9日の朝、7時半頃だったかな。

私はまだ寝ていて、爺ちゃんは家業の伝票書きで2階奥の仕事場、父も寝ていました。


私はすごーく浅い眠りの中を漂っていて、その時「う゛ーーーう゛ーーーー助けてーーー」って聞こえる。

夢か現実かって感じで直ぐには起きられなかったけど、自分が起きてることに気づいてそのうめき声が現実だって分かって飛び起きました。


声のもとをたどって駆け寄ったら、洗濯場で婆ちゃんが倒れていました。

倒れたというか転倒。

意識ははっきりしていて自分でこけたって言ってた。

「どこ打った?痛いところは?」って聞いたけど、なんか痛みが麻痺していてピンポイントに痛みのありかが分からないみたいだった。


何でこんなとこで倒れてるのかって聞くと、パンツが汚れたから洗濯したかったらしい。

婆ちゃんはまだおむつが受け入れられなくて、私のナプキンをあてています。

ナプキンは血液を固めるものだから、おむつが嫌なら尿パットにしてはどうかって勧めたけどダメ。

ほら、出産後の女性が使うようなものもあるよって勧めてもダメ。

だから、ナプキンが水分を吸収しなくて漏れちゃう……。

誰にも迷惑かけたくないという思いが、から回る。


とりあえず、爺ちゃんに知らせに行って、父も起こしました。

みんなで婆ちゃんを起こしてベッドまで運ぼうと思ったんだけど……。

「アイタタタタターーーーーーー」って。

どうやら婆ちゃんは、こけた時にお腹を打ったらしい。

起き上がることができなくて、病院連れて行くにも痛がるので動かせない。


病院へ電話したら救急車を呼んでくれと言われました。


ここは田舎。

救急車のサイレンが止まると、みんな集まってくる。

田舎の人たちは救急車を呼ぶのを嫌がる。

でも痛みが激しかったせいか、婆ちゃんはすんなり救急車を呼ぶことに同意。


2分くらいで救急車のサイレンが聞こえてきました。

そうだ!ケミを居間のほうに隔離しておこう!

んで、救急隊の人たちが3人家の中に入ってきました。


隊長らしき人が、運び出す経路を2人に指示。

テキパキしてんなーってぼーっと見ていたら、救急隊の人が居間の扉をガラッ!

ケミ、猛ダッシュで逃亡!!!!


わーーーーー!!

一時騒然としました。


隊の中の2人は多分まだ若手の人だったと思います。

ケミを見て笑顔になっちゃって、隊長さんに「ヘラヘラするなって怒られてました」ごめんね。


ふぅ~とひと段落つくともう9時頃になってました。


そして付き添いで行った爺ちゃんが戻ってきたのがお昼過ぎ。

どうやら恥骨(骨盤の前のとこ)が折れちゃっていたみたい。

体を起こせないわけです……。


少なくとも1ヶ月以上は入院が必要みたいです。

ひびじゃなくて折れてて、時間が掛るみたい。

リハビリも必要で、通院ができないから余計に入院期間が延びるみたいですね。


今はトイレにも行けなくて、下の処理が恥ずかしくて仕方ないみたいです。

大部屋を当初は希望してましたが、どうしても個室にして欲しいっておばあちゃんの希望。

看護婦さんは、大部屋の人たちはみんな同じですよって言ったんだけどダメみたい。

1日6千円だって、個室。


婆ちゃんは寂しくて仕方ないらしく、「朝と夕方は必ず来て」って爺ちゃんにお願い。

爺ちゃんも自由に歩ける体じゃないけど、今毎日欠かさずお見舞いに行っています。

少々自暴自棄っぽい感じに陥っててリハビリも拒否し始めてるみたいです。

婆ちゃんの弱いところです……。


まだ婆ちゃんは外には出られないけど、昨日はケミと爺ちゃんと3人でお見舞いに行きました。

ケミと私は玄関で爺ちゃんを待つことに。

「ケミが玄関にきとるよ」って爺ちゃんから婆ちゃんに伝えてもらいました。

そしたら、ケミと会えるようにリハビリ頑張るって★

ケミ効果絶大ですね。


婆ちゃんが外に出られるようになったら、またケミを連れて行こうと思います。