エチオピア・ハラールのモカ

アビシニア高原(現在のエチオピア)では、殆どのところでコーヒーが自生している将にコーヒー王国です。
樹齢200年というコーヒーの木もあるそうで、天然記念物のような木があります。 樹高も高く脚立に登らないと採れないそうです。

1880年11月、フランスの詩人アルチュール・ランボーは、 アビシニア唯一のジュゴルの城郭都市ハラールに到着した。 武器商人としては失敗するが、ハラールでコーヒー商人として成功する。 当時ハラールはエチオピアの中心的な交易都市で、コーヒーは殆どハラールから出荷されていました。

 

エチオピア・モカ

エチオピアでは、まづ耕地といった考えじゃなくて、権利地みたいなところに育ったコーヒーを 仲買業者のところに持ってくる。 その数や2000を超える人々から集荷するというのであるから何処の産地か 分からないコーヒーまで混じっているのは、当たり前のこと。
でも仲買業者も、少しでも高値で販売したいから、なるべく産地を限定しているように見えるが その管理は確かなものじゃないと思います。
「でもエチオピアのモカは、おいしいよね」
エチオピア・モカは、比較的新しい産地でも独特な風味があります。 はっきりとしたフェノール臭があって、素人でも目隠しテストで 分かるような強烈なフレーバーです。 現在はチャント流通に乗るようになってきた奥地のシダモやイルガッチェフェは、比較的新しい産地なのですが、その美味しさは変わりません。

「何処掘っても」という言葉がありますが、エチオピアは何処で採っても美味いコーヒーが採れるのでしょう。

最近の農園経営について、
2008年11月に旧オークションにとって替わるECX制度ができ、 Sidamo やLekempti 、Djimmah、Harrarなどの一般品の調達は、このECX経由で仕入れることが義務付けられているようですが、 それでも次第にECX外の取引・単一農園及び農協が増えているそうです。

  • 国営農園:Limu,Tepi,BebekaなどJimma,Kaffa地域の国営農園(民営化進んでいる)
  • 民間系農園会社:農園経営ライセンスを持つ民間企業
      Ethio Agri-CEFT PLC、Green Coffee Agro Industry PLC、S.A. Bagersh他、
  • 農協系:オロミア農協、イリガチェフェ農協、シダマ農協、オロミア森林公社、他農協組織

面白い話があります。エチオピア連邦民主共和国は、2005年9月「シダモ」「SIDAMO」「イルガッチェフェ」「YIRGACHEFFE」 の4件を、日本で商標登録出願しました。これに対し全日本コーヒー協会は無効審判を請求し、 一旦商標登録は無効とされました。 しかしその後訴訟を起し、 特許庁審決は取消され、 2007年1月 商標登録が認められました。 スペシャリティー・コーヒー流行の裏話しです。 「参考:登録第4955562号商標の商標登録無効審判事件」

最近、隣国ソマリアではマラリアが流行はじめ、コレラ流行の恐れもあるそうです。心配ですね。石油も何にもない山岳の国エチオピアには世界に誇るコーヒーが採れる。
出典 モリパパ日記より