最初に言わせてください!!
これでも風月頑張りました!!
でもでも、考えてたような展開になりませんでした!!
今日はお話書くの絶不調でしたね!それでもいいという方のみ、ご覧ください。
でも、超駄文なのでミニマムで楽しんでた方は前回の4が終わりって思ってもらった方がいいかもっ!!
ここからはどうか、エンディングではなく、オマケ程度の気持ちで読んでください!!お願いします!!(大汗)
*****
ミニマム!!【5】
今日もキョーコを胸ポケットに入れて、蓮は撮影へと出掛けていった。
着替えの度に、楽屋の外へと追い出す蓮に怪訝な顔を見せながら社は渋々楽屋を出る。
そんなことを繰り返していると14時を過ぎて漸く昼の休憩に差し掛かった。
出されたお弁当を持って来た社からお礼を言いつつ受け取って、蓮はキョーコにどうやって昼食を与えるか考える。
「社さんはここで召し上がって下さい。俺はちょっと別のとこでーー。」
「るぇーんー?まさか逃げる気じゃないよな?幸せ過ぎて胸がいっぱいで食べれませんってか?」
「えぇ?社さん、何を言ってるんですか?」
「昨日から幸せで幸せでどうしようもないって顔してるだろうがっ!話してくれるまで待ってようと思ったけど、話す気はないみたいだし?もう、俺お前にスケジュール調整で協力するのやめちゃおうかなぁ~。信用ないみたいだもんなぁ~。」
不貞腐れてしまった社から拗ねた様に顔を逸らされ、つまらなそうに呟かれ、蓮は焦ったように答える。
「な、なにを言ってるんですか?社さん。社さんのことはちゃんと信用してますよ。」
「ふぅーん?信用してるのか?それなのに、お前は俺に隠し事を平気でするのか…?」
「か、隠し事なんて…何も…」
「隠してるだろうがっ!昨日からにやにやにやにやにやにやとっ!!気持ち悪いくらい胸ポケットを気にして!!一体キョーコちゃんから何をもらったんだよ!」
「なっ!!人を変態みたいに言わないで下さい!!そんなニヤニヤなんてしてませんよ!」
「いーや!お前は変態だ!!そんなにニヤニヤ緩みまくった顔して、キョーコちゃんと何があったかは知らないけど、思い出し笑いでもしてるのか?」
「や、社さん!!」
キョーコにこの会話を聞かれたくなくて、蓮は、焦った声を漏らす。
「今まで散々、キョーコちゃんのことが大好きなお前の為に、キョーコちゃんと会えるよう忙しいお前のスケジュールを調整してやって来たというのに!お兄ちゃんは悲しいよ。」
ポケットの中で話を聞いていたキョーコは一気に暗い気持ちになってしまった。
蓮の好きな人が『キョーコさん』だと言うことを社も知っているのだ。
そして、その社は蓮の恋が叶う為に協力までしている。
キョーコはキュッと蓮の服にしがみつきながら、唇を結んで今だけと自分に言い聞かせながら、蓮に身を寄せ静かに目を閉じた。
蓮は、そんなキョーコの心情も知らず、なんてことをバラしてくれたんですか…という想いでがっくりと項垂れていた。
「社さん…」
蓮がずもももーんという重い空気を纏って社に声をかけると、社が驚いた顔で蓮をみた。
「な、なんだよ?!蓮、なんだ?どうしたんだ?!」
蓮は、フーと、息を長く吐き出すと、漸く観念したのか、ポケットの中のキョーコを覗き込んだ。
すると、キョーコがポケットの中で目を閉じてるのを見て、蓮の顔がほっと安堵の色を見せた。
どうやら先程の会話は聞かれてないなかったらしいと思った蓮は、社に声をかける。
「実は、最上さんが今一緒にいるんです。」
「は?!お前、何言ってるんだ?!」
蓮の突然発した意味不明な言動に社が怪訝な顔を向ける。
蓮は、そんな社に驚かないで下さいね?と言ってから、ポケットの中の目を瞑っているキョーコに声をかけた。
「最上さん、ごめんね?ちょっとだけ起きてくれる?」
蓮に声をかけられて、キョーコは先程の会話を聞いていたことを知られたくなくて、蓮が寝てると勘違いされたのをいいことに、寝起きを装って起き上がった。
「ん…。何ですか?敦賀さん…」
