ヨーロッパに渡りイタリアで生活を始める前、日本では面白い仕事で経験を積んできた。

その一つが看板屋さんで働くことだった。

 

なぜ看板に興味を持ったか。

そのころ大阪の街を見て「これでもか」と言わんばかりに派手でカニだとか河豚だとか、あるいは自由の女神や弁慶などなど巨像が使われていて、このように街の風景をデザインする文化を輸出できないか、と思ったからだ。

その少し前にやはり大阪でトレースのデザイン会社で働いてみたことがあり、それは「絵を描いて仕事にするにはどうすればいいか」と調べたかったからだ。

デザイン会社でも看板屋さんでもロゴやイラストを扱うことにワクワクしたものだ。

そして一つの絵から建物への取り付けまでどういう工程で進むのかがオレが見つけた会社はすべて体験できものすごい勉強になった。

 

ところがその仕事をずっと続けるものではないのに気がついたのは、デザインは下請けに回しこの会社では取り付けの方がメインであり社長は「ウチは工務店やねん」と常に言っていたように足場に上がって塗装したり、壁をドリルで穴をあけて巨大な看板をレッカーで上げて取り付けることこそ誰でも出来ることではない「儲かる」ことだと教えてもらい、自分が知りたかったことは見せてもらったと感じて海外移住計画を始めたのだ。

 

 

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