メロキュン企画☆第7弾!
『キョコ誕★極甘限界チャレンジ!』
に提出します♪


いやはや、極甘諦めてキョコ誕でなんでもいいから書こう!!と思って書いたらこんな話が出来ました!(笑)
とりあえず、読み上がって読んでみて、極甘限界チャレンジでも行けるかな??と思ったので、思い切って提出です!!

極甘になってるかドッキドキですが、お楽しみ頂けたら嬉しいです☆


*****



想いの溢れたクリスマス


「最上さん、お誕生日おめでとう。」

今年もLMEの迎賓館ではクリスマスイブにグレイトフルパーティーが開催されていた。
0時を知らせる鐘の音に合わせて、耳を擽ったその声に慌ててキョーコは振り返った。

そこには会いたくて会いたくて、でも届かない程遠くに行ってしまっていたと思っていた誰よりも恋しくて尊敬する大先輩が、優しい色合いの花束を差し出して立っている姿があった。

「つ…るが、さ…?え…な、んで?ど…して?」

花束を受け取ってみたものの、あまりのことに驚いたキョーコの視線は蓮の顔に釘付けだった。大きな瞳を丸まると見開いて信じられないという目で見つめていた。

蓮はハリウッドからオファーが入り、今年の始めから海外に行っていたはずだった。
大掛かりな映画の撮影の為、数年向こうで過ごすことになると聞いていたキョーコは今この場に蓮がいることが信じられなかったのだ。

「君の誕生日を今年も一番に祝いたかったんだ。」

柔らかく微笑む蓮と、それを見守るように囲む人々。騒ぐ人がいないのを見る限り、知らされていなかったのはキョーコだけのようだった。

「それ…だけの…為に?」

困惑して頭が上手く回らない。ありがとうございます。という気持ちを伝えたいのに、その言葉が出てこない。

「それだけって…酷いな。俺にとってはとても重要なことだよ?」

苦笑して微笑む蓮が、眩しくて…夢なのだろうかと思わず疑う。
確かめたくてひねる様に摘まんだ頬っぺたがヒリヒリと痛んだ。

「…いひゃい…ゆめ…じゃにゃい?」

「も、最上さん?!何してるの?!」

慌てた蓮が急いでキョーコに近寄り赤くなった頬を優しく摩る。
大きくて少しだけ冷たい蓮の手がそこにいるのが本物の蓮だということを認識させてじわりとキョーコの目に涙が浮かんだ。

「お…祝い、なら…電話だって…」

「電話だと、君の顔がみれないだろう?」

「今っは、テレビ電話だってあるっのにっ…」

「テレビ電話だと、君にこんな風に触れることができないだろう?」

優しい蓮の掌がキョーコの頬を包み込み、涙をそっと拭った。

「なんでっっ…」

そんな言葉しか出てこない。
聞きたい言葉は沢山あって、話したいことも沢山あって、本当はもっともっと感謝の言葉だって伝えたい


ーーでも今は…

遠く手の届かない場所に行ってしまったと思い込んでいた蓮が目の前にいて…

ーー貴方が…

優しく微笑む姿が眩しくて、恋い焦がれてどうしようもなくなっていた想いが溢れ出す…

ーー私の側にいてくれるなら…

この気持ちを伝えてもいいだろうか?
一度だけ…一度だけでいいから口に出して、この溢れそうな程膨らんでしまった気持ちを目の前にいる大切なこの人へ…


「君に会いたかったんだって言ったら、信じてくれる?」

頭の中でぐるぐると考え込んでる間にも涙は後から後から零れ出る。そんなキョーコの耳に、優しい声が、夢のような言葉と共に降りかかった。
手の中の花束が取り上げられ、ふわりと優しい香りを残してさり気なくテーブルへ移され、そして安心する香りと温もりにそっと包まれた。
この世で一番安心できて恋しくて堪らない、一番大好きな体温を全身が感じとる。
言葉を出したいのに、流れる涙がそれを許さず、言葉に出来ない。

声の出せない代わりに、泣きながら精一杯の想いを込めて、失礼は承知で大先輩のシャツにしがみつき胸に縋った。


そうでもしないと、壊れてしまいそうだった…。


この気持ちを伝えたくて堪らなくて、それでも何という言葉で告げればいいのかわからず、言葉が上手く出ない今、行動で示すしかなかった。

「…ごめん。驚かせちゃったかな?」

「そ…んな…こと…」

申し訳なさそうな戸惑いを含んだその声にふるふると頭を振り、涙でつっかえながらも懸命に声を絞り出し否定する。

「…寂し、かった?」

トクトクトクと少し早く感じる蓮の心臓の音を不思議そうに聞きながら、キョーコはギュッと唇を噛み締めて、小さく頷いた。

「……君も…俺に会いたいと、思ってくれていた?」

その言葉にキョーコは堪らず何度もコクコクと頷いた。

その途端、今まで優しく包む様に抱きしめられていた腕に一気に力が入って、物凄い力で抱き締められる。

「っ?!」

あまりの力強さに息がつまり、キョーコの涙が止まった。

「うっ、つ、敦賀さっ…苦し…」

「俺もっ…会いたかった。」

不意に降ってきた心の底から絞り出す様な言葉に、キョーコは心臓が止まりそうなほど驚いた。

「会いたかった。逢いたかったよ…最上さん…。」

蓮の身体が泣いているかのように震えていてキョーコは不思議な気持ちになる。
蓮の体温が、行動が、声色が、言葉が…蓮の全身がキョーコに愛してると叫んでいるような錯覚をしてしまう。