こしこしと目をこすりながら答えると、蓮の笑みが深くなった。
そんな顔を向けないで欲しいとキョーコは思う。勘違いして勝手に期待してしまう自分の心を守るため、そっとそんな蓮から顔を逸らした。
「ごめんね?社さんに事情を説明したいから出て来てくれる?」
その蓮の言葉に頷いて、キョーコはそっと蓮のポケットから頭を出した。
「ええええぇ?!きょ、キョーコちゃん?!?!?!」
すると、驚愕な表情で社が固まった。
「どういう訳だかわからないのですが、昨日ラブミー部の部室に言った時に、小さくなった最上さんを発見しまして、最上さんが困ってたので、連れて来たんです。」
「ほ、本当にキョーコちゃんなのか?!」
「はい。間違いなく最上さんです。」
「社さん…驚かせてすみません。」
おずおずと言うが、社には当然ながら聞こえない。
「なんでも身体と一緒に声まで小さくなったみたいで…今最上さんは、驚かせてしまって申し訳ないと、社さんに言ってますよ。」
そう良いながらポケットを見つめる蓮の表情はとてつもなく甘い。
それはそうだろう。好きな女の子と四六時中一緒にいられるのだ。
蓮が隠しておきたかったのも頷ける。
蓮の独占欲の強さはマネージャーとして一緒にいる時間が多い分重々承知している。
キョーコを誰にも見せたくないし、誰にも触れさせたくない。自分だけのモノにしたいと常々思っているだろう蓮にとって、今回の出来事は、非常に嬉しい出来事なのだろう。
それに今や芸能界で一番忙しい男と言っても過言ではないほど、分単位でスケジュールをこなす蓮にとって、こんなに長時間好きな女の子と一緒にいれることは奇跡に近いことなのだ。
全てに納得の行った社だったのだが、キョーコがLMEの抱える大事なタレント京子なので、この出来事を見なかったことにはできなかった。
そこそこオファーの話も来るようになった京子は芸能事務所LMEの財産なのだ。
このままにしておく訳にはいかない何とか元に戻せる術を探さなくては…。
蓮のマネージャーといえど、LMEの社員である社は常に会社のメリットとなることを第一に考える。
忙しい蓮の為にはこのままの姿で一緒にいてあげて欲しいとは思うが、そういう訳にもいかないのだ。
どうするのかベストなのかを真剣にグルグル考え始めた社を置いて、蓮は、さっさと弁当を広げる。
「さぁ、社さん、早く食べないと時間なくなりますよ。」
蓮が積極的に食事の準備を進める様はなんとも珍しい光景だった。
蓮に促されるまま席について、キョーコにご飯を食べさせる幸せそうな蓮を見つめる。
「蓮、キョーコちゃんの次のスケジュールは?」
「明日、午後からドラマの撮影があるそうで、それまではオフということでした。」
「そうか…じゃあまだ余裕はある訳だな。」
「そうですね。」
「だからと言って、ギリギリ慌てるようなことも困るからな。明日になっても戻らなかったら社長に相談にいくぞ。念のために明日は午前中の撮影は調整しといてやる。」
「え?!な、そんな!!私なんかの為にそんなことしなくても…」
慌てるキョーコをそっと掬い上げて、蓮は、言い聞かせるように覗き込む。
「このままじゃ沢山の人に迷惑をかけることになるだろう?俺たちのスケジュールくらいどうってことないから、君は戻れる様に頑張らないとね?」
蓮の言葉を受けて、この蓮の一番側にいられる場所に居心地の良さを感じ始めていたキョーコは、暗い気持ちで頷くのだった。
「それにしても、かっわいいなぁ~キョーコちゃん!!」
社が小動物を見る様な目でキョーコが食べてる姿を見る。
その視界を遮る様に蓮がペットボトルをテーブルに置く。
「な、なんだよ。蓮。ちょっと見るくらいいいだろ?!」
むすっとしている蓮に、社は非難の声をかける。
可愛いものを可愛いと言って何が悪いのか…。
「ダメですよ。最上さんが集中して食べれなくなるじゃないですか!あんまりジロジロ見ないで下さい。」
そんな蓮の言葉に、お前はいいのかよ!!と、内心でツッコミを入れる社がいたのはお約束だろう。
