☆アメンバー様200人達成!&ブログ3ヶ月記念大感謝祭☆


リク魔人こと、sei様からのリクエスト!!
欲張って三つもの罠にうっかりはまってしまった風月です(笑)

この話が完結したらようやく終わるかな??
大変お待たせしてしまったsei様、どうかお許し下さいませ~!!
リクエスト内容は、プロローグの続きを丸っとお任せとの言葉を頂いたので、頑張りますね~♪
《グルグル悩むキョーコちゃんと、他の人を頼りにされて凹む蓮様っ!!どうなるかお楽しみに~♪》

待たせたお詫びに、長編になるかはまだわかりませんが、続き物にチャレンジです!!

どうぞお楽しみ下さいませ~♪


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貴方からの距離 2


敦賀蓮24歳。
日本の芸能界のトップを歩み続けるこの男は、抱かれたい男の名を欲しいままにしてはいるのだが、実は超がつくほどの恋愛音痴なのである。

そんな蓮の想い人、最上キョーコは20歳になっても、その純粋な所は陰ることなく、益々魅力的な光を撒き散らす為、大手芸能事務所であるLMEの中でも、蓮に継ぐ売れっ子タレント兼女優になっていた。

ここ数年、彼女の人気はうなぎ登りで、業界内でも彼女の人気は高い。
二年連続でお嫁さんにしたいランキング、彼女にしたいランキングで共にベスト10入りを果たす程になっていた。

しかし、彼女もまた、極度の恋愛音痴なのだ。
キョーコは未だにラブミー部と呼ばれるセクションに在籍したまま、数々のオファーをこなしているのだ。

キョーコは蓮の知らぬところで、何時の間にか蓮に恋に落ちてしまっているのだが、本人はそれを認めたくも知られたくもないので、隠すのには余念がない。
そんな胸に秘めた想いを隠し続けて数年、蓮がいくらキョーコにアプローチをかけても、そのキョーコは、独自の脳内システム『恋愛曲解思考』を発動させて、のらりくらりと交わしてきたのだ。

