祈りで病気が改善する | やまびこDr.の診療日記

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「レニン」というホルモンの世界的大発見をした村上和雄先生が、「祈り」で病気が改善することを実験で証明しています。

(映画「祈り」https://inori2012.com/inori-top.shtml)

 

「祈る」だけで肉体的な変化を起こすなんて、現代科学(医学)では鼻で笑われるようなことです。

しかし、世界で認められている科学者がそう言っているわけですし、「統計学」という「科学」が証明したわけです。

 

20年前にこの村上和雄先生の著書「ナイトサイエンス教室〈1〉」を読んで感銘を受け、「やっぱり科学が全てじゃないんだ!」と思ったのがきっかけで自分なりに色々探って行き、今の診療スタイルになってきました。

 

「祈り」で病気が改善するのという「結果」は科学的証明ができましたが、でもその「しくみ」は科学的証明ができていません。

 

物事には必ず「原因」があって、「結果」があります。

風邪をひいて発熱する場合、熱を出すために何らかの「原因」があり、熱を出すという「結果」が生じます。

 

そしてその「原因」が「結果」になるには、「結果」を生み出すための「しくみ」があります。

 

「原因」があり「しくみ」が働き「結果」となるのです。

 

例えば、水遊びをして体が冷えて(原因)、白血球の機能低下によりウイルスの侵入・増殖を許したため、白血球機能を向上させるために発熱を促す物質を脳が産生し(しくみ)、熱を出す(結果)、という流れです。

 

祈りの話だと、祈るという「原因」により、何らかの「しくみ」が働き、病気が改善するという「結果」が生じ、その「祈り(原因)」により「病気の改善(結果)」が生じたことは科学的に解明されたけれど、その途中の「しくみ」は科学的に解明できていません、ということです。

 

使い方は分かるけれど、その途中の「しくみ」は分からないものを「ブラックボックス」と言いますが、祈りによる病気の改善のしくみもこの「ブラックボックス」ということです。

 

「ブラックボックス」は至る所にあります。

 

赤ちゃんが産まれる時、どうして産声を上げるのかは不明です。

赤ちゃんが口や舌を複雑に使って母乳を飲むのも、どうしてそうできるのかは不明です。

 

体温が下がってくると「寒い」という感覚が生じるメカニズムも不明です。

血糖値が下がると「お腹がすいた」という感覚が生じるメカニズムも不明です。

 

身長が伸びていくのも、喋れるようになるのも、全て「そうなるからそうなんだ」と思っているだけで、よく考えてみれば不思議なことだらけです。

 

「DNAが」とか「遺伝情報が」とか、医学部で習った内容でわかる部分もあるのですが、そのタイミングで順番通りその物質が作られるとか、作られた物質が必要な部位に運ばれて作用するとか、あまりにうまくできすぎていて、よく考えると全てが「ブラックボックス」の中にあり、全てが「よく分からない」気がしてなりません。

 

そもそも「宇宙の誕生」とか「命の誕生」とか、基本中の基本が全く解明されていないわけです。

世の中の全てのしくみがブラックボックスとも言えるのです。

 

途中のしくみが科学で解明できていない(≒ブラックボックスの中にある)から、結果が科学的(≒統計学的)に正しいと証明されていても、科学的に間違っていると言われるのもおかしな話です。

 

スポーツの世界では、ホームグラウンドでの勝率が明らかに高くなるそうです。

 

途中の「しくみ」は分からなくても、結果として良い結果が得られるのなら、それでいいのではないかと思っています。