身近な人が先週中学の東京地区同窓会に行ってきた。そこで、たま~~~に、このブログを読んでいる方がいて(というのは前回の同窓会のときに宣伝してほしいと頼んだのです)、その方が「かたいね」と言ったらしい。身近な人はそれ以上は言ってくれませんでしたが、それは彼女の「心配り」と理解しています。そう言えば、身近な人から直接「だれがこんなかたいブログを見ているの?」と聞かれたことがある・・・。そう言うときには、ブログやHPを始めたときの初心を思い出す事にしています。
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初心とは、路上クラシックギタリストの心境です。夕暮れの道ばたで(クラシック)ギターを弾く。誰も帰宅を急ぎ立ち止まらない。それでもいいか・・・というのが私の初心なのです。
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そういう心境で聴くと美しく感じるのが、首記CDです。だんだん暗くなってきましたがあしからず・・・。

●サント=コロンブのヴィオール作品集ヴィオール
演奏は、ヒレ=パールとその仲間です。私は、マラン・マレやその師匠のコロンブ(1630~40年頃生-1690~1700年頃没)の音楽は、10数年ほど前「めぐりあう朝」で知りました。コロンブはルイ14世(1638年-1715年没)の時代にベルサイユ宮殿とは無縁の市井の音楽家らしい。J.S.バッハとは全く異なる(ような)音楽の世界。これを、(私から見ると)ふしぎな容貌をもつヒレ=パールが演奏している。

●演目
1. 7弦ガンバによるプレリュード(原曲:ルイ・クープラン)
2. クプレ(急速なベルジュロネット)
3. 再発見~ルトルヴェーカプリッチョ風のジーグ
4. 語り合い:語り合い~エコー~第1ジーグ~第2ジーグ~グラーヴマン~バレエ~ジーグ“くつろぎ”
5. 書きかえ:シャンジェ~サラバンド“途絶えない”
6. トンボー:後悔~弔鐘~カロンの呼び声~涙~エリゼの喜び~エリゼ~涙
7. 嵌め込み~嵌め込まれたシャコンヌ
8. 威厳~マジェスチュユー
9. 大急ぎ~プレシピテ
10. 変化~ヴァリエ
11. 心移り~ランフィデル

私が気になったのは、"心移り/ランフィデル/L'Infidelle"です。この旋律は、ドイツのリューテストのS.L.ヴァイスのソナタ23番"不実な女(又は異教徒)/L'Infidelle"のプレリュードの旋律とリズムが似ている。私には同じと感じる。ヴァイスの行動半径は広かったらしいので、いろいろな旋律を取り入れていたのかも知れないし、その時代に広まった共通の旋律というのがあったのかもしれない。単に表題が同じと言うだけなのかも知れないが、少し気になる。

●同じ演奏CDの違った表紙
ヒレ同じCDの別ヴァージョンの表紙がこれです。ヒレ=バールの顔は、一度見ると忘れられない。かなり長身のような気がする。同じヴィオール奏者のサヴァールとは相当ちがった演奏をする。どちらが(私にとって)好みかというと、真ん中よりはヒレ=バールのほう。ただ、ヒレ=バールよりはサヴァール側・・・。といっても何を言っているのか判らないでしょうか。こんなときには、とにかく生演奏を聴くに限ります。気長に調べて、ヴィオールの演奏会に行ってみようと思います。東京に住んでいる利点は、こういうときに少しあるかも・・・。

この「ドイツ・ハルモニア・ムンディ50周年記念ボックス」は、私にとってはいろいろな面白さを与えてくれる良い先生です。なんといっても1枚100円で、これだけ楽しめるし興味を与えていただける。そして、できれば、このような演奏を生で聴いてみたいものです。

・・・今日は日帰り出張です。なので、ここまでと。