Googleアラートで各社のニュースを配信(2007/1/31?)してもたっていますが、どこの新聞社か不明ですが、スクラップとして保管しておりました物をご披露します。


今日は、2007年のあと2日で立春というのに暗い、しかも深刻な日本人の倫理・道徳観を疑いたくなるニュースが連日のように飛び込んできますね。ちょっと「公教育再生への第一歩」として、第一次報告がまとめれれたのですが、学力のなさを嘆くより、もっと人間として足りなさを嘆きたい。政治家の倫理・企業人の倫理・生産者の倫理・職業倫理・・・一連の不祥事は・・自分だけよければということかもしれない。すべて、そのリーダが受けて立たなければならないことである。日本人というより、一部の人間と思うが自分自身の倫理・道徳観のなさで、国民みんなが困っている。


▼(以下は記事より)

 「美しい日本」って中身はなに? 美しくない政治家、美しくない企業、美しくないトップのモラルハザードに、多くの国民が怒っている。構造的な事故・事件が頻発した2006年が終わって、出直しの07年を迎えたはずなのに、事故・不祥事が続発している。

 年明けのわずか半月しかたっていない。不二家の不適切製造事件、北海道北見市のガス漏れ事故、関西テレビの番組捏造(ねつぞう)事件、名古屋地下鉄工事談合事件等々。どれもこれも、同じような失敗事例が起こって、日本中が再発防止を誓ったはずであった。雪印乳業食中毒事件、JR西日本福知山線脱線事故、日本テレビ視聴率買収事件、鉄鋼製橋梁(きょうりょう)談合事件など、あげればきりがない。製造安全宣言、談合決別宣言、視聴率至上脱却宣言を業界ぐるみで行ったのではなかったのか。


 日本人の品性は地に堕(お)ち、道徳と常識は喪失されている。お金もうけは善ではあるが美しくはない、法律に違反していなくても道義を優先するのが美しい日本ではなかったのか。


 先週の産経新聞で、山形県銀山温泉の老舗旅館の女将、藤ジニーさんが、「日本人の落ち着き、遠慮深さ、我慢強さ、思いやり、全部好きです」と語っていた。


 これを読んで恥ずかしさを感じない日本人はいない。500年近く前に来日したキリスト教の伝道師ザビエルも日本人は貧乏であるが誇り高く、礼儀正しいと記している。明治のはじめ東北地方を旅した女性旅行家イザべラバードは、日本の美しい景観と日本人の心根の美しさを記している(「日本奥地紀行」平凡社)。

 ◆謙譲と礼節を失う

 いつから日本人はその美しさというDNAを失ってしまったのか。日本人は物質的な豊かさと引き換えに、謙譲と礼節と道義を失いかけている。

 名古屋の地下鉄工事談合疑惑が発覚したあとのマスコミの追っかけ取材に対して、元広報部長すらいる大手ゼネコンのトップたちは「知らない、聞いていない」を連発した。不二家も関西テレビも、これまでの多くの不祥事発覚企業と同じように不祥事が発覚したら判で押したように「社外有識者調査委員会」を立ち上げるという。社外有識者が会社の体質や社員の気持ちを短時間で理解できるのか。死亡事故の発生や内部告発がないと不祥事や事故の防止機能は働かないのであろうか。

 実際、06年に露見した多くの不祥事もトップのけじめと再発防止の根本策は何も決まっていない。


▽大手保険会社の不払い問題の解明

▽マスコミ不祥事の拡大▽談合問題の底なしの露見

▽欠陥商品の連日のような回収告知▽ホリエモン以来の粉飾決算の続発

▽日銀総裁のインサイダー疑惑▽電力会社の情報隠蔽(いんぺい)体質等々、挙げればきりがない。

 

 これだけ法令違反やモラル違反の事件が続くと、「法令に違反していない、違反している」「事故は予測できなかった、予測できたはず」の議論がむなしい。まして道義や品性の次元になると当事者がどう考えるかの話である。実力政治家のとんでもない事務所費の抗弁や詭弁(きべん)を聞かされる国民は白けている。やらせタウンミーティングで法外な報酬を手にした広告代理店はどんな改善策を取るのか何も公表していない。


 結論を言えば、すべてはトップの責任である。

 トップが腐ると組織全体が腐る。トップがけじめをつけないと組織もけじめがつかない。


▽トップが責任逃れをする

▽トップの本音が業績である

▽トップがばれなければいいと思っている

▽トップが見てみぬふりをする

▽トップがマイナス情報を嫌う。

 

不祥事会社のトップは、必ずこれに当てはまる。


 ◆社会的使命感を

 01年に亡くなられた元新日本製鉄の小野三郎さんが軍隊時代の経験を踏まえて書かれた「ビジネスのサムライ」(日経BP社)を読んだ。

▽トップは私利私欲を捨てて強固な「社会的使命感」を持たねばならない

▽トップは知将、勇将よりも、人に尊敬される仁将であるべきだ

▽トップは身を捨てて世のため部下のために生きなければならない、と書いてある。小野さんの遺言である。こんなビジネスのサムライ(リーダー)が美しい日本には必要だ。


 CSR(企業の社会的責任)宣言もいい。コンプライアンス(法令順守)教育もいい。リスクマネジメントも必要だ。

 しかしそんな宣言や仕組みが機能するのは、トップの本気の度合いと身の処し方次第である。トップの責任は重大である。