大音量のコーランで目を覚ます。

そういえば、建てつけが悪くて窓が閉まりきらないんだった。
でも風は入ってこないので寒くはなかった。
日中はかなり気温が上がるので、もともとそんなに寒くないのだが。
確か道路にあるデジタル時計兼温度計には19度と表示されていたっけ。

外に出て大音量のもう一つの理由を発見。
道を挟んで目の前にモスクがあった。
昨日到着したときは、もう暗くなっていてわからなかった。


チェックアウトの時間は12時と言っていたから、朝ごはんを食べたらすぐに今日の宿を探さないとな。
1泊20リラ=1200円とテサロニキの15ユーロ=2000よりもよほど安いのだが、先ほどそこの《OTEL》に値段を聞くと15リラと言われたので探せばもっと安いところがありそうだ。ここバスマネはイズミルの安宿街のようで、いたるところに《OTEL》の看板が出ている。安宿の呼び方も各地域によって違う。インドやタイではGuestHouse、東欧とイスタンブールではHostel、そしてイズミルではOtelという。僕はこの中では一番安っぽく聞こえる“OTEL”が気に入っている。



ケバブももう飽きたのでなにかほかのものを食べたいな、と思って歩いていたら、調理服を着たおじさんがステンレストレーを持って食堂に入って行くのが見えた。続いて入ってトレーの中を観るとひき肉とジャガイモがトマトで煮込まれているものだった。

「メルハバー!これ下さい。」

指さし注文をして席に着くと皿に盛られたそれが運ばれてくる。テーブルにある食べ放題のパンと一緒に食す。うまい!トマトときゅうりのサラダも追加で注文して合わせて7リラ=420円。ケバブは2リラ~3リラだから、まあこれくらいか。


食べ終わってウロウロした結果昨日の宿のある1296通りが一番の安宿スポットだとわかった。値段を聞きながら歩くと、10リラ、15リラ、8リラ、10リラ。最後の10リラの部屋が比較的きれいで、さらに道に面してる窓が2つあり部屋が明るかったのでそこに決めた。


荷物を移動させたあと地図にあったケメラルチマーケットエリアに行ってみる。
イスタンブールのグランドバザールと同じように反屋内で道が入り組んでいる。異なるところはお土産屋さんがなく生活している人向けにのものが生活している人向けの値段で売られている。つまり土産屋がなく安い、ということ。買い物客の量もグランドバザールを凌ぎ、まるで竹下通りを思わせる。スリに注意しながらも弾む気持ちは抑えられず、ついつい浮かれてしまう。


飛び交う異国語の商売文句。
声を枯らしながら叫ぶ客引き。
机の上に乗っかりマネキンの頭をバンバン叩きながら叫ぶ客引き。


人々から注がれる外国人に対する遠慮のない視線。
その視線に目を合わせてもギリシャ人のようにその目をそらすことはない。
笑いかけると笑顔を返してくれる。

勇んで「ジャポーン」と叫んでくる奴。
「イナモトー」と話しかけてくる奴。
常套文句の「カードを渡すから俺の店に来い」と言ってくる奴。
「もらうから、ここに持ってきてよ。」と3回言うと、まいったよ、とポケットからカードを出す。


宿の汚さや値段もそうだけど、インドを出てから感じることのなかったこの雰囲気をまた感じられることが嬉しい。日本と比較した異質感とともに懐古感が相まった感覚。


テラスの席に座りお茶を飲みながら買い物客を眺める。
女の子3人組が、こちらを見ている。誰かを待っているのか立ち止っている。
目が合うとクスクス笑いが始めり。そのうち一人が手を振ってきたので手をあげて応えると、女の子特有のキャハーという大きな笑い声に変わる。なにがそんなに面白いのだろうか。「あの日本人手を動かしたわ!」とでも言っているのだろうか。


0911262242

ケメラルチマーケット
Michina(ミチナ) 世界一周旅行の記録
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部屋のカギ。どんな鍵でも開いてしまいそう。。
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