ーーそんな…敦賀さんが…まさか…

なんて思うけど、腕の力強さが、言葉の重みが、声色が、全てその言葉に真実が込められているのではないかと知らず期待が湧き上がる。

「う…うぅ…つ、るが…さん…。」

今まで、誰かに必要とされたことなどなかった。

ーーー私に逢いたいって思ってくれてたんですか?

その想いに胸がギュッと締め付けられる。


愛を打ち砕かれたことはあっても、その愛に答えられたことはなかった。

それでも、まだ心の何処かで愛を信じていたのかもしれない。

ーーーこの人になら伝えてもいい?
例えこの想いが届かなくても、きっとこの人なら私を笑ったりなんてしないわ。

キョーコは恐々と、蓮の背中に手を回してギュッと蓮を抱きしめた。

蓮の身体がピクリと震える。更に腕に力がこもり、もうこれ以上くっつけないほど近くに蓮を感じる。
キョーコの中でまるで凍っていた心が溶け出すようにじわりじわりと愛しさが全身を駆け巡る。

「君に、伝えたいことがあるんだ。」

「私も、貴方に伝えたいことがあります。」

ギュッと強い力で抱きしめれば、蓮も同じ強さで抱き締め返してくれた。
キョーコは蓮の胸元に頬をすりよせ肺いっぱいに息を吸い込む。
大好きな香りがそこにある。


「ずっとずっと、君に伝えたかった。」

「ずっとずっと、貴方に伝えたかった。」

二人の言葉が重なった。
二人同時に決壊したかのように話し始める。

「でも、俺は臆病で…」

「貴方に拒絶されるのが怖くて…」

「言葉に出すことが出来なかった。」

「築き上げた関係を壊したくなかったから…。」

「だけど…このままもう黙っておくなんて出来ない。」

「貴方と離れることは耐えられません。」

「俺は、君を…」

「私は、貴方を…」

「「愛しています。」」

二人はお互いを見つめたまま、お互いの口から出た言葉が、見事にハモったことに…固まった。

「「え……?」」

「今…」

「なん…て…?」

二人は某然とお互いを見つめあった。

「愛してるって…」

「愛しているって…」

「ほ、本当に?!」

「う、嘘…っ?!」

「え?嘘?嘘なの?!」

「ち、違います!!!!私のは本当です!!」

「それ、俺のは嘘って言ってるみたいじゃないか。俺のも本当だよ!」

「だ、だって…敦賀さんですよ?!嘘みたいな話じゃないですかっ!!」

「君だって…ラブミー部だろう?!信じられない気持ちは俺も一緒だよ!!」

「え…じゃあ…。本当…なんですか?」

「本当だよ。…君も…本当なんだね?」

「は、はいっ!!ほ、本当…ですっ!!」

蓮の顔にじわじわと喜色が浮かび、キョーコは照れたように顔を真っ赤にさせて答えた。

二人はそのまま互いの体温を分け合うかの様に恐る恐るとまた抱き締めあった。

ドクドクドクドクとどちらのものかわからなくなった心音を二人は信じられない気持ちで確かめ合う。

「好きだよ?」

「好き…ですよ?」

二人は互いにちゃんと伝わっているのか確認するようにして想いを伝え合った。

互いの言葉が耳から入り、その気持ちがお互いの全身に伝わる。

身体が震えてしまうのは抱えきれない幸福からだろうか…。
それとも溢れ出しすぎた愛のせいだろうか?

互いに可笑しくなって、ふふふっと照れたように笑い合った。

一通り笑いあって、やっと互いに想いを認識する。
お互いの温もりがまだ腕の中にあることが自分の想いがキチンと伝わっている証明になっていた。

「キョーコ…」

キョーコの耳の横に顔を寄せて蓮がそっと名前を呼んだ。驚いたキョーコがパッと顔を上げて蓮を見た。
互いの顔をマジマジと見つめて、蓮は破顔し、キョーコは照れたように笑う。

二人の額がコツンと重なり、暫くそのままゆっくりとダンスを踊るように蓮を軸にして身体を揺らした。

じわじわと甘い感情が空気となって外へ飛び出すと、周りにいる人々は見てられないわとばかりに赤くなった顔を仰いだり、互いに気まずげに視線を合わせる。チラホラと離れ始めた外野にずっと一部始終を見られていたことに気づかなかったのは、キョーコにとって不幸中の幸い…いや、幸福中の災いだろうか?

