アメンバー様 100人到達記念リクエスト



☆シオルさんよりリクエスト頂きました☆

<*キョーコちゃんと蓮様は、お互い無自覚の両思い。
*後一歩が踏み出せない二人に社さんを始め、周囲がヤキモキしている。
*そんな中、二人を指名した恋愛物ドラマ出演のオファー。
*蓮様とキョーコちゃんはドラマ制作記発表の為に、松太郎は音楽番組収録の為同じテレビ局にいる。
*同じ局内にキョーコちゃんが居ると分かり楽屋に乱入する松太郎。
*そこで敦賀セラピーで色々な緊張を癒されているキョーコちゃんを見て、愕然とする。
*松太郎の『オレ以外の男に余所見してるな!』と焦った台詞。
*キョーコちゃんの『敦賀さんの腕の中は良い香りがしてドキドキするけど落ち着くんだもん!』との咄嗟に口から出た台詞。
*ここから蓮様の怒濤の口説き文句が炸裂!!
*オチとしては、松太郎がきっかけで思いが通じる蓮様とキョーコちゃん。
*目の前で起きた事が理解出来ず愕然としている松太郎。
*最後に社さんから松太郎に『何時も君の行動は褒められた物では無いけれど、今回だけはお礼を言わせて貰うよ。あの二人が結ばれるきっかけをわざわざ(←強調)作りに来てくれてありがとう』と、トドメを刺して欲しいです。>

まだまだ続きます!!
どうぞお楽しみ下さい♪


*****



無自覚な両想い 2



「仕事の前のもう一仕事…ですか…。」

社が最上階の社長室を目指してエレベーターに乗り込んだのを見て、蓮は苦笑いをしながら呟き、大きな溜息を付いた。

「あぁ、社長からの呼び出しだからな。俺たちがラブミー部にいたことはバレバレみたいだな。わざわざラブミー部に内線掛けて来たんだ。」

「そうですか…」

「ま、もっとキョーコちゃんと話したかっただろうが、社長の呼び出しは受けないと後が怖いからな。」

「確かに…。ラブミー部にも迷惑をかけることになりかねませんからね。」

二人で話をしている内にようやく最上階へとたどり着いた。

無駄に豪華な扉へノックをすると、執事の色黒の男が扉を開けた。

中には、社長がソファにデンと腰掛け、松島、椹が居心地悪そうに並んで座っていた。

「よぅ!蓮、社!お疲れ!早かったな。まぁ座れ!」

「「社長、お疲れ様です。失礼します。」」

蓮と社もローリーに促された席へと腰を下ろす。


「相変わらず進展ないんだってな?」

「…何かと思えば、開口一番がそれですか?」

いきなりズバリのローリーの言葉に、蓮がガックリと項垂れる。
それを見たローリーが面白そうに意地悪い笑顔を浮かべる。

「ま、お前がちんたらしてる間に、最上君に純愛ドラマのオファーが来たぞ!!もしかしたら、その相手役といい雰囲気になるかもな?」

「んな?!最上さんに、純愛ドラマ?!」

ローリーのニヤニヤ笑いに、蓮は驚きの表情でショックを受け固まる。

そこへ椹から気遣わしげな声がかけられた。

「社長、本気ですか?最上さんはラブミー部員だから、恋愛には使わせる訳にはいかないって、今まで散々話を蹴って来たじゃないですか!」

「あぁ、本気だ。最上君には早く愛を取り戻してもらいたいからな。実は今回のドラマを、ラブミー部の卒業試験にしようと思うんだ。ドラマを通して台本と向き合うことで、愛について真剣に考えることになるだろう。卒業試験だからな。出来ないとは言わせない。」