それでも、彼女にとって一番近い位置を常にキープしておきたい蓮としては、ただの先輩としてでも頼ってくれるのが嬉しいところではあったのだ。

今では社の依頼だけではなく、キョーコからも積極的にご飯を作りに来てくれることも増えて来た。

しかし、最近のキョーコはどういう訳か、白石泉の話しばかりだ。
常に話題に登るその女優に嫉妬さえ覚えてしまう。


最初の内は、憧れる女優が出来たことにキョーコの成長を喜んだのだが、キョーコはのめり込むと一直線だと言うことを失念していたのだ。

奏江に向けていたような好き好きオーラを全身から醸し出し、共演するようになった今では蓮に向けていた尊敬オーラまでも泉に奪われつつあった。

演技の相談が出来る女性の知り合いが出来たことは喜ぶべきことかもしれない。
だけど、そのせいで、蓮に会いにくる時間が減っているのは、蓮にとっては面白くないのだ。

「明日も泉さんにクッキー焼いていこうと思ってるんです!!ほら、いつも相談に乗って頂いてるので、そのお返しに。」

「いいと思うよ。喜んでくれるといいね、白石さん。」

にこやかに話をしながらも、蓮は心の中で溜息を零すのだ。

ーーー俺には、お礼でお菓子なんて焼いてくれたことない…。

キョーコが作りに来てる食事はあくまで社の依頼である。

たまにキョーコから積極的にご飯を作りに来てくれることも稀にはあるが、それだってお礼と言う名目とは違うものなのだ。

キョーコのお菓子が他の人のところに行くのが寂しいなんて、少し自分が情けない。

「俺も、最上さんの作ったクッキー食べたいな。」

蓮のうっかりもれた呟きに、キョーコは目を丸くする。

「え?!本当ですか?敦賀さんクッキーお好きなんですか?!」

「あ、いや、クッキーというよりも…」

モゴモゴと口を濁す蓮に小首を傾げながらも、キョーコは明日もし余ったら持って来ますね?と笑顔で言ってくれたのだった。



しかし、その日からキョーコからの蓮への連絡はパタリと途絶えてしまった。

電話やメールもすればもちろん反応はあるものの、どこか一線を引いてるような違和感を感じるようになったのだ。

ただの違和感だったはずなのに、実際にキョーコにあった時にそれは違和感ではなくなってしまったのだった。


その日は突然訪れた。
たまたまキョーコと同じ収録スタジオだという情報を入手した社が蓮にこっそりとその情報を横流ししたことから始まった。

「はい。それでですね、光さんに聞きたいことがありまして…その時に聞いて頂けたら嬉しいのですが。」

キョーコの声を角を曲がった先で聞き、笑顔で男と会話を交わすキョーコが見えた。

「うん。もちろんなんでも聞いて。この間みたいにまた演技のこと?」

「いえ、あの、今度はプライベートなことで…。」

キョーコが頬を染めながらはにかんだ笑顔を見せる。

ーーーひ、光さん?!?!それに、プライベートな相談だと?!誰だ?その男はっ!!

告白をしてない癖に、嫉妬ばかりが膨れ上がってしまう蓮。
本当はそんなことを言う資格がないのはわかっている。

しかし、もう何年も片思いをし続けてきたのだ。

相談しやすい優しい先輩の皮を被って、キョーコが離れて行かないようにじわじわと距離を縮めていたと言うのに…。

ーーー君は、そんな男と、2人っきりで食事に行くのか?!

ふつふつと湧き上がる怒りと戦っている蓮の側に人の気配がコツンと近づいてきた。

「あら?敦賀君?お久しぶりね。」

急に話しかけられた蓮は瞬時に敦賀蓮の仮面を被って振り返った。

するとそこにいたのは、蓮が今最も会いたくない人物、白石泉が立っていたのだ。

「どうも、白石さん、お久しぶりです。」

キョーコの信頼を独り占めする泉に、蓮は嫉妬をしていたのだ。女性に嫉妬をするなんて我ながら情けないとは思うものの、どうしても止められない。

静かな嫉妬の炎を燻らせながら、蓮はにっこりと微笑んで見せた。

「あら?あそこにいるのは…京子ちゃん?」

蓮の背後へと視線を移した泉だったが、キョーコがこちらには気付かずに目の前の男とたのしそうに会話をしてる姿をみて、ふわりと微笑んだ。

「ふふ。良かった…。」

泉が嬉しそうに言うので、蓮も視線の先を辿ると、そこにはやはり男と楽しそうに会話をするキョーコの姿。

何が良かったなのか、わからない蓮は、どうしようもないほど湧き上がる焦燥感に苛まれる。

「良かった?何がです?」

静かに質問する蓮に、泉は驚いた様な顔を見せる。

「あら?聞いてなかったの?てっきりキョーコちゃん敦賀君と
仲いいから話してるものと思ってたけど…。」

考えるそぶりでもったいぶる泉にイライラとしながら蓮は泉の次に続く言葉を聞くのが怖いと感じていた。

「知らなかった?キョーコちゃん、彼のことずっと好きだったのよ。」

優しい慈愛に満ちた目をしてキョーコを見つめる泉。

その泉の口から漏れた言葉に、蓮は頭を鈍器で殴られたような衝撃を脳に受けるのだった。


(続く)


*****



ダメだ!!
本当は泉をいい姉御キャラにしたかったんだけど、どうしても蓮キョを引き裂こうとする発言をした泉をいい人でいさせることが出来ませんでした!!

泉をいい人でいさせようとすればするほど、お話が進まない!!!!

やっぱり蓮キョを引き裂く人は風月の中で悪役だぁ!!(笑)
極悪人だぁ!!

ってことで、腹黒な泉ちゃんにしてしまいますぅ~!!
風月の力量不足です!!ごめんなさいsei様ぁ!!(泣)