国朝鮮の大陸からきた弥生人は北九州‐中国‐大阪平野には大陸から入った弥生人の血が多い。関東東北には、縄文人の血が濃く、西日本人が東日本にやってくると縄文人の血が薄くなるから西日本人死ね。」イタリアに住む僕は思わずふきだしてしまったし、西洋人たちからみた日本人も中国人も同じ顔をしていて区別がつかない。イタリアで南部の人たちが同じように言われるが、『血が薄くなる』というナチス的差別は日本独特だ。ちなみにイタリアでは差別されている南部の人のほうが日本人が憧れる『彫りの深い、濃いタイプ』なのだが・・・。かなりアジア人の顔を見慣れている人でさえ、申し訳なさそうに「あの人は中国人じゃなく日本人ですよね?」と聞いてきたら結構ハズれる。最近よく見分けられる人が多くなったと思ったら「服装」で見分けたり、親日家は、意味がわからなくとも「音」としても日本語と他の言葉を聞き分けているのが事実だった。ということは、西洋人からみて、この差はごくわずかで、日本人が「韓国人や中国人と一緒にされたくない」というとイタリア人なら「どうして?」ということになる。君はなぜか説明できるか?
読んでいくうちにわかったのは「西洋人>日本人>中国、韓国」という考え方である。つまり、この掲示板に書いている人の多くは、日本人は西洋人に近いと思い込んでいる。そして「西洋的=カッコいい、美しい、優秀、もてる>日本人的=かっこ悪い、不細工、もてない>中国人、韓国人=もっと最悪」。西洋人という他人から見たら、まるで似たもの同士が、どっちが上かを競っているようなものだ。ある画家も言っていた。「黒人同士はどっちが白いかで、お互いに差別している」のだそうだ。そういえば以前アパートを数人でシェアしていた頃、中にカメルンの男がいて、セネガル人のことを「あいつらはイスラム教だけじゃなく、おれ達よりより肌が黒い」と言って軽蔑していた。アジア人同士もいかに西洋人に近いかをお互いに意識し始めた。どちらが彫りの深い顔をしているか。顔が丸くないか。色が白いまたは目や髪の毛が黒くないか。背が高く(胴長だと△。脚長は○)手足が長いか。髭や体毛が濃いか。髪の毛が直毛でないか。声が低いか。社交的か、会話にどれだけ外来語を取り入れるか。外国語を知っているか。外国のことを知っているか。ご飯を食べずにパンを常食しているとか。こんなことばかり考えているから自己嫌悪に陥り、自分で生存能力を低下させる人たちが、なにより、幸せになれない人たちである。
ここで最近の名画「ラストサムライ」を思い出す。実は、この作品を僕が見たのは、つい最近イタリアの週刊誌「Panorama」の付録でビデオテープがついていた(DVDは売れ切れだった)からであって、映画館に行きたかったが、残念ながら機会を逃がしてしまった。それでも、どんな作品かは想像していたが、ロードショーから1年近くになってはじめてみた作品は僕の予想通りの内容だった。
 鎖国していた頃の日本でサムライは人々に尊敬され、また恐れられていた。僕のおばあちゃんは士族で、僕は4分の1その血を引き継ぐが、父がそれを誇りにしてながらも、日本で生活していた頃、完全に消されてしまったその身分をいいと思ったことはなかった。(イタリアでは今でも貴族の称号を使っている人がいるが)。‐僕自身が西洋人の中で自分と闘った体験は「ミラコレ体験記 」に書いている。

 日本が鎖国したがわかる。ポルトガル人がやってきた頃、日本がキリスト教国になって、ポルトガル語を話して、ローマ字で手紙を書いていたらどうなっていただろう。ずっと前、そうなった方がいいのにな、と思ったことがある。ただ、あの頃それをやっていたら日本は絶滅していただろう。自分の国の文化と人種の生存とはとても関係が深いのだ。日本人同士が愛しあえないということは、日本人は全滅する。平均身長は伸びても、アジア人独特の腫れぼったい目のたぶや、輪郭は変わらない。そこで、日本人の優秀性を高めようと、世界に基準に追いつこうとしたのが、軍事力と共に、学力、つまり受験制度と就職戦争を発明して、今度はその枠に入れたものだけに支配する資格を与えた。そのシステムは、そのまま外国では通用しない。だから多くの何かの才能で生きていこうとするものは外国を目指す。

 日本という国は圧力鍋に似ていると言ったブラジル人の説を何かの本で読んだ。
圧力鍋は、密封して圧力のよって普通よりも早く食べ物を煮る事が出来る優秀なモノだが、蓋の突起物が上がり、圧力を下げるまでにあけてしまったら、その中の食べ物は、すべて飛び散ってしまう。完全に煮えるまで締め切って、開けていい時まで待たなければ、全部飛び散ってしまうその具は、僕ら海外に出て行った人間のようなものか?日本人は今おいしく煮えようとしている。開ける機会を知るべきだ。