昨日今夜中にUP出来たら…とか書きながら、今頃UPです!!

UPしようとしてたのに、まさかの寝落ち!!(笑)
最後の一言が入力途中で、息絶えてしまいました!!(笑)

今回、ようやく最終回です!!
ながくなりましたが、おたのしみにー♪



アメンバー様200人達成!&ブログ3ヶ月記念大感謝祭☆


雪兎さんよりリクエスト頂きました!!


*****


春雪の贈り物 6



「だっー!!くそ!離せよ!!」

暴れ続ける不破尚を取り押さえる数人のSP。

ショータローは、キョーコを抱き締めている男を睨み付けた。

「てめぇ、何者だよ!!ハリウッドだかなんだかしらねぇけど、キョーコを誑かしてんじゃねぇよ!!」

ショータローの言葉に、ギャラリーの視線が金髪男の腕の中の女に向けられる。

「ねぇ、もしかして、キョーコって京子??」

「えぇ?!違うでしょ!!京子は敦賀蓮と同じLMEで、尚はアカトキだし、接点なんてないでしょ?」

「あ、でもほら~確か前に不破尚のプロモに…」

「えぇ?あ、そっかあの天使?!」

「え?でも京子って美緒でしょ?あんな子だっけ?」

「馬鹿ね!!京子は美緒でもあるけど、ナツ様でもあるのよ!!変幻自在な女優なんだから、きっと今もーーー」

ギャラリーのざわめきを、キョーコは蓮の腕の中でパニックになりながら聞いていた。

ーーーあんまり素の顔でテレビに出てなかったから、このままでもバレないと思ってたのに、ばれちゃったぁ!!!!どどどどどどうしよう!!私みたいなのが敦賀蓮ともあろうお方とデートをしていたなんてばれたらぁ!!

キョーコがふるふると震えているのを感じた蓮は、キョーコの頭をポンポンと安心させるように叩きながら、やれやれとため息をついた。

「君ね、勝手に現れて、人の折角のデートをぶち壊すのは辞めてくれないかな?」

蓮は、ショータローを呆れたような目で見つめた。

「可哀想に。完全に彼女が怯えてるじゃないか…。ストーカーも大概にしないと、訴えられるぞ。」

蓮の言葉に、周囲のギャラリーが一気にざわめく。

ーーー不破尚がストーカー?!?!

携帯を取り出して撮影を始める者まで出る始末だ。

「なっ!ストーカーなんてしてねぇだろ!!」

「じゃあ何故君がここにいるんだ?君のことは彼女から全て聞いてる。君のしてきたことも、君の本名も…ね?」

蓮は、ショータローを見て意味あり気に笑う。

「んな!!」

ショータローの顔が青褪める。

「君がいくら彼女の幼馴染だからって、していいことと悪いことがあったはずだ。それなのに、彼女の人権を無視した数々の行い。その上、彼女を俺の物扱いか?いい身分だな。」

「なんなんだよ…!!何なんだよお前は!!お前には関係ないだろ!!大体、俺がいつキョーコの人権を無視したってんだよ。」

とうとう癇癪を起こし始めたショータローが地団駄を踏む姿を、ギャラリーは歌手の不破尚とのあまりのイメージの違いに唖然としていた。

「言っていいのか?では、言ってやろうか?小さな頃から彼女の家庭の事情を知ってたくせに、彼女を散々利用して、金を巻き上げて、働かせて、貢がせて、そのクセ、色気のあるマネージャーがいるから、必要なくなったと、今までのお礼も謝罪もなくゴミと一緒にポイ捨てするなんて、彼女に恨まれて当然だろう?」

「そ、それは…」

ショータローは口籠る。
ショータローのあまりの暴挙にギャラリーは絶句した。

ーーーは?!不破尚ってそんな男なの?!最低!!

ーーーうそ!!尚ってそんなことが平気で出来ちゃう人なんだ。

ーーー人としてどうなの?

