滅多に連絡を取らない友人が
「ごはんでも食べよう」って誘ってくれた。
いやー
元氣だった?
なんて話ししてたら
Nちゃんね、だめだった。って言った。
Nちゃんは、職場の同期で。
K POPが大好きで。
子宮頸がんになって、手術して、抗がん剤と放射線治療をして、再発した。
入院したり、
退院したり、
最後は、緩和ケアの病棟に移って、亡くなった。
1月はじめのこと。
つい最近じゃないか。
そう教えてもらった。
一緒にご飯を食べた友人は、
その治療法には反対だった。
彼女も同じようにKPOPが好きだから
治療中も、よく連絡を取り合ってたんだって。
「食事とか、免疫とか、見直してみたらって言いたかった」
「緩和ケアの病棟に移った後も、抗がん剤治療続けてて。本当は止めたかったんだ」
「でもさ、命の選択は、最後は本人だよなって思ったの」
本を読んだり、調べたり、身近にいるガンを治した知り合いに聞いた情報を、Nちゃんに伝えたんだって。
でも、彼女は違う方法は選ばなかったって。
亡くなったって、妹さんから連絡がきて。
またライブに行きたい
一緒に好きなメンバーの話をしたい
一緒に過ごした時間が楽しかった
Nちゃんは、妹さんにそう話していたんだって。
「Nちゃんがさ、楽しいと思える時間を一緒に過ごすことができてよかったんだよね、きっと」
友人が言った
「どっちの道を選んだとしても、結局「たら」「れば」の話になる。Nちゃんにとっては最善だったんだよね。わたしは無理矢理には彼女が選んだ治療を止められなかった」
「今こうやって会えてる日常が、Nちゃんにとっては、大変なことだった。外泊の許可も降りなければ、面会できる所までの移動もしんどくて行けなかった」
最後に会えたの、いつだったんだろ。
「だから、会いたい時に、会える時に、会いたい人に、会いに行く。そう決めたの。」
そっか、だから、連絡くれたんだ、久しぶりに会おうって。
わたしはやっとこさ、大切な人たちに自分の氣持ちを伝えることを躊躇わなくなったくらいにして
まだ、何も、大事なことに氣付いてないって思った。
家に戻って、ひとり
夜中に
役目を果たしてくれた、元相棒のパソコンを、大事に拭きながら、
なんだか、泣けてきた。
命ってなんだ。
死ぬって、なんだ。