タートルネックで首の皺を隠し、2度と恋することなんてあり得ない! と思っていたエリカ。しかし、年下のジュリアンに、 

You’re incredibly sexy.(君はとてつもなくセクシーだ)

と真剣に告白されます。しかも、30才以上の女性に興味がなく、

women your age(君の年くらいの女性は―)

と、エリカの神経を逆なでするようなことを言うハリーにも、最後には、

You’re a woman to love.(君は愛すべき人だ)

と言わせてしまう。

 そして、この映画は、恋愛と同時に「母と娘の関係」も心温かく描いています。エリカが娘のマリン(アマンダ・ピート)に、自分の恋について涙ながらに語るシーン。

I had the time of my life.(今までにない、最高の喜びを味わったのよ)

「女性は幾つになっても恋が必要で、そのためには傷つくのを恐れてはいけない」と娘に涙ながらに訴えるエリカと、母の女としての熱い思いを理解する娘が抱き合うシーンは最高です!

 この映画の素敵なところはストーリーだけではありません。映画の中で、エリカは常にパリを意識しています。La Vie en RoseやC’est Si Bonなどのシャンソンが、さりげなく小粋に流れ、学生時代に訪れたパリの街を懐かしく思い出しました。雪の降りしきるパリを舞台にした愛の告白が、これから流行るかもしれませんね。