社に知れたことで、割といつもよりスムーズに帰宅の途に着くことが出来た。
「じゃあ蓮、明日は13時半から撮影だからな。事務所で待ち合わせしよう。1時間前には来いよ。」
社のその言葉に頷いて、蓮は大切そうにキョーコを連れて帰宅するのだった。
蓮に好きな人がいる以上、自分の運命の相手が蓮ということはあり得ないとキョーコは思う。
キョーコさんの話は蓮も社もキョーコが寝ていて聞いていなかったと思ったのか、その後蒸し返されることもないままだった。
昨日と同じように夕飯を共にし、一緒にお風呂に入り、ベッドに入るも、徐々にキョーコの元気がなくなって行く。
「最上さん?どうかしたの??」
心ここにあらずでぼーっとしてしまっているキョーコを心配して、蓮がベッドに横になる前に意を決して尋ねるが、キョーコはフルフルと首を振って、蓮の肩にしがみついているだけだった。
「どこか辛いの?」
そう問いかけてもキョーコは俯いたままで、何も答えない。
そういえば、社に教えた後の昼食もあまり進んでなかったような気がすると蓮は思った。
「どうしたの?」
問いかけても、キョーコは何も答えずただ蓮にしがみつく手に力を込める。
しばらく無言が続いて、蓮がため息を漏らした。
ふぅー。という蓮の溜息に、キョーコの小さい身体がビクンと揺れる。
「…そろそろ寝ようか?」
そう聞いてくる蓮に、無言のままこくんと頷くと、蓮が人形を動かした。
「“じゃあ、一緒に寝ようか?”」
その言葉に、キョーコはフルフルと力なく首を振った。
「最上さん?」
しがみついて離れないキョーコを見て、蓮は蓮人形を脇に置き、キョーコに手を伸ばす。
しがみついて離れまいとするキョーコを両手で持ち上げて、顔を覗き込むと、何か言いたげなキョーコと目が合った。
しかし、それでもキョーコがグッと言葉を飲み込む為、蓮は、自分の眠る枕にキョーコをそっと横たえた。
キョーコの方を向いて蓮もその枕に横になり、キョーコを見つめると、キョーコがわたわたと真っ赤な顔で慌てていたので、蓮は、クスリと微笑んだ。
キョーコの身体を包みこむように手を添えると、キョーコは恥ずかしそうにもじもじとしながらも、嬉しいような困ったような顔をして、蓮を見つめた。
「今日は人形とじゃなくて、俺と寝てくれる?」
その言葉に驚いたように目を開いたキョーコが、泣きそうな顔でニコッと笑ったのを、蓮はどういう意味だろう?と思いながらも、先程のキョーコの様子から話すつもりはないと読んで、「おやすみ。」と声をかけて目を閉じたのだった。
「おやすみなさい…。」
ポツリと返事を返して、目を閉じた美しい想い人を見つめる。
どんな美女でも虜にしてしまうその美貌と甘いマスクを持った芸能界一の抱かれたい男ナンバー1。
そんな彼の唯一の想い人とはどんな女性なのだろうか?
知ってる情報といえば、キョーコと同じ年の高校生で、キョーコと同じ名前だということ。
そして、恐らくその相手は彼の初恋なのだろう。
そんな相手が羨ましく思った。
表では恋なんかもうしないと、公言しておきながら、本当に何時の間にかもう止めることが出来ないくらい好きになってしまっているのだ。
このまま何もしないで、彼とキョーコさんの恋路を応援することなど、とてもじゃないが今のキョーコには出来そうもない。
これ以上、蓮と一緒にいて、もしもキョーコさんと出会ったら?自分は一体どうなってしまうのだろう?
本当にもう、気が狂ってしまいそうなほど蓮に惹かれてしまっているのだ。
この暖かい手の温もりも、この眩しい顔も、優しい彼の声も、安心できる胸の鼓動も、彼から漂う落ち着く香りもーーー本当は誰にも渡したくない。
それが例え、蓮の想い人であろうとも…。
「敦賀さん…。」
自覚すればするほど、彼への想いが強くなる。止められない想いが加速する。
蓮を起こさぬよう、そっと蓮の手から抜け出たキョーコは、蓮のその顔に近付いた。
ーーー運命の人とのキス…か…。貴方以外の人が運命の人ならば…私はこの想いをどうしたら消化できるというのだろう?