次の日、蓮の腕の中で目覚めたキョーコが朝のニュースを見て大絶叫をあげる羽目になることも、今のキョーコは知るはずもない。


優しい眼差しを向ける蓮に頬を染めたまま微笑んで、二人はそっと唇を合わせた。

何時の間にか流れ始めたしっとりとしたダンスの曲に合わせて揺れながら二人は味わうようにゆっくりとキスを交わす。

いつまでもいつまでも、蓮とキョーコの気の済むまで。

尽きることのない幸福はこれからもずっと続いて行くのだろう。

「改めて、メリークリスマス&ハッピーバースデイキョーコ。」

ちゅっとリップ音を立てて離れた唇からお祝いの言葉が飛び出してキョーコは一瞬今思い出したかのように驚いた顔をした後、ほおを染めてふわりと可愛らしく笑った。

「メリークリスマス。そしてありがとうございます!」

「これ、プレゼントなんだけど、開けてくれる?」

「あ、ありがとうございます!いいんですか?」

「もちろん。君に似合いそうだって思って買ってきたんだ。」

出てきたのは小ぶりで品のあるブレスレッドとイヤリングのセットだった。

「わぁ!」

「ネックレスにしようかと思ったんだけど、プリンセスローザを気に入ってくれてるみたいだから、それに合うブレスレッドとイヤリングにしてみたんだ。」

「ありがとうございます!!とっても素敵です!!でも、二つもなんて…」

「一つは誕生日プレゼント。もう一つはクリスマスプレゼントだよ?」

蓮の言葉にキョーコは安堵の息を漏らす。

「それなら、あの、有難く頂きます。」

えへへ。と、笑う姿が可愛くて堪らない。

その後も沢山の人に囲まれて、プレゼントとお祝いの言葉がキョーコに向けられた。

その側にはキョーコの腰を抱いた蓮が常に立っていて、キョーコが可愛い笑顔でプレゼントを受け取る度、キョーコを引き寄せ額にキスを贈り、蓮まで神々しい笑顔でお礼を述べる。
二人のラブラブっぷりにキョーコが目当てだった者は悉く遠ざけられ、涙を呑んでいた。


テラスに出て蓮はキョーコを後ろから抱き締める。

「沢山祝ってもらえてよかったね。」

「はい。でも、頂いてばかりで申し訳ないです。」

「今度お返し考えたらいいんじゃないかな?」

「そう…ですね。」

ちょっとした悪戯心で蓮が言う。

「俺も欲しかったな…クリスマスプレゼント。」

「あ!ご、ごめんなさい。いらっしゃるなんて思ってなかったので用意できてなくて…」

蓮の意図に気付かずに申し訳なさそうに答えるキョーコもかわいいなと思いながら蓮はキョーコを抱き締める。

「いいよ。言ってなかった俺も悪いし。それに、キョーコの想いがわかっただけで充分。」

「あ、あの!欲しいものがあれば、何でもご用意しますから仰って下さい。」

「…何でも?」

「はい!何でもお好きな物をなんなりと!」

そんな返答が帰ってきて、蓮は我慢出来なくなって、そっとキョーコをお姫様抱っこで抱え上げた。

「帰ろうか…俺のお姫様。」

「え…」

「もっと、君との二人っきりを満喫したい。」

そう言われて、恥ずかし過ぎて何と返事をしていいかわからなかったキョーコはキュッと蓮の首に抱き着くことで了承を示した。

蓮はそんなキョーコを宝物の様に大切に抱き締め歩き始めた。

沢山の人に背中を叩かれ、祝福されながら迎賓館を後にする。

何時の間にかローリィの秘書が車を用意してくれていたようで、リムジンの後部座席に乗り込んで、久しぶりに帰るマンションへと車を向ける。
何時の間にかトランクにプレゼントも乗せられていた。

完全に密室なリムジンの中で、蓮は先程まで人がいるのでずっと我慢していた深いキスをキョーコに施す。
リムジンが止まるまでずっと止むことなく二人は溶けそうなほど熱いキスを交わしたのだった。


窓の外では、まるで今の二人を祝福するかのように白い雪が優しく踊っていた。


END


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と言うことで、皆様、メリークリスマス!!

明日はキョコ誕でクリスマス!!素敵な一日になるといいですね☆

今年も後わずか!
お話UP出来るかわかりませんので、とりあえずご挨拶をば!

今年も皆さんの暖かいメッセージやコメントのお陰でお話を書くことが出来ました!ありがとうございました!

後一回ぐらい今年も更新したいなと思ってますが、どうなるか分かりませんので、挨拶だけお先に失礼します。

皆様体調には気をつけて、良いお年を[みんな:01]