ショーショーと叫んでいた女達も、若干視線が冷たくなっていった。

「彼女を働かせてる間は自分だけグータラと寝つづけて、高校も行かずにお前の為に働いてた彼女を見向きもせずに、自分は内緒で事務所に高校に行かせてもらって、挙句の果ては、そこにいるマネージャーに、キョーコは家政婦も同然だとのたまったんだろう?」

蓮は言いながらフツフツと怒りが沸き上がるのを抑えられない。

蓮の腕の中で、キョーコは突然の大魔王の降臨に恐れおののいていた。

「こ、コーン…。」

キョーコがギュッと蓮の胸元を掴むと、そのキョーコの怯えに気付いた蓮が、申し訳なさそうな顔を向けながら、優しく微笑んだ。

大魔王がいなくなり、ホッとしているキョーコを蓮は大切そうに抱き締める。

「お前には、どんなに足掻いても彼女の王子様の座は返さない。彼女は俺の世界中で唯一無二の大切なプリンセスなんだからな。」

そういう蓮に、ショータローはポツリと呟いた。

「…敦賀…蓮は…?」

ショータローは、言われた言葉に何一つ反論出来なかったが、やはりキョーコが目の前のポッと出の男に奪われて行くのが面白くなかったのだ。

「敦賀蓮はどうすんだよ!!」

「へ?!」
「え?」

尚の口から蓮の名前が突然出され、蓮もキョーコも一瞬目が点になった。

光もギャラリーも頭には疑問符を浮かべていた。

ーーーえ?何でここで敦賀蓮?!?!

誰もがそう思った時、ショータローが叫んだ。

「敦賀蓮もキョーコのことが好きだろうが!!あいつを敵に回す気かよ!!」

「へぇあ?!」

キョーコは一気に真っ赤になった。

蓮は、途端に無表情になってショータローを見つめた。

「な、何であんたがそれを?!」

真っ赤になったキョーコが叫ぶと、ショータローはこれでもかと噛み付いた。

「んなもん、バレバレだからに決まってんだろうが!!あんだけ好き好きオーラだだ漏れにされてて気付かねぇお前と違って、俺はそのくらいわかるんだよ!!そして、お前が敦賀蓮に惹かれ始めてるってこともな!!」

キョーコはショータローの言葉に真っ赤になった顔で呆然と、蓮を見つめた。

そして、蓮は若干頬を朱に染めて、気恥ずかしそうに顔をそらしていた。

キョーコはそんな蓮の照れながら拗ねてるような表情に、目をまん丸と見開く。

そして、光はショータローの言葉に、足元が崩れ去りそうなくらいの敗北感を覚えた。

ーーー敦賀蓮がキョーコちゃんのことを?!キョーコちゃんも、敦賀蓮のことを?!

光はショックで青褪めていた。

ーーー最初から…手に入るような存在じゃなかったんだ…。なのに何でキョーコちゃんと付き合うことを夢見てたんだろう…。

ショックで光を失った光の目を覗き込んだ慎一と雄生は額を寄せ合った。

「あ、あかんわっリーダー」

「あんまりなこと聞かされて、魂とんどるで!!」

そんなブリッジロックの反応など気にも止めずに、尚はキョーコに言葉を投げる。

「お前、いいのかよ!!尊敬してるって言葉で誤魔化しながら、ちゃんと敦賀蓮を男として認識してるくせに、そんなポッと出の訳の分からない奴と付き合ってよ!!お前みたいなどこの馬の骨かわからない奴にキョーコを取られてたまるか!!」

「ちょっと尚!!」

今まで尚のあまりの素の表情を出しすぎた姿に唖然として何も言えなかった祥子だったが、我に返って、あわてて尚を止めに入った。

相手はSPをつけるほどのハリウッドスターの溺愛してる息子なのだ。
怒らせたらどうなるか想像も出来ない。

「あなた何を言ってるのよ!!これはキョーコちゃんの問題でしょう!!とにかく謝りなさい!!」

祥子はそう言うが、尚は聞く耳を持たなかった。

「とにかくお前がどんなにキョーコの王子様の理想像に近かろうが、俺は認めねぇからな!!」

ショータローはようやく注目を集め過ぎてることに気付いたのか、バツが悪そうに蓮に向かって吐き捨てた。
そんなショータローの言葉に、キョーコが呟く。

「何で私のことをとやかくあんたに言われなきゃならないのよ…。」

「決まってんだろ?!それは、俺がお前を…!!…いや、何でもねぇよ…。」

「何よ?!はっきり言いなさいよ!!」

「キョーコ!」

ショータローの続く言葉がわかった蓮が慌ててキョーコ名前を呼んで止めようとしたが、ショータローは思い切り叫んだ。

「お前のことが好きだからに決まってるじゃねぇか!!!!」

ショータローの言葉に、その場にいた人が皆凍り付いた。

しんとした空気が広がる。

「…は?」

キョーコはそんなショータローの言葉にあんぐりと口を開き間抜けな顔をする。

「何だよ?!悪りぃかよ!!お前は俺のだろうが!!俺だけを追いかけるんじゃなかったのかよ!!それなのに、あのいけすかねぇ敦賀蓮の野郎に心を奪われたかと思えば、今度は意味不明なハリウッドスターの息子かよ!!この面食い女!!」