「好きです…敦賀さん…貴方が…どうしようもないくらい…好き…。」
キョーコはポロリと涙を流して、寝ている蓮に気付かれないよう願いながらそっと口付けた。
すると、キラキラと暖かい光に包まれて、キョーコの身体が元の大きさに戻ったのだ。
「わっ!戻っ…んん?!?!」
しかし、どうしたことか、キョーコの唇は柔らかい塊にまた塞がれてしまった。
「んん。んっー!!」
驚きで目を見開いたキョーコは、視界を遮ってるのが蓮の顔だということに驚いて真っ赤になった。
唇を塞がれたまま、暴れるキョーコを押さえつけて、蓮はキョーコの甘い唇を堪能する。
逞しい腕がキョーコの腰に巻きつき、もう一方の手はキョーコの手のひらを抑え込み指を絡める。
元に戻ったのとほぼ同時に蓮に抱え込まれ、キョーコの頭は混乱してしまった。
でも、蓮の優しくて甘い口付けは、そんなキョーコの混乱も上手く溶かして、絡め取る。
徐々に抵抗をなくして行くキョーコに蓮は、優しくとけるようなキスを与える。
ちゅっと音を立てて離れた唇に、キョーコはぽうっと惚けて目の前の蓮を見つめた。
蓮は、キョーコに嬉しそうに微笑みかけた。
「俺と最上さんは運命で結ばれてたんだね?」
蓮がキョーコに囁くと、キョーコは驚いた顔をした。
「まさか、君の方から告白されて、キスされるなんてなぁ~。」
蓮はこれ以上ないくらい崩した顔で嬉しそうにはにかんだ。
そんな顔をみせられたキョーコは思わず赤面してしまった。
その蓮の顔が今まで見たどんな顔よりも甘いのだ。
「ね?もう一回言って?俺のこと…どう思ってるか…。」
「へ?!あ、あのっ!」
蓮に抑え込まれている為、簡単に抜け出せないキョーコは、わたわたと慌てる。
その姿がとても可愛らしい。もう愛しくて愛しくてたまらない。
「ねぇ、最上さん…お願い…。」
甘い声で耳元で囁かれ、キョーコは心臓が壊れそうなくらいどくどくと音を立てた。
「俺のこと…好き??」
「ひゃんっ!あ、あの、す、好き…です…。」
小さな声で精一杯の気持ちを伝えると、その返事ははキスと共に返ってきた。
「俺も…。」
蓮の熱い唇が、キョーコを溶かそうとするかのように甘く襲いかかった。
二人はどのくらいキスを交わしていたのかわからないくらいの時間たっぷりとキスを交わしたのだった。
本物の蓮の腕枕に身を寄せて、キョーコが蓮を見上げる。
「敦賀さんは…キョーコさんが好きだったんじゃ…。」
「ん?俺の知ってるキョーコさんは最上さんだけだけど?あ…もしかして、昼間のあれ?アレで勘違いしてた?」
蓮は、どうしようもないくらい口元を緩めてキョーコを抱きしめている。今のキョーコの格好も昨夜の寝る時と同じなのだが、不思議と今はキョーコに手を出す気は起きなかった。
漸くキョーコを手に入れた幸せに今しばらく浸りたい。
この関係をゆっくりと確実に進めていけばいい。
恥ずかしがり屋なキョーコがキスをしてくれたことだけでも、本当に幸せ過ぎるくらいなのだ。
ここで下手に進めて嫌われたら目も当てられないだろう。
身を寄せたキョーコの柔らかな身体に、蓮は、口元を綻ばせて、幸せいっぱいにキョーコを抱き締めていた。
「話したいことは沢山あるけど…明日はゆっくり出来るし、明日沢山話そうか?」
「…はい。そうですね。」
眠そうに目をこするキョーコを見て、蓮は、優しく微笑むとその頬にキスを落とした。
「おやすみ。最上さん…いい夢を…。」
「ん。おやすみなさい…。敦賀さん…。」
吸い込まれるように眠りについたキョーコの顔が蓮の方を向く。その気持ち良さげに眠る顔を覗き込んで、すうすうと寝息を立てる唇に、蓮はそっと唇を重ねた。
柔らかな唇を感じながら、蓮は、幸せいっぱいに目を閉じるて唇はそのままに眠りについたのだった。
翌朝、目覚めた二人は昨夜の出来事が夢じゃなかったことを確かめて、幸せを噛み締めた。
午前の時間を有効にいちゃいちゃと甘い時間を過ごして、二人は互いの仕事へと向かって行ったのだった。
END
※一応…ね?こんなお話に拍手つけることがおこがましいとか言われそうですが…もし良かったなって少しでも思っていただけたら暖かい拍手お願いします!!
励みにします!!(笑)
*****
ラストは何だか、無理やり終わらせた感じになっちゃった!!
これなら書かないほうが良かったかな?と思いつつ、続きにした手前UPしちゃいました。(汗)
本当に駄文過ぎて泣けてくるー!!
因みに、このままだとキョーコは下着も着ていく服もない為、一度ミニマム化して、ラブミーツナギに着替えを済ませて、蓮にキスしてもらって元に戻った設定です(笑)
でも、書けなかったー!!
これで勘弁してください!!(土下座)
なんとか今日中に、お題テーマクリア!!と、胸を撫で下ろした風月です。
本当に楽しみにしてくださってた皆さんこんな終わり方ですみませんでしたー!!
