うたの日の薔薇の歌 | アマゾンに背を向けて

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短歌を作っています。鹿ヶ谷街庵です。ししがたにがいあんと読みます。

新緑の中にあなたがいるようでツツジの蜜をいやらしく吸う


つらいって一度は書いて削除して桜の写真を添付しておく


不自然な方へどんどん曲げられて骨折していく鳥の手羽先


マウントを取り合うことに疲れ果て幼なじみといくサイゼリヤ


君のその音が外れたくちぶえは多分だけれど愛は勝つだね


あんぱんをちゃんと半分ずつにしてひとりで食べるとちゃんとむなしい


メロンソーダの氷をひとつ沈めてるこない恋人沈めるように


この夏の叙事詩のひとつになるだろうGを殺してハグされたこと


派遣さんと呼ばれる僕は路地裏のすべての猫に名前をつける


亀たちがうすくまぶたを開けているさだまさしでも聴いてるように


あまりにも仕事が出来ず居酒屋のトイレの詩にも涙していた


こんなにもカレーとナンの配分が違う男が部下なんだ、ああ


颯爽とピンチのときに現れてくれない諭吉はヒーローじゃない