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BiS誕生の詩の続編というか後日談として制作された作品。

 

監督はエリザベス宮地。

 

新生BiSオーディションの合格者が発表された後、

 

公式ライバルとしてオーディション落選者で新しいユニットを組む旨が発表される。

 

落選者4人がそのユニットへの参加を表明、

 

BiSのお披露目ライブにて、一週間後同会場にてお披露目ライブを行う事を発表する。

 

そのライブの翌日、ツイッターにて活動停止の旨が報告される。

 

『マネージャー清水による重大な背任行為があった』

 

という発言は瞬く間に拡散し、様々な憶測を呼んだ。

 

果たして、結成から消滅までの一週間に何が起こったのか?

 

衝撃的な結末の更に向こう側にあるものとは?

 

一つのアイドルグループが辿ったドキュメントムービーです。

 

 

このユニット結成には元々、非常に打算的な部分が多かったようで、

 

プロデュースに渡辺淳之介が入らないと言いつつ、

 

全ては渡辺淳之介の息の掛かったものだった。

 

彼は今のアイドルシーンに漂っている閉塞感を打破すべく、

 

このSiSというユニットを利用しようと考えた。

 

「バンドとかでもライバル関係にあるもの同士が、

 

駆け上がって行って、そのシーンが活性化する。」

 

それを狙った彼の思惑は非常に的を得ている考え方です。

 

AKBも乃木坂を作ってシーンを更に盛り上げようとしたし、

 

アイドルのプロデューサーとしては、非常に真っ当な考え方なのかもしれません。

 

BiSの性質上、『敗者』というアイデンティティが武器として大きく働く為、

 

もしかしたら、SiSはBiS以上にファンの心を掴む可能性があるとも考えていた事でしょう。

 

更に、プロデューサーにそれまで表立ったプロデュースをしていなかった

 

同期の清水さんを据える事によって、プロデューサー同士の対立構造も加える。

 

インディーズの様相が濃く、自由度が高いように見えて、

 

実はガチガチのコンセプトで作られたのがこのユニットだった。

 

非常に良く出来たシステムだったと思います。

 

現状のBiSという存在に何か違うという印象を受けた人間への受け皿を

 

自分たちで制作する抜け目なさは、悪い言い方をすれば非常に小狡いやり方。

 

ユーザー側にすれば有難い提案であるのと同時に、

 

落選者達にすれば、同じフィールドと条件でBiSを見返す分かりやすいチャンスなのですから。

 

このオーディションに関わった観客と演者には、

 

これ以上ない申し出であった事でしょう。

 

これを見た時に、僕は昔のCHEMISTRYを思い出しました。

 

当時、このオーディションに参加していた現EXILEのATSUSHIが

 

後にEXILEとしてデビューし、現在の音楽シーンのトップに立ったという

 

一例が恐らく、彼らの中にもイメージとしてあったのではないでしょうか?

 

殆ど同年代だしね(笑)

 

 

しかし、そんなに上手く事が運ぶわけもなく、事態は様々な所で混乱を招く。

 

様々なアイデアでどうにか自分たちをプロデュースして行こうと考えるSiSチーム。

 

彼女らのひた向きでありながら、向う見ずな情熱は見ていて非常に好感が持てました。

 

ただ、ひた向きであるが故に、その行動を行う事のリスクを念頭に入れていなかった。

 

結果としてはエンターティナーとしてステージの上に上がる。

 

その責任が、プロデューサーの清水さんを含めて大きく欠落していた。

 

渡辺氏の近くで長年BiSを見て来た清水さんならば、問題を見抜けたはずなのに

 

それが出来なかった。

 

そして、結果的にSiSを思ってやった事が彼女らを絶望の淵に立たせる事になってしまう。

 

これって、本当は防げた事態なんじゃないのかな?と思わずにはいられません。

 

いや、清水さんの背任行為に関しては過去の事なので、これは変わらないだろうけど。

 

そうなるとSiSの存在意義自体が大きく変わってしまうので、結果的には消滅していたのか。

 

ただ、それが発覚してからの動きは

 

「どうして悲劇的な最後にしようか?」

 

という画策があったとしか思えない展開でした。

 

言うなれば超盛大なドッキリ企画に途中からシフトチェンジしたのではないでしょうか?

 

本当に可哀想過ぎる展開ですけど…。

 

 

一つ思ったのは本当にBiS見返したいと思っているのならば

 

落選者達はこの提案を受け入れるべきではなかったと思います。

 

体力、精神力も限界にきている状態で冷静な判断が出来なかったのかもしれませんが、

 

負け犬が噛ませ犬になるという構造を見抜けなかったのかな?

 

別のアイドルユニットを作るにしても、別の事務所ないし、

 

本当に自分たちで運営をしながらBiSを負かせていくという方法を取らないと、

 

筋が通らないのではなかったのか?

 

SiSが結成された時点で、既に争いというものは無くなっていたと悟るべきだったんです。

 

赤裸々過ぎるこのストーリー、是非エンターテイメントに興味のある方はご覧ください。