と、言い逃げさせていただきますぅー!!(逃走)
これでも風月頑張りました!!
でもでも、考えてたような展開になりませんでした!!
今日はお話書くの絶不調でしたね!それでもいいという方のみ、ご覧ください。
でも、超駄文なのでミニマムで楽しんでた方は前回の4が終わりって思ってもらった方がいいかもっ!!
ここからはどうか、エンディングではなく、オマケ程度の気持ちで読んでください!!お願いします!!(大汗)
*****
ミニマム!!【5】
今日もキョーコを胸ポケットに入れて、蓮は撮影へと出掛けていった。
着替えの度に、楽屋の外へと追い出す蓮に怪訝な顔を見せながら社は渋々楽屋を出る。
そんなことを繰り返していると14時を過ぎて漸く昼の休憩に差し掛かった。
出されたお弁当を持って来た社からお礼を言いつつ受け取って、蓮はキョーコにどうやって昼食を与えるか考える。
「社さんはここで召し上がって下さい。俺はちょっと別のとこでーー。」
「るぇーんー?まさか逃げる気じゃないよな?幸せ過ぎて胸がいっぱいで食べれませんってか?」
「えぇ?社さん、何を言ってるんですか?」
「昨日から幸せで幸せでどうしようもないって顔してるだろうがっ!話してくれるまで待ってようと思ったけど、話す気はないみたいだし?もう、俺お前にスケジュール調整で協力するのやめちゃおうかなぁ~。信用ないみたいだもんなぁ~。」
不貞腐れてしまった社から拗ねた様に顔を逸らされ、つまらなそうに呟かれ、蓮は焦ったように答える。
「な、なにを言ってるんですか?社さん。社さんのことはちゃんと信用してますよ。」
「ふぅーん?信用してるのか?それなのに、お前は俺に隠し事を平気でするのか…?」
「か、隠し事なんて…何も…」
「隠してるだろうがっ!昨日からにやにやにやにやにやにやとっ!!気持ち悪いくらい胸ポケットを気にして!!一体キョーコちゃんから何をもらったんだよ!」
「なっ!!人を変態みたいに言わないで下さい!!そんなニヤニヤなんてしてませんよ!」
「いーや!お前は変態だ!!そんなにニヤニヤ緩みまくった顔して、キョーコちゃんと何があったかは知らないけど、思い出し笑いでもしてるのか?」
「や、社さん!!」
キョーコにこの会話を聞かれたくなくて、蓮は、焦った声を漏らす。
「今まで散々、キョーコちゃんのことが大好きなお前の為に、キョーコちゃんと会えるよう忙しいお前のスケジュールを調整してやって来たというのに!お兄ちゃんは悲しいよ。」
ポケットの中で話を聞いていたキョーコは一気に暗い気持ちになってしまった。
蓮の好きな人が『キョーコさん』だと言うことを社も知っているのだ。
そして、その社は蓮の恋が叶う為に協力までしている。
キョーコはキュッと蓮の服にしがみつきながら、唇を結んで今だけと自分に言い聞かせながら、蓮に身を寄せ静かに目を閉じた。
蓮は、そんなキョーコの心情も知らず、なんてことをバラしてくれたんですか…という想いでがっくりと項垂れていた。
「社さん…」
蓮がずもももーんという重い空気を纏って社に声をかけると、社が驚いた顔で蓮をみた。
「な、なんだよ?!蓮、なんだ?どうしたんだ?!」
蓮は、フーと、息を長く吐き出すと、漸く観念したのか、ポケットの中のキョーコを覗き込んだ。
すると、キョーコがポケットの中で目を閉じてるのを見て、蓮の顔がほっと安堵の色を見せた。
どうやら先程の会話は聞かれてないなかったらしいと思った蓮は、社に声をかける。
「実は、最上さんが今一緒にいるんです。」
「は?!お前、何言ってるんだ?!」
蓮の突然発した意味不明な言動に社が怪訝な顔を向ける。
蓮は、そんな社に驚かないで下さいね?と言ってから、ポケットの中の目を瞑っているキョーコに声をかけた。
「最上さん、ごめんね?ちょっとだけ起きてくれる?」
蓮に声をかけられて、キョーコは先程の会話を聞いていたことを知られたくなくて、蓮が寝てると勘違いされたのをいいことに、寝起きを装って起き上がった。
「ん…。何ですか?敦賀さん…」