「んな!!」

キョーコが反論しようとしたところで、蓮がキョーコを抱き締めた。

「はいはい。とにかくキョーコ、落ち着いて。」

「だ、だって、コーン…。」

「怒った顔も可愛いけど、俺はキョーコの笑顔がみたいな?」

ニコッと微笑んだ蓮に、キョーコは顔を赤らめる。

「うっ…はい。」

「さて、じゃあキョーコ聞くけど、君はさっき彼に告白されたんだよ?」

「…え?」

「君は彼になんて返事をするのかな?俺はそっちの方が気になってしょうがないんだけど…。」

蓮の顔に、子犬の哀願する姿が見える。

「も、もー!!コーンったら!私がその顔に弱いこと知ってるでしょう?!」

「へぇ。この顔に弱いんだ。」

蓮はイタズラっぽくニヤッと微笑むと、キョーコの答えを促すように、優しい表情を浮かべた。

キョーコはそんな蓮をみて、先ほどの怒りを消し、平静を取り戻すと、大きく息を吸い込んで、ショータローに向き合った。

「ショータロー、あんたには悪いけど、私はあんたの気持ちには応えられないわ。今の私は、彼が好きなの。誰よりも大好き。一緒にいて、とても安心するの。」

蓮はそんなキョーコの言葉を聞いて嬉しそうに破顔した。ギュッとキョーコを思い切り抱き締める。

「敦賀蓮…よりもか?」

ショータローの言葉に、キョーコはにっこりと微笑んだ。

「私が言えるのはここにいるこの人のことが、誰よりも好きだということだけ。」

そう言って、キョーコは蓮を見つめて、ふわりと微笑むと、蓮にだけ聞こえるようにこっそりと囁いた。

「どんな姿の貴方も、私は大好きよ。」

「あぁ!!キョーコっ…!!」

キョーコの可愛い告白に、蓮は我慢出来ずに口付けた。
キョーコも、一瞬驚きをみせたが、すぐに嬉しそうに目を閉じてそれに応える。

突然目の前で始まったキスに驚きを隠せないギャラリーは騒然とする。

ショータローは、怒りで顔を歪め、光はショックで灰になり掛けていた。

蓮はそのままキョーコをお姫様抱っこで抱え上げると、キョーコにそっと囁いた。

「邪魔が入っちゃったから、これから場所を移さない⁇」

いたずらっぽく笑う蓮に、キョーコも嬉しそうに頷く。

「そうね。コーンとゆっくりできるとこに行きたいわ。」

「了解。」

蓮がキョーコのこめかみに軽く口付けると、キョーコを軽々と抱え上げたまま、SPにその場を任せて離れた。

ショータローがギャーギャーと何かわめき散らしていたが、二人は気にも止めずに二人で仲良く笑いあいながら歩いて行った。

蓮とキョーコがパークを出ると、蓮はその足をパークの外にあるフリースペースに向けた。

キョーコをおろし、不思議そうな顔をするキョーコににっこりと微笑む。

「少し遅くなったけど、お昼にしようか?…お弁当…作ってくれたんだろう?」

蓮の言葉に、キョーコの目が輝くと、嬉しそうに頷いた。

「うん!!良かった!!パーク内が持ち込み禁止って知らなかったから。ちゃんとこんなふうに食べれるところがあるんだね。」

ふわりと幸せそうに微笑むキョーコに目を細めると、蓮は椅子とテーブルに積もった雪を手で払い、腰掛けた。

「さ、寒いからここにおいで?」

蓮が促したのは蓮の膝の上で、キョーコは真っ赤になって否定した。

「え?!いいよ!!そんな…」

「キョーコのためじゃなくて、俺が寒いんだよ。ね?お願い。」

子犬の哀願する姿が蓮の背後に見えてキョーコはキュンとときめくと、誘われるままにふらふらと蓮の側に近寄った。

「わ、わかりました。」

「ありがとう。」

蓮はそう言うと、キョーコを膝の上に抱え上げた。
