今頭に浮かんでる話を今すぐ全部形にしたい~!!と悶絶いたしております!!

そんな中、いつの間にか迎えていたブログ一年半記念は、当日に気づかぬままスルーしてしまったので、今度こっそりフリーシリーズでもUP出来たらなと考えております☆


さてさて、今日の判断は迷う所です。
蓮様好きの方…保険の為にあと一話我慢して頂けます?
そしたらきっと続けて読めるようになるかも~!!(あくまで“かも~”でございます。今後の展開によりストップかけることになったらごめんなさい。←いえ多分もう大丈夫だとは思いますねどね?笑)


メッセージでも嬉しい感想頂きました!ありがとうございます!!蓮様好きでこのお話を読んでいるあなた様は勇者様かもしれません!*\(^o^)/*


それでは、続きをお楽しみください♪


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不安な夜 18



アメリカではクー・ヒズリとジュリエラ・ヒズリの子供として子供の時から注目を浴び、意味もなく外を出歩く事など出来なかった。
一人で出歩こうものなら、パパラッチの餌食になるからだ。

日本に来てからは敦賀蓮として日本に馴染む為に無我夢中で仕事をするうちに人気が出た為、このように堂々と街中を歩くこともなかった。
人目を気にして帽子を目深に被ったりファッションに気を付けたりと、外に出る時は何かと気を使うのが普通だったのだ。
例外としてカインを演じていた間は人目など一々気にせず行動できたが、このように街中を出歩く機会には殆ど恵まれていなかった。

だから、今本来のクオン・ヒズリの容姿で堂々と街中を歩けていることに、蓮は何とも不思議な開放感を味わっていた。

しかし、やはり金髪碧目の外国人は日本では目立つらしい。
先程からすれ違う人達が次々と振り返ってはキャーキャーと騒いでいるようで耳障りな声が聞こえてくる。

静かに歩くことも出来ないのかと、眉間に皺を寄せ大きく息を吐く。

「きゃーー!やばいっ!あの金髪の人超かっこいいんだけどっ!!」

「みたみた!!あの人っ!!かっこいい!!」

「芸能人じゃない?!モデルとか?」

「やんっ!素敵ぃ~!!」

「ねえ、声かけてみようよ!!」

「えぇ?!」

「いいじゃん!いこいこ!!」

そんな声が背後から聞こえたと思ったら、突然三人組の高校生くらいのギャルが蓮の進行を妨げるように前に立ち塞がってきた。

「ねぇねぇ、お兄さん暇~?」

「…………。」

「きゃはは!日本語じゃダメでしょ!!」

「え?!嘘、日本語出来ないのかな?んじゃ、えっと…は、Helloオ兄サン、アーユーキャンジャパニーズ??」

「ぷっ!あはは!!あんた馬鹿丸出しぃ~!!」

「あっはは!そんなんでわかるはずないじゃん!」

明るく笑う声とは対象的に低いドスの効いた声が辺りに響いた。

「……失せろ。」

「「「……は?」」」

キャイキャイ煩い三人組を上から見下ろし言い放つと、三人は一瞬固まった。
言われた言葉の意味がわからなかったのか、間抜け顔で三人は同時に蓮を見上げ、蓮の鋭い目付きに青褪めてその場にピキリ凍りついてしまった。

そんな三人をスッと避けてそのまま歩き出す。

「なっ、何あれ?」

「こっわ~!!」

「感じ悪っ!!」

「あー!サブイボ立ったー!!いこいこ!!」

「マジなに?!夢に出そうなんだけどっ!」

「ってか日本語喋れんじゃんっ!!最初の無視はなんなのよ!」

「しっ!聞こえたらやばいって!」

「マジ関わんない方がいいよ!アレ~!」

もちろんそんな三人のやり取りもしっかりバッチリ蓮の耳には届いていたのだが、特に気にする風でもなく歩き始める。

当てもなくぶらぶらと歩いていたのだが、その容姿故、色々な人を引き寄せてしまうらしく、女性のみならず、不良からイチャモンつけられたり、スカウトだったりと声を掛けられることが続いた。

ーーー人が多い場所はめんどくさい。

そんな結論に至った蓮は、前に撮影で訪れたことのある森林公園に足を向けることにしたのだった。


タクシーに乗って一息つく。流石に寝不足の身体で街を出歩くのは辛かった。
神経が尖っている今、声をかけられるたびにイライラが降り積もっていた。

財布から五万円ほど抜き取り、タクシーの運転手に押し付けて行き先を告げる。

こんなにもらえないと騒ぐ運転手を無視して、蓮が腕を組んで目を閉じると運転手はそれを頂戴することにしたのか、諦めて一言もしゃべらず客の様子を伺いながら車を走らせ始めた。



タクシーから目的地に降ろされて大きく伸びをする。
少し山道のような場所を通りながら登っていくと小川が流れていた。

その場所は懐かしい京都のあの場所に少しだけ似ていると蓮にとってお気に入りの場所になっていた。

初めて撮影で訪れて以来だが変わっていない。
大きな岩に腰を下ろして小川を眺める。

風を浴びて木々のざわめきに耳を澄まして、そっと目を閉じると、不思議と穏やかな気持ちになれた気がした。

ーーーこんな場所で人知れず朽ちて行くのもいいかもな。

などと考えるあたり、他人が聞いたら穏やかだとはとても思えないだろうが、本人からしてみれば少しだけ尖っていた気持ちが丸くなったような気がしていた。

片膝を立てて、缶ビールを手に取る。
タクシーに乗る前にコンビニで買っていたのだ。

ーーーあの子をこの場所に連れてきたら…どんな顔するかな?

蓮は叶わぬ想いだと知りながらも考えてしまう。

ーーーもしも俺が君に気持ちを伝えることが出来たら…少しは俺のことも考えてくれるだろうか…。

空になった缶を揺らして、蓮は空を見上げるのだった。

ーーー貴島ではなく俺を選んでくれるだろうか?




いつも忙しい時間に追われている中、こんなに穏やかな時間も久しぶりだった。

どのくらいその場所にいたのかわからない。

蓮が5缶目のビールに口を付けようとした瞬間、ガサッという音が背後から聞こえた。

蓮の耳がピクリと反応する。


ーーー残念。人が来たか。

またキャーキャー騒がれてもめんどくさいと思った蓮はそろそろ帰るかと重い腰を上げた。

封を開けた缶の中身を飲み干す為、立ち上がったままグイッと煽ると背後からあっと息を飲む声が聞こえた。

飲み干した缶をビニールに入れてふうっと口元を指で拭った所で、蓮の耳に信じられない人の声が届いた。

「っ!!う、そ…コー…ン…?」

それはとても小さな呟くような声だったのだが、蓮の耳に確かに届いた。
蓮が会いたくて会いたくてたまらない世界中で一番愛しい娘の声だったのだから、当然といえば当然だったのかもしれない。

それは運命か必然か、蓮は信じられない気持ちで振り返っていた。


(続く)


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☆ここからの展開への景気付けに拍手よろしくお願いします♪


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これより風月に与えられた最大の任務っ!!
蓮様救済計画へと入らせて頂きますっ!!( ̄^ ̄)ゞ