his confidence diary | 一人yuki

この日記は「いじめられっ子」の日記です。以前に載せた「彼の日記」という記事の修正版です。人生のどん底を経験した小学生のサクセスストーリーを是非 みなさんにお見せしたいと思い、キーボードに手を延ばした次第です。最近不幸だ、全然ツイてない という方々の心に少しでも灯をともせたらいいなと思います



今日もいじめられた 「矢野に触ったら菌がうつるぞー」と言われ、矢野菌 矢野菌 と罵られた。ぼくはあまり騒ぎが大きくならないように黙っていたが、その声はみんなに聞こえていたようで、みんなが矢野菌を付け合う遊びに参加した ぼくは泣いてしまった



今日、学校に行ったら、矢野菌遊びがものすごく流行っていた。どのくらい流行っていたかというと、僕が校門に入るや否や、吉田が僕に触ってきて、大きな声で「矢野菌