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「あのヒト、今頃どうしているかなぁ」……そう思った瞬間、不意にその人からメールが届いたり、「あの曲を聴いてみたいなぁ」……そう思った瞬間、突如その曲がラジオから流れたり。そんな嬉しい「偶然」に出会ったことはありませんか?
でも本当は、世の中に「偶然」なんて存在しないのかも知れません。すべては自分自身が引き寄せている「必然」の連鎖。出会うべくして出会ったものばかりなのかも。人との出逢いも、本との出逢いも、映画との出逢いも、音楽との出逢いも、風景との出逢いも、その時その人に一番ふさわしいカタチとなって、近くに引き寄せられたもの――そう考えると、いま自分の周りにあるもの全てが、かけがえのない愛おしいものに思えてなりません。ものすごい確率で出会えたこれらの「奇跡」に、思わず頬ずりをしたくなってしまいます。

「セレンディピティー」という、ワタシの大好きな言葉があります。「幸運を招き寄せるチカラ」。「偶然の幸運に出逢う能力」。そう言えば、脳科学者の茂木健一郎氏もご自身の著書の中で、この「セレンディピティー」について次のような記述されています。氏曰く「“行動”“気づき”“受容”が“偶然を必然にする”セレンディピティーを高めるために必要です」と。更に「偶然を幸運に結びつけられるかは脳の使い方次第」だとして、「自分の脳をオープンにしておいて、いつでも生きる上で必要な何かが入って来るようにスペースを空けておく必要がある」とも述べられています。(文献/『「脳」整理法』より)
また最近、イギリス帰りの知人にも非常に興味深い話をご紹介していただきました。スタンフォード大学のクランボルツ教授らが提唱する「Planned Happenstance理論」。これは①職業生活(あるいは人生も)は、実は「たまたま」や「偶然」の出来事や出逢いなどによって決まっていくことが多い。②しかし、その「たまたま」や「偶然」は、本人がそれとは意識しないで行っていることによって生じている。――という理論なんだそう。更にこの「偶然」をいかしたキャリアデザイン理論には、次の5つのスキルが重要なんだそうです。
①好奇心(Curiosity)
②粘り強さ(Persistence)
③柔軟性(Flexibility)
④楽観性(Optimism)
⑤リスクテイク(Risk take)

「偶然」と言っても決して「行き当たりばったり」のことではなく、何よりも「目覚めて」いる状態であることが大切なんだとか。それは「アンテナを高く張ることであり、直感を磨くことでもある」と、『偶キャリ。』の著者・人事コンサルタントの所由紀さんも洞察されています。クランボルツ教授の著書にも『Luck is No Accident(幸運は偶然ではない)』という素敵なタイトルが付けられていることにも大いに共感してしまいました。この本も非常に面白かったですよ。結局のところ「偶然」と言っても、「私たちの思いが現実をつくっている」ということなのでしょうか。つい先日も、映画のような素敵な「偶然」と出逢うことができました。逢いたいと思っていたヒトと逢えることの奇跡。いつか行きたいと思っていた場所へ辿り着けることの奇跡。そのためにもまずは、自分の中に「幸福になる引力」を持つことが大切なのかも知れません。