今日はSID AND NANCYを見てきました。

 

 

1986年に劇場公開された、アレックス・コックス監督の出世作ともなった作品。

 

1979年に逝去したシド・ヴィシャスとその恋人ナンシー・スパンゲンの

 

暴力的で危険な二人の愛を描いた作品。

 

今回、『SAD VACATION』というこの二人のドキュメンタリーが公開されるのに、

 

その関連映画として上映されていたものです。

 

この映画は実在の人間の物語であるが、事実ではないので、

 

現実と混同して出来事を捉える事は非常に危険である。

 

ただ、その歴史を掻い摘んで理解する位が丁度いい。

 

だって、それはスクリーンの中の出来事なのだから。

 

 

これを見ると決めてから改めてシド・ヴィシャスという人間を調べてみたんですが、

 

本当に驚くことばかりでした。

 

SEX PISTOLS自体が結成したのが1975年、解散が1978年と

 

僅か3年に満たない活動期間であり、

 

実際、シドが在籍したのは1年にも満たないということ。

 

そして、ナンシーと出会ってから死ぬまでに僅か2年しか経っていなかったということです。

 

それだけで後世にまで名が残る存在になったというのは、

 

稀有な存在であったということは疑いえない。

 

 

何というか、何とも言えない作品でしたね。

 

ただのラブストーリーと解釈することも出来るけれど、

 

そんなものじゃないんですよ。

 

二人ともがジャンキーっていう所でただのラブストーリーじゃないかもですが(笑)

 

愛する人がいて、愛してくれる人がいる。

 

その原始的で純粋な状態が一番危険で、一番強い。

 

欲望に塗れた愛の何と美しい事か。

 

同じものを欲し、欲を満たすためにお互いを利用する。

 

醜いけれど、剥き出しの愛がそこにはあった。

 

絶対にこの二人の様にはなりたくないと思うのと同じくらい

 

こういう人が欲しいとは思ったな。

 

凄く屈折しているけれど、理想的な恋人像の一つではある。