うたそら3号『急所を教わる』新緑の中にあなたがいるようでツツジの蜜をいやらしく吸うカンフーを習いはじめた姪っ子に人の急所を教えてもらう真夜中にアパートを出る 月光が吠えない僕と犬とを照らすキスをする予定もなくて王将で餃子をひとり食べる土曜日満室のラブホの前で考える滅びていった文明のこと日曜に家族でパフェを食うという並行世界の小説を書く理科室の人体模型を透けすぎた女体と思えば鼻血がでそうあんぱんをちゃんと半分ずつにしてひとりで食べるとちゃんとむなしい