こしこしと目をこすりながら答えると、蓮の笑みが深くなった。
そんな顔を向けないで欲しいとキョーコは思う。勘違いして勝手に期待してしまう自分の心を守るため、そっとそんな蓮から顔を逸らした。
「ごめんね?社さんに事情を説明したいから出て来てくれる?」
その蓮の言葉に頷いて、キョーコはそっと蓮のポケットから頭を出した。
「ええええぇ?!きょ、キョーコちゃん?!?!?!」
すると、驚愕な表情で社が固まった。
「どういう訳だかわからないのですが、昨日ラブミー部の部室に言った時に、小さくなった最上さんを発見しまして、最上さんが困ってたので、連れて来たんです。」
「ほ、本当にキョーコちゃんなのか?!」
「はい。間違いなく最上さんです。」
「社さん…驚かせてすみません。」
おずおずと言うが、社には当然ながら聞こえない。
「なんでも身体と一緒に声まで小さくなったみたいで…今最上さんは、驚かせてしまって申し訳ないと、社さんに言ってますよ。」
そう良いながらポケットを見つめる蓮の表情はとてつもなく甘い。
それはそうだろう。好きな女の子と四六時中一緒にいられるのだ。
蓮が隠しておきたかったのも頷ける。
蓮の独占欲の強さはマネージャーとして一緒にいる時間が多い分重々承知している。
キョーコを誰にも見せたくないし、誰にも触れさせたくない。自分だけのモノにしたいと常々思っているだろう蓮にとって、今回の出来事は、非常に嬉しい出来事なのだろう。
それに今や芸能界で一番忙しい男と言っても過言ではないほど、分単位でスケジュールをこなす蓮にとって、こんなに長時間好きな女の子と一緒にいれることは奇跡に近いことなのだ。
全てに納得の行った社だったのだが、キョーコがLMEの抱える大事なタレント京子なので、この出来事を見なかったことにはできなかった。
そこそこオファーの話も来るようになった京子は芸能事務所LMEの財産なのだ。
このままにしておく訳にはいかない何とか元に戻せる術を探さなくては…。
蓮のマネージャーといえど、LMEの社員である社は常に会社のメリットとなることを第一に考える。
忙しい蓮の為にはこのままの姿で一緒にいてあげて欲しいとは思うが、そういう訳にもいかないのだ。
どうするのかベストなのかを真剣にグルグル考え始めた社を置いて、蓮は、さっさと弁当を広げる。
「さぁ、社さん、早く食べないと時間なくなりますよ。」
蓮が積極的に食事の準備を進める様はなんとも珍しい光景だった。
蓮に促されるまま席について、キョーコにご飯を食べさせる幸せそうな蓮を見つめる。
「蓮、キョーコちゃんの次のスケジュールは?」
「明日、午後からドラマの撮影があるそうで、それまではオフということでした。」
「そうか…じゃあまだ余裕はある訳だな。」
「そうですね。」
「だからと言って、ギリギリ慌てるようなことも困るからな。明日になっても戻らなかったら社長に相談にいくぞ。念のために明日は午前中の撮影は調整しといてやる。」
「え?!な、そんな!!私なんかの為にそんなことしなくても…」
慌てるキョーコをそっと掬い上げて、蓮は、言い聞かせるように覗き込む。
「このままじゃ沢山の人に迷惑をかけることになるだろう?俺たちのスケジュールくらいどうってことないから、君は戻れる様に頑張らないとね?」
蓮の言葉を受けて、この蓮の一番側にいられる場所に居心地の良さを感じ始めていたキョーコは、暗い気持ちで頷くのだった。
「それにしても、かっわいいなぁ~キョーコちゃん!!」
社が小動物を見る様な目でキョーコが食べてる姿を見る。
その視界を遮る様に蓮がペットボトルをテーブルに置く。
「な、なんだよ。蓮。ちょっと見るくらいいいだろ?!」
むすっとしている蓮に、社は非難の声をかける。
可愛いものを可愛いと言って何が悪いのか…。
「ダメですよ。最上さんが集中して食べれなくなるじゃないですか!あんまりジロジロ見ないで下さい。」
そんな蓮の言葉に、お前はいいのかよ!!と、内心でツッコミを入れる社がいたのはお約束だろう。