キョーコはドギマギしながらも、手際良くお弁当を広げた。

「ど、どうぞ。」

キョーコから差し出されたオニギリに、蓮は手をキョーコの手に添えてそのまま噛り付いた。

満足そうな顔のままもぐもぐと噛み締める蓮に、キョーコは真っ赤になる。

「もー。コーンったら!!」

「うん。美味しいね。」

「オニギリだけじゃなくてしっかりおかずも食べて下さいね。」

「うん。キョーコ…食べさせて?」

「へ?!?!」

「早く。」

口を開けて待つ蓮に、キョーコは仕方なく恐る恐る卵焼きを運ぶ。

途端に、パクッと食らいついた蓮に、キョーコは目をまん丸と見開くと、くすくすと笑い出した。

「ふふっ。ふふふ。」

「ん?どうしたの?」

もぐもぐと噛み締めながら、蓮がキョーコを不思議そうに見つめると、キョーコは笑った時に目尻に溜まった涙を拭き取りながら言った。

「いえ、幸せだなぁ~と、思いまして。」

「うん。そうだね。俺も、キョーコとこうして一緒に過ごすことが出来て、幸せだ。」

蓮の言葉を聞いて、キョーコの目から涙がポロリと零れた。

「あ、あれ?どうしたんだろ??私…」

ポロポロと止まらない涙に、狼狽えるキョーコを、蓮は優しい目で見つめながら微笑むと、キョーコの背中をポンポンと叩いて、しみじみと呟いた。

「あぁ…幸せだなぁ~。本当に…幸せだ。」

キョーコの口から嗚咽が漏れ、ますますキョーコが泣きじゃくると、蓮は優しくキョーコを抱きしめる。

「ずっとずっと、俺の側にいてね?キョーコ。」

「うんっ。うんっ!!」

キョーコの頭をよしよしと撫でて、泣き続けるキョーコに額を合わせ、言い聞かせるように囁く。

「キョーコは俺の世界中で唯一の存在だから、これからいっぱい二人で幸せになろうね?キョーコ。」

キョーコは蓮の言葉に涙を流しながらもくすくすと笑う。

「そんなこと言ったら…まるでプロポーズみたいだよ?コーン…。」

「ん?そのつもり…だけど?」

そう言って、蓮は胸ポケットから指輪を取り出して、キョーコに見せた。

「本当は、こんな性急にプロポーズするつもりはなかったから、きちんとした婚約指輪じゃないんだけど、俺は君との付き合いは恋人で終わらせるつもりはないよ。だから、君は俺のものになるって証明が欲しくて、指輪を準備したんだ。この指にいつか俺の婚約指輪を嵌めるために、予約を入れておきたいと思ってね。これが、俺から君へのホワイトデーのプレゼント」

可愛らしいチョウチョのモチーフの指輪は、箱の中からキラリと輝きを見せる。

「いつの間に…」

「髪色をこっちに変えてすぐに、社長の家からマンションに戻る前にアクセサリーショップに寄ったんだ。そこでこれを見つけてね。キョーコにピッタリだと思ったから。」

そういって微笑む蓮。驚くほどピッタリとキョーコは指に嵌った指輪をまじまじと見つめ、蓮を見上げた。
そのキョーコの瞳には不安と期待の色が混ざり合っていた。

蓮はキョーコの左手の薬指にキスを落とす。

「プロポーズはまたちゃんとした指輪を準備したら改めてさせてね?」

蓮の言葉に、キョーコはキュと唇を噛み締める。

「そんな…私なんて…」

その場面を遠くからみてる人影があった。

「あ、あれ!さっきの金髪男と京子ちゃんちゃう?!」

「ほんまや!まだ敷地内におったんや。」

「京子ちゃん…。」

ブリッジロックのメンバーは三人揃って二人を見つめた。

「キョーコ。私なんてじゃないよ?俺は君と再会してからというもの、俺に必要なのは世界中で君だけだということがわかったんだ。君が不破に捨てられたことに感謝するほどにね。」

