映画「すみっこぐらし 青い月夜のまほうのコ」
(2021年 日本 アニメ)
サンリオの「すみっコぐらし」シリーズ、とてもかわいいのですが、
子供がいない私にとっては縁遠い存在でした。
知らないうちに子供の人気者になっていて、
人気のキャラクターとして定着していた「すみっコぐらし」のみんな!
マクドナルドのキャンペーンに登場したり、あちらこちらで目にします。
(流行りのものを知らないのは若くない証拠だよなあ……)と、若い人の間で流行っていることを知らないということが、なんとなく恥ずかしいという思いが私の中にあって、(すみっコぐらしのアニメは一度チェックしておこう!)とずっと密かに思っていて、今回、機会があって最新作の映画を鑑賞しました。
上映時間は1時間6分。
短い~!
子供向けのアニメ映画は1時間くらいのものが多いですね。
映画館で子供の集中して銀幕を見ていられるのって1時間が限度なのかもしれませんね。
そして、作品の内容について。
一言でいうと「泣けました!」。
すみっこに住んでるという設定なんですが、彼ら「世間から忘れさられている存在」なんですね。
これ人間の話だったら、悲しすぎるよなあという境遇のキャラクターたちが「すみっこ」で仲良く暮らしているというお話しでした。
見てるだけでかわいくてキュンキュンするキャラクター達なのですが、ストーリーの中に、おのおのの不遇の生い立ちのさりげない暴露がちりばめられていて、かわいい見た目と癒しの神通力は「level0」なのに、彼らの境遇はひっそりと不遇。なのですが癒しlevel10の彼らが身を寄せ合って、優しい心で助け合いながら、家族のように生きているんですね。
どの子も優しくて繊細。癒し力level10同士で癒され合っていて、やさしい愛がいたることろに生まれていて、「すみっコ」の世界の住民のあたたかさ、やさしさ。殺伐とした大人の社会とは真逆の世界。うわっ!と泣きそうになってしまいました。
わけありで親と離れ離れで生きているトカゲ、太りすぎの猫、寒いのが嫌いな白熊、自分が何者か知りたいベンギン、ミルクティを飲み終えてカップの底に残って捨てられたタピオカ、カタツムリの真似をして貝を背負っているナメクジ等々。これ、人間に例えると、重いです。かわいいキャラだし、泣いても、絶望したりしないで、さみしいときは、ホワンホワンな癒しキャラの仲間たちと一緒にいて、ほわんほわんな気持ちがフル充電されて、気が付くとこのストーリーを見てる私も癒されているという。
映画のストーリーについては、魔法使いとおともだちになって遊ぶというもので、ファンタジックでした。
恐竜のおかあさんが、離れて遊ぶ子供を遊ぶシーンが一番泣けました。
多幸感の中に隠れた不遇と、不遇さから生じた心の空洞を補い合う「いやしの生き物」たち。
「すみっコぐらし」が人気キャラになった理由が理解できました。
すみっコ暮らしを幼いころから見て育った子供は、
他人の痛みを知る、「おもんばかる」能力が、自然に身につくようになるんじゃないかなと思いました。
強がりを言うよりは、ちょくちょく弱音を吐きながら、力を抜いて生きた方が幸せに生きられると知っている大人の方、「泣きたい!」と思っている方、この作品、泣けます!!