社に知れたことで、割といつもよりスムーズに帰宅の途に着くことが出来た。
「じゃあ蓮、明日は13時半から撮影だからな。事務所で待ち合わせしよう。1時間前には来いよ。」
社のその言葉に頷いて、蓮は大切そうにキョーコを連れて帰宅するのだった。
蓮に好きな人がいる以上、自分の運命の相手が蓮ということはあり得ないとキョーコは思う。
キョーコさんの話は蓮も社もキョーコが寝ていて聞いていなかったと思ったのか、その後蒸し返されることもないままだった。
昨日と同じように夕飯を共にし、一緒にお風呂に入り、ベッドに入るも、徐々にキョーコの元気がなくなって行く。
「最上さん?どうかしたの??」
心ここにあらずでぼーっとしてしまっているキョーコを心配して、蓮がベッドに横になる前に意を決して尋ねるが、キョーコはフルフルと首を振って、蓮の肩にしがみついているだけだった。
「どこか辛いの?」
そう問いかけてもキョーコは俯いたままで、何も答えない。
そういえば、社に教えた後の昼食もあまり進んでなかったような気がすると蓮は思った。
「どうしたの?」
問いかけても、キョーコは何も答えずただ蓮にしがみつく手に力を込める。
しばらく無言が続いて、蓮がため息を漏らした。
ふぅー。という蓮の溜息に、キョーコの小さい身体がビクンと揺れる。
「…そろそろ寝ようか?」
そう聞いてくる蓮に、無言のままこくんと頷くと、蓮が人形を動かした。
「“じゃあ、一緒に寝ようか?”」
その言葉に、キョーコはフルフルと力なく首を振った。
「最上さん?」
しがみついて離れないキョーコを見て、蓮は蓮人形を脇に置き、キョーコに手を伸ばす。
しがみついて離れまいとするキョーコを両手で持ち上げて、顔を覗き込むと、何か言いたげなキョーコと目が合った。
しかし、それでもキョーコがグッと言葉を飲み込む為、蓮は、自分の眠る枕にキョーコをそっと横たえた。
キョーコの方を向いて蓮もその枕に横になり、キョーコを見つめると、キョーコがわたわたと真っ赤な顔で慌てていたので、蓮は、クスリと微笑んだ。
キョーコの身体を包みこむように手を添えると、キョーコは恥ずかしそうにもじもじとしながらも、嬉しいような困ったような顔をして、蓮を見つめた。
「今日は人形とじゃなくて、俺と寝てくれる?」
その言葉に驚いたように目を開いたキョーコが、泣きそうな顔でニコッと笑ったのを、蓮はどういう意味だろう?と思いながらも、先程のキョーコの様子から話すつもりはないと読んで、「おやすみ。」と声をかけて目を閉じたのだった。
「おやすみなさい…。」
ポツリと返事を返して、目を閉じた美しい想い人を見つめる。
どんな美女でも虜にしてしまうその美貌と甘いマスクを持った芸能界一の抱かれたい男ナンバー1。
そんな彼の唯一の想い人とはどんな女性なのだろうか?
知ってる情報といえば、キョーコと同じ年の高校生で、キョーコと同じ名前だということ。
そして、恐らくその相手は彼の初恋なのだろう。
そんな相手が羨ましく思った。
表では恋なんかもうしないと、公言しておきながら、本当に何時の間にかもう止めることが出来ないくらい好きになってしまっているのだ。
このまま何もしないで、彼とキョーコさんの恋路を応援することなど、とてもじゃないが今のキョーコには出来そうもない。
これ以上、蓮と一緒にいて、もしもキョーコさんと出会ったら?自分は一体どうなってしまうのだろう?
本当にもう、気が狂ってしまいそうなほど蓮に惹かれてしまっているのだ。
この暖かい手の温もりも、この眩しい顔も、優しい彼の声も、安心できる胸の鼓動も、彼から漂う落ち着く香りもーーー本当は誰にも渡したくない。
それが例え、蓮の想い人であろうとも…。
「敦賀さん…。」
自覚すればするほど、彼への想いが強くなる。止められない想いが加速する。
蓮を起こさぬよう、そっと蓮の手から抜け出たキョーコは、蓮のその顔に近付いた。
ーーー運命の人とのキス…か…。貴方以外の人が運命の人ならば…私はこの想いをどうしたら消化できるというのだろう?