「コーン…」

「もらってくれる?」

蓮の言葉にこくんとハニカミながら頷いたキョーコは、指輪を大切そうに手で包み込んだ。

「君とずっと、一緒にいたい。離れたくない。君を誰よりも幸せにするのは俺でありたい。」

キョーコは蓮の首に抱き付いた。
泣きながら、キョーコはありったけの想いを込めて蓮を抱きしめる。

「もう、離してなんて言われても、絶対離さないから!!」

キョーコが蓮の服をギュッと握ると、蓮も嬉しそうに微笑んだ。

「うん。ありがとうキョーコ!」

「大好きよ。コーン!!大好き!!」

「俺もだよ。」

そう言って雪の降る中口付けを交わす二人に、まるで映画のワンシーンをみたように感じてしまった三人は、そっとその場を離れた。

歩きながらも、無言が続く。
その無言を打ち破ったのは、光だった。

「何だか…映画みてるみたいだったなぁ~。」

光をけしかけた雄生と慎一は、今回の責任は自分達にあると想い、反省していた。

「「あの…リーダー…」」

雄生と慎一が光に謝ろうと口を開くが、その後のリーダーの明るい声に、二人は目が点になった。

「なーんか、吹っ切れちゃったなぁー俺!!」

「え?」

「リーダー?」

「うん。吹っ切れたよ…。吹っ切れた…。」

段々と光の声は独り言に変わっていく。

「最初から…京子ちゃんには相手にされてなかったしさ…。叶うはずなんて、なかったんだよ。キョーコちゃんを本当に幸せに出来るのは、俺じゃないって、思い知らされた…だから、今日来て、良かったよ!」

「リーダー…」

「リーダぁー…」

「知らないで想い続けてるよりさ、全然いいじゃん!!俺、今日は京子ちゃんの幸せそうな顔も見れたし、満足だな!!」

光の言葉に、雄生は光の背中を思い切り叩き、慎一は頭をぐちゃぐちゃにかき乱す。

「わっ!!わわっ!!何だよお前ら!!」

「無理せんでいいて、リーダー!!俺らの前では強がらんでええ!!」

「そや、泣きたい時は泣いたらいいねん!!今しっかり涙流したら、次は絶対もっといい恋がやってくるで!!」

雄生と慎一の言葉に、光はポロリと涙を流す。

「よっしゃ!じゃあ、せっかくのオフやし、カラオケでもいかへん?!」

「そうしよか!!よーし、リーダーいくで~カラオケ!!」

「お、おばえらぁー!!」

雄生と慎一に挟まれて、光は泣きながらもついて行ったのだった。


蓮とキョーコは、お弁当を食べた後は、二人でディズ◯ーシーへと移動して、始めての一日デートを満喫した。

沢山遊んで遊び疲れてクタクタになったキョーコを蓮は嬉しそうに見つめる。

「キョーコ、そろそろ帰ろうか?」

「うん。そうね、今日はありがとう、コーン!!」

「俺の方こそ。楽しかったよ。」

「ふふふ。」


雪のため徐行運転をしつつも、蓮は車をマンションに向ける。

今日の思い出を沢山語り合うと、蓮はふと思い付いたように言った。

「あ、そういえば、父さんにお礼言っとかなきゃな。」

「え?」

「結果的に父さんが付けてくれたSPのお陰でデートをぶち壊されなくて済んだからね。今夜、電話でもしてみようかな。それに…」

「それに?」

蓮はちらりとキョーコを見た。蓮は不思議そうに首をかしげる。

「婚約もしたことだしね?」

キョーコの頬が赤く染まる。

「うん。…そう、だね。」

蓮はキョーコに優しく微笑むと、二人並んでエスカレーターに乗り込んだ。



「コーン!!ほら早く早く!!」

キョーコは携帯を握りしめたまま固まってしまった蓮を急かした。
蓮は、日本に来て初めて両親に電話をしようとしていたのだ。

緊張してしまって、なかなか出来ない。

そんな蓮を気遣って、キョーコが明るく急かすので、蓮は、キョーコの手をギュッと握って、深呼吸を繰り返すと、目を見開いて電話をかけた。

「あ…もしもし?お久しぶりです、父さん、俺…久遠…だけど…」

緊張しながら何とか声を絞り出した蓮の手を、キョーコはギュッと握ると、優しく微笑んだ。

名乗った瞬間向こうで何やら興奮した絶叫が聞こえて来た。

「今日は、父さんと母さんに感謝をしたいことがあって、電話しました。」

蓮が勇気を出して電話をしている頃、外では深々と春の雪が降っている。

暖かい春が来るのはあと少し。この2人の春は、今始まったばかり…。

敦賀蓮とキョーコの婚約発表と同時に、蓮が素性を発表して日本中を混乱の渦にまきこんだのは、もうちょっと先のお話。


END


*****



雪兎様いかがでしたでしょうか??
何か見直しせずに書いたりしたので途中意味不明なことになってたらすみません!!
リクエストにちゃんと答えれたか心配ではたりませんが、フリーなのでアメンバー様はご自由にどうぞ♪

ようやく終わったー!!
200人リクは残すところ後二つ!!
がんばります!!