勝手に心配するのは失礼ですよ〜 | やまびこDr.の診療日記

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人生の大事業の子育ては、ほとんどぶっつけ本番! 分からない事だらけで心配がつきません。
でも正確な情報を知り納得できれば心配は減らす事が可能です。
薬よりもっと大切な事をお伝えする小児科医のブログです。

「あなたのことが心配です」

 

この言葉は、一見愛あふれる素敵な言葉に聞こえるかもしれませんが、逆です。真逆です。

 

「心配する」という言葉の裏には、「今のあなたは良くないです」「今のあなたのままでは今後良くないことが起きます」という、NOROIの意味が含まれています。

 

そもそも「良い」か「悪い」かは、その人の価値観により勝手に決められるものであり、絶対的なものではありません。

 

勝手に心配し勝手に「お前はダメだ」と認定するのは、とんでもなく失礼なことです。

言われた方は、それまで何も思ってもいなかったのに不安になり、不快な想いをするだけです。

 

この「勝手に心配」して「勝手にダメ出しする行為」は、そこら中で起きています。

 

学校の成績もしかり、姑からのお小言もしかり。

 

特に市町村の保健センターに呼ばれていく「乳幼児健診」なんて、まさにそうです。

 

そこまで子育てについて心配していないお母さんが、呼ばれたからと行ってみたら、あなたのお子さんは身長が小さいとか言葉が遅いとか、離乳食がどうとか今後何か起きるかもとか、色々と指摘され不安にさせられ、傷ついて帰って来るのをたくさん見て来ました。

 

でもそこで指摘されたことのほとんどは、何もしなくても特に何か起きるわけではなく、杞憂に終わるものばかりです。

 

そもそも、体の大きさやミルクや食事の量、体重身長や喋り出す時期など全ては、その子が自分で決めているとしか思えず、としたら周りの大人たちの役割は、その子の体の働きを信じる、その子の未来を信じる、その子の全てを信じる、ということじゃないかと思うのです。

 

それは「条件付きの信じる」ではなく、「無条件に信じる」ことです。

 

でもそれってなかなか難しいことです。

一生かけて会得していくものじゃないかなとも思うのです。

 

「本当の意味で信じる」ができなくても、それでも生きていけるのでそれでもいいとは思いますが、でも自分が勝手に心配されるととても不快なので、それを自分がしないようにとは心がけているところです。

 

だから、勝手に心配しないで下さいね〜

それって失礼ですよ〜 ^^;