「だけど、どうしてそれをわざわざ蓮に言う必要があるんです?」

「そうですよ。社長…。蓮には最上さんの話は関係ないでしょう。それに何で最上さんの話なのに、俺まで駆り出されてるんです?」

「ん?何だ。椹君も、松島君も知らんのか?」

「しゃ、社長!!ちょっとま…」

「蓮は最上君に、惚れてるんだ!!思いっきり蓮の片想いだがな!!!!」

椹と松島の言葉を受けたローリーが、楽しそうな顔でとんでもないことを言い出しそうだと察した社が、ローリーを止めようとしたのだが間に合わず、それはそれは当然のことのようにローリーがきっぱりと言い切った。

重ぐるしい沈黙が流れる。
シンと静まり返る室内。

椹と松島の二人の顔からは何を言われたのか理解出来ていないのか、言葉を必死に反芻していることが見て取れる。

社は、頭を抱えて悶絶する。

蓮は顔を強張らせ、引き攣った笑顔を浮かべていた。

ローリーはしたり顔でニヤニヤ笑い。ふふんと蓮を見下ろす態度を取る。

そうしてようやく頭の中で言葉が繋がり理解が出来たのか、椹と松島が揃って大声を上げた。

「「えええええええええ?!蓮が?!最上さんを?!?!」」

「だって、蓮は最上さんの
ことを気に入らないって!!」

「いつの話だよ。そりゃぁ…」

椹の言葉に、ローリーは呆れながら答える。

「寄りによってあの子は琴南さんと同じラブミー部員だぞ?!いくら蓮でも一筋縄ではいかないんじゃないか?!」

「だから、苦戦してるんだろうが。もう俺が蓮の想いに気付いてからどんだけ時間が経ってると思ってんだ。さっさと行動起こしやがれ!つまらん奴め!!」

社長の容赦ない言葉に、蓮がようやく口を開いた。

「社長…」

「ん?何だ?否定すんのか?じゃあ、最上君の相手役は別の奴に回すか…。」

「?!?!っ社長!!!!」

ローリーの発した言葉に、蓮は慌てて反応する。

つまり、キョーコの純愛ドラマの相手役のオファーは自分を使おうとしていると言うことを匂わせられたのだ。

ーーー他の奴になんて譲れない!!

「え?!社長!!でも、蓮には他のオファーが…」

「否定なんてしません!俺が最上さんに想いを寄せてることは事実です。社さん、このドラマの件は何とかスケジュールに詰め込んで下さい。その為にどんなに忙しくなっても俺は構いません!!」

「れ、蓮?!」

「ほほう。受けるのか?」

「勿論です!!他の奴になんて渡せません!!」

「よし!!んじゃ早速手を回すか!!椹君、松島君、そういうことだから頼んだぞ!!社!白くなってる暇はないぞ!!なぁに、蓮と最上君の為だ!!しっかりサポートしてやってくれ!!蓮!ここまでお膳立てしてやるんだ!こないだのヒール兄妹の二の足を踏なよ!!前みたいにつまらん終わり方にしやがったら今後最上君に二度と会わせてやらんからな!心して口説き落とせ!!俺からはそれだけだ!仕事に戻っていいぞ!」

ローリーは4人に向かって喝を入れると、ウキウキと楽しそうに何やら計画を練る為に奥の部屋へと引っ込んだ。

ソファには、真っ白になった4人が某然とした表情で残されていたのだった。




「ええぇええ?!私が主演ですか?!」

後日、キョーコにも椹から新しいオファーの連絡が入った。

「あぁ、しかも君にとっては初めての純愛ドラマだ。ちなみにただのオファーじゃない。このドラマには君のラブミー部卒業が掛かっている。」

「え?!純愛ぃぃぃ?!ラブミー部卒業って!!どういうことですか?!!」

「ラブミー部は仮のセクションだ。最初に社長が言ったと思うが、最低一年はラブミー部に在籍してもらって様子を見るということだった。覚えてるな?」

「はい。勿論です。」

「君はこの二年、ラブミー部としても、我が社のタレントとしても多いに活躍してくれている。そんな君をラブミー部から卒業させたいと社長は考えてるんだ。その為には、君自身が"愛"とは何か?と言うことに真剣に向き合わないといけない。今回のドラマの台本は愛がテーマだ。君が向き合うべき要素がふんだんに盛り込まれてるというわけだ。」

