「あいつは、○○部の××と不倫してる」
何気ない噂話のようですが、この発言名誉棄損罪(刑法230条)に当たり得ます。
ちょっと待てよ本当のことならいいんじゃね~のと思われるかも知れません。
しかし,刑法230条は「公然と事実を摘示し,人の名誉を棄損した者は,その事実の有無にかかわらず・・・」と規定しています。
なぜなら、指摘された事実が事実であればあるほど、指摘された人の名誉が害されることが往々にしてあるからです。
たとえば、上記の例でいうと、「不倫している」ことが事実であれば、嘘である時以上にダメージが大きいはずです。
ただし、人の名誉を害しうる発言がすべて犯罪だとすると、政治家・公務員の発言や行動に対する批判が出来なくなってしまいます。
そこで、「公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的がもっぱら公益を図ることにあったと認める場合は、事実の真否を判断し、真実であるとの証明があったときは、これを罰しない」ことになっています(刑法230の2)。
さらに、「公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合」には、公共の利害に関する事実の立証は必要ありません(刑法230条の2第3項)。
したがって、公務員・政治家の発言や行動に対する批判が、真実である限り自由に出来るようになっています。
本当に法律ってよく出来てますね~
ほいじゃまた
司法志士 高橋 知規