キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

Killers of the Flower Moon

(2023年 米国 アップルオリジナル・パラマウント)

 

人相悪っ!レオナルド・ディカプリオ!

 

タイタニックのレオ様はどこに消えてしまったの?!!

どうなってるの?これ!

 

もう、いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ!!

私がこの映画にタイトルとつけるとしたら「Scream!」!

 

酷い!ひどすぎる!

 

 

  なんと酷い話か。

 

1920年初頭にオクラハマ州で実際に起きたインディアン連続怪死事件を映画化した作品で、

シチリア移民の司祭の子・マーティンスコセッシ監督が、また重たい作品を!

 

「マーベルのヒーローは本物じゃない!」と言い切った監督ですからね、

本物の悪党と本物の正義の味方が出てきました。

 

それで、私、絶叫!!

もう、いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

 

 

 

 

 

  原作はこちら『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』

 

 

 

 

タイトルからすると、

この事件をきっかけにFBIが誕生したということでしょうか。

それだけひどい集団殺人事件が起きていたという、実話なんだそうです。

 
 

私は、アメリカの白人の皆さんに何の恨みもないのですが、

「皆さん、なにやってるんですか」と言いたくなりました。

 

ああ、でもこれが「世界史」なんだなあ。

これアカデミー作品賞はじめ10部門ノミネートなんですよね。

堂々と、負の歴史を「私たちの先祖はこういうことやらかしてました!」と公表する

マーチンスコセッシ監督とアメリカという国の、これがアメリカの自己批判精神。自国批判精神。

 

 

 

 

 

観てる途中で、もう気持ち悪くて、「いやあ!!」と悲鳴をあげたり、

あまりの気持ち悪さに、「アメリカ人が嫌いになる!」とつぶやきながら、

やり方がいやらしいので、その前にこの映画206分(3時間26分)あるんですよ、

 

多分、始まって1時間目くらいで「もうアメリカが嫌いになりそう」と言ってって、

1時間30分くらいで、「インディアンにアメリカを返せ!」と怒りが沸いてきて、

2時間目くらいで「アメリカが嫌い、アメリカ最低!」と怒りながら見てました。

 

 

  シチリア・ギャング映画の伝家の宝刀「デ・ニーロ」登場!

 

シチリア系アメリカ人のマーチンスコセッシ監督がロバート・デ・ニーロさんを起用。

シチリア・ギャング映画の「伝家の宝刀」がキラリ!という、怖かった~!!

 

 

キング(ロバート・デニーロ)の甥っ子のアーネストの役で

レオ様が登場してきますが、見てください、この表情。

もう、ヤバいです!

 

 

 

インディアンの女性との純愛もあったりして…

 

 

 

 

  石油を掘り当て富豪となったインディアンのオセージ族を襲うコヨーテたち

 

オクラホマの居留地に住むインディアンのオセージ族 。石油を掘り当てて、

富裕層として暮らしてたらしいんです。

それで、イケメン白人にモテモテという彼女たち。

 

 

 

助演女優賞にノミネートされた モリー・カイルを演じた リリー・グラッドストーンさん。

本当にインディアンの末裔の女優さんなんだそうです。

自然の神々を信仰しながら、世界との調和しながら生きる知的で誠実な女性を演じておられました。

 

 

 

映画のところどころで、インディアンの信仰や暮らしぶりが分かるシーンがたくさん出てきて、

インディアンのおじいちゃん、おばあちゃんを観ていると、どんどん胸が苦しくなっていきました。

 

というのは、

小さいころ暮らしていた、沖縄のコミュニティにいた

おじさんおばさん、おじいちゃん・おばあちゃんたちの姿と

ネイティブインディアンの姿が、なんともダブるんです。

 

祈りの姿だったり、自然の中で祈りを捧げたりとか、歌や踊りや、立ち姿や表情の一つ一つが

なつかしいんですよ。

 

あの世が身近にある感じもそうだし、

余所から異民族が入ってきて、フレンドシップといいながら、

侵略されて精神文化や部族の誇りも崩壊していく様も

 

理解し合えない略奪者なのに「相手を理解しよう」とする不毛の愛の試み。

 

 


レオ様、顔、悪党すぎるよ~!

ショッキングでした。

 

 

 

 

 

 

  スコセッシ監督が人生をかけて表現しているのは善に寄生する悪なのかな
 

 

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンは次の10部門で、米国アカデミー賞にノミネートされました。

惜しくも受賞とはなりませんでしたが、米国史を学ぶきっかけになりますので、

一見の価値ありです!

 

 

「作品賞」
「監督賞」
「主演女優賞」リリー・グラッドストーン。黒髪の知的な女性で、沖縄にいそうな女性。それだけに共感して胸が痛みました。
「助演男優賞」 ロバート・デ・ニーロ。最近いい人の役が多かったデニーロさんですが、震えがくる悪党、大復活!
「作曲賞」ロビー・ロバートソン。ザ・バンドの人ですね。
「撮影賞」ロドリゴ・プリエト
「編集賞」セルマ・スクーンメイカー
「美術賞」↓1920年代後半、ラグタイムが聞こえてきそうなアメリカの街の再現が見事でした。
「衣装デザイン賞」
「主題歌賞」ネイティブインディアンの歌や、JAZZ、バイオレンスを現わすロックも音楽すごかったです。