「はぁ…。」

椹の説明に、キョーコは理解できないと言う顔を見せながら頷く。

「役をやる上で、君は自分の役と真剣に向き合うことになるだろう。君は今までの役も全力投球でやって来ている。社長はそんな君だからこそ、この役のオファーを受けることにしたんだ。よって君は強制的にこの撮影には参加してもらうことになっている。拒否権は存在しない。」

「そ、んな…。」

「要するにだ、これが社長から君へのラブミー部卒業試験と言う訳だ。これで卒業出来た暁には、君をLMEから大々的に売り出すことも既に決まっている。最上君は、ラブミーツナギを着ていつまでも事務作業に没頭したいか?それとも、ラブミー部を卒業して、役者の道を一直線に突き進みたいか?」

「勿論、ラブミー部を卒業したいです!もっと役者としての力を磨いて、色んな役を演じたい。もっともっと、自分の可能性を広げていきたいんです。」

しっかりとした意志を持った目で答えるキョーコに、椹は満足そうに頷いた。

「よし、じゃあやれるな!君はとにかく自分の役と向き合いなさい。そうすれば、自ずと道は開けるはずだ。俺としても君には早くラブミー部を卒業してもらいたいからな!」

「はい!椹さん!ありがとうございます!!」

やる気を出したキョーコの目が輝き出す。

ラブミー部の卒業を掛けた大事なドラマ!!

なくした愛を取り戻すことなど、自分には無理だと諦めかけていた。

しかし、社長が愛を取り戻す為のチャンスを作ってくれたのだ。
もっともっと色んな役を演じたい!色んな自分を作って行きたい。そして、いつかあの人と肩を並べるような役者になりたい!!

敦賀さんはまだまだ私にとって、雲の上の存在だから。彼の演技に翻弄されることなく、堂々と演じ合える役者になりたい!!

キョーコの中でむくむくとやる気が湧き上がってくる。

ーーーそしていつかは、敦賀さんの相手役をしても、見劣りしないような役者になりたい!!
私、頑張りますからね!!敦賀さん!!私はあなたに追いついて見せます!!待ってて下さいね!!


「あ、そうそう。」

キョーコが心の中で誓いを立てている中、椹が思いついた様に口を開いた。

「そのドラマの相手の主演、蓮だから。」

「………は?」


ーーー相手の主演…蓮だから。蓮ダカラ…?れんだから?連打から…?レンダカラ…?RENだから…?REN DA KA RA??蓮、だから…蓮だから?!!!


「ううぅうぅぅえぇえええええええ?!?!?!」

椹の発言からワンテンポ遅れて、真っ赤な顔したキョーコの大絶叫がタレントセクションに響き渡った。


(続く)



*****


今はケロちゃんさん発祥の切恋ブームが来てますね!!
皆様の切恋話に胸が締め付けられつつ、私も祭りに参加したーい!と、思っておりましたが…。


皆さんの切恋を読んで、切なくなり過ぎた心の癒しを求めて甘い話を読む為にここへ来てくださる方もいるようで…迂闊に切恋書けませんねΣ(・□・;)

…と言うことで、しばらくはそんな皆さんの為の心のオアシスを目指します!!(本当か?!)

でも、気まぐれ更新なので、本当に急に切恋話が飛び出したらすみません(笑)

そん時は幻覚を観たとでも思って下さいませ☆



あ、それか皆さんのお祭り終焉間際に駆け込むかもしれません(笑)
その時はケロちゃんさん、よろしくお願いします!!

いつも楽しみに読んでくださる方、コメントくださる方、ポケットしてくださる方、本当にありがとうございます♪
コメントあるとテンション上がりますね☆嬉しいです!!


次回も皆さんから楽しみにして頂けてれば幸いです♪


それでは、またお会いしましょう♪♪( ´▽`)