「好きです…敦賀さん…貴方が…どうしようもないくらい…好き…。」
キョーコはポロリと涙を流して、寝ている蓮に気付かれないよう願いながらそっと口付けた。
すると、キラキラと暖かい光に包まれて、キョーコの身体が元の大きさに戻ったのだ。
「わっ!戻っ…んん?!?!」
しかし、どうしたことか、キョーコの唇は柔らかい塊にまた塞がれてしまった。
「んん。んっー!!」
驚きで目を見開いたキョーコは、視界を遮ってるのが蓮の顔だということに驚いて真っ赤になった。
唇を塞がれたまま、暴れるキョーコを押さえつけて、蓮はキョーコの甘い唇を堪能する。
逞しい腕がキョーコの腰に巻きつき、もう一方の手はキョーコの手のひらを抑え込み指を絡める。
元に戻ったのとほぼ同時に蓮に抱え込まれ、キョーコの頭は混乱してしまった。
でも、蓮の優しくて甘い口付けは、そんなキョーコの混乱も上手く溶かして、絡め取る。
徐々に抵抗をなくして行くキョーコに蓮は、優しくとけるようなキスを与える。
ちゅっと音を立てて離れた唇に、キョーコはぽうっと惚けて目の前の蓮を見つめた。
蓮は、キョーコに嬉しそうに微笑みかけた。
「俺と最上さんは運命で結ばれてたんだね?」
蓮がキョーコに囁くと、キョーコは驚いた顔をした。
「まさか、君の方から告白されて、キスされるなんてなぁ~。」
蓮はこれ以上ないくらい崩した顔で嬉しそうにはにかんだ。
そんな顔をみせられたキョーコは思わず赤面してしまった。
その蓮の顔が今まで見たどんな顔よりも甘いのだ。
「ね?もう一回言って?俺のこと…どう思ってるか…。」
「へ?!あ、あのっ!」
蓮に抑え込まれている為、簡単に抜け出せないキョーコは、わたわたと慌てる。
その姿がとても可愛らしい。もう愛しくて愛しくてたまらない。
「ねぇ、最上さん…お願い…。」
甘い声で耳元で囁かれ、キョーコは心臓が壊れそうなくらいどくどくと音を立てた。
「俺のこと…好き??」
「ひゃんっ!あ、あの、す、好き…です…。」
小さな声で精一杯の気持ちを伝えると、その返事ははキスと共に返ってきた。
「俺も…。」
蓮の熱い唇が、キョーコを溶かそうとするかのように甘く襲いかかった。
二人はどのくらいキスを交わしていたのかわからないくらいの時間たっぷりとキスを交わしたのだった。
本物の蓮の腕枕に身を寄せて、キョーコが蓮を見上げる。
「敦賀さんは…キョーコさんが好きだったんじゃ…。」
「ん?俺の知ってるキョーコさんは最上さんだけだけど?あ…もしかして、昼間のあれ?アレで勘違いしてた?」
蓮は、どうしようもないくらい口元を緩めてキョーコを抱きしめている。今のキョーコの格好も昨夜の寝る時と同じなのだが、不思議と今はキョーコに手を出す気は起きなかった。
漸くキョーコを手に入れた幸せに今しばらく浸りたい。
この関係をゆっくりと確実に進めていけばいい。
恥ずかしがり屋なキョーコがキスをしてくれたことだけでも、本当に幸せ過ぎるくらいなのだ。
ここで下手に進めて嫌われたら目も当てられないだろう。
身を寄せたキョーコの柔らかな身体に、蓮は、口元を綻ばせて、幸せいっぱいにキョーコを抱き締めていた。
「話したいことは沢山あるけど…明日はゆっくり出来るし、明日沢山話そうか?」
「…はい。そうですね。」
眠そうに目をこするキョーコを見て、蓮は、優しく微笑むとその頬にキスを落とした。
「おやすみ。最上さん…いい夢を…。」
「ん。おやすみなさい…。敦賀さん…。」
吸い込まれるように眠りについたキョーコの顔が蓮の方を向く。その気持ち良さげに眠る顔を覗き込んで、すうすうと寝息を立てる唇に、蓮はそっと唇を重ねた。
柔らかな唇を感じながら、蓮は、幸せいっぱいに目を閉じるて唇はそのままに眠りについたのだった。
翌朝、目覚めた二人は昨夜の出来事が夢じゃなかったことを確かめて、幸せを噛み締めた。
午前の時間を有効にいちゃいちゃと甘い時間を過ごして、二人は互いの仕事へと向かって行ったのだった。
END
※一応…ね?こんなお話に拍手つけることがおこがましいとか言われそうですが…もし良かったなって少しでも思っていただけたら暖かい拍手お願いします!!
励みにします!!(笑)
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ラストは何だか、無理やり終わらせた感じになっちゃった!!
これなら書かないほうが良かったかな?と思いつつ、続きにした手前UPしちゃいました。(汗)
本当に駄文過ぎて泣けてくるー!!
因みに、このままだとキョーコは下着も着ていく服もない為、一度ミニマム化して、ラブミーツナギに着替えを済ませて、蓮にキスしてもらって元に戻った設定です(笑)
でも、書けなかったー!!
これで勘弁してください!!(土下座)
なんとか今日中に、お題テーマクリア!!と、胸を撫で下ろした風月です。
本当に楽しみにしてくださってた皆さんこんな終わり方ですみませんでしたー!!
と、言い逃げさせていただきますぅー!!(逃走)