コゾーがさくらちゃんに付き添われて帰って来てから、堂々巡りの終わりのない話が始まり…。
要約すれば
「仕事ができなくなった。周りに迷惑をかけている。自分なんかいない方がいいんだ。もういきたくない。でも人手が足りないからみんな大変になる。だから休めない。だけど、行ってもうまく仕事ができない。周りに迷惑をかける…。」
もうすでに、さくらちゃんは終着の無い旅に疲れていたのか、どうする?というサインを目でわたしに送っておりました。
だって、「じぶんは認知症で仕事ができないと思う」と言うから、ならば病院で調べてもらおうと方向を変えても仕事が忙しくて休めないと、またおんなじレールに戻るみたいな感じで…。
次の休みはいつか?の話になり、それが祝日の明日だと…。
病院には行けないけども3人で紅葉を見に行こうと提案して、その夜はなんとか話を切り上げました。
さくらちゃんが帰ったあと、夕食を食べたかどうかも記憶にありません。
覚えていることは、コゾーの眼に涙があふれていたということ
「エリザさん。オレのことはもういいから。ヌーヨークの実家に帰ってください。もう関わらない方がいい。いっしょにいると迷惑になる」
おいどうした。
そういうキャラじゃないでしょ。
コゾーが泣いたのを見たのは、新婚旅行の帰りの飛行機の中、映画ゴーストをいっしょに観て以来のことでした。
あの時はびっくりして思わず笑ったけどね。
母親が亡くなった時も、じっとこらえていたじゃない…。
「なに言ってるの。なんにも迷惑かからないよ。わたしは、会社がキャリフォルニアにあるからここにいるの。それにもうコゾーさんの妻じゃないから、なんにも心配することなんてないんだよ。」
わたしなりの気遣いの言葉だったのですが…。
玄関までわたしを見送り
「じゃあ、明日10時に紅葉狩りに行くからね」
と伝えると…。
それには答えず…。
「元気でね」
目にいっぱい涙をためての挨拶。
「おやすなさい」でもなく
「また、あした」でもなく
なんか違和感を感じて、戻って一発殴ってやろうかと思いましたが、泣いていた顔が忘れられずやめました。
そして翌朝、コゾーは部屋から消えていたのです。
紅葉狩りの予定が「コゾー狩り」になった10月の祝日。
わたしとさくらちゃんは、心当たりの場所へ車を走らせました。
お互い、ラインも着信もなんどもコゾーに入れました。
既読にならない…。
さくらちゃんが運転していたので、わたしはより多く、ストーカーの如く何度も連絡を試みました。
コゾーがフラッといなくなるのはいつものことでー。
でも、朝は必ずコーヒー淹れて、パン焼いてからいなくなるでしょ。
10時に紅葉狩りに行くって約束したでしょ。
それに、きのうの今日でしょ。
昨夜の言葉がアタマから離れません。
「元気でね」って…。
さくらちゃんの携帯が鳴ったのは午後3時過ぎ…。
「にいちゃんからだ!」
「遠くに行きたくて、車を走らせて野生の王国を越えた。気がついたら隣国にいた。なんだかわからなくなって、すぐに引き返して部屋に戻っている。ごめんごめん、心配かけたよね。オレ、認知症だと思う」
そうコゾーはさくらちゃんに話したそうです。
その翌日、私達の止めるのも聞かず、人手不足だからと出勤して、たぶん様子が変だったのでしょう、上司から受診を勧められ休暇をもらい帰宅しました。
消えた時に心配してかけた着信はわたしの方がさくらちゃんより多かったのに、さくらちゃんに電話を入れたという事実は、正直、ホッとしたです。少し気持ちが楽でした。
コゾーもわかってるんじゃないかな。
でもたぶん、さくらちゃんだって、この兄をひとりで看るのはしんどいけども、元姉がいっしょにいるから少し楽だと思っているはず…。
今、そんな感じで「おつかれさま~いつもすみません」とお互いに声掛け合って「コゾーファースト」の日々を送っています。
余談ですが…。
笑わなくなったコゾーについての、さくら&エリザ談
「歯ッカケなのがまったくわからないから、そこそこイケメンかも…」
という話をして、ふたりで2日ぶりに笑いました。
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新テーマ
「コゾーが病みまして」の投稿では温かいエールをいただきました。
気持ちがとても楽になり「希望」も見えたのです。
いつかまた、歯ッカケコゾーに逢える日を信じて、そしてここでコゾーネタをみなさまに楽しんでいただけるように、エイ!ヤー!と奴の「ジメジメナメクジオーラ」を切りまくります。
塩はふらないどくね。縮んでどこにいるかわからなくなるから。
だいじょうぶ、てきとうにしかがんばらないかんね。
この場所があってほんとによかった。
繋がってくださって、ありがとうございます。
(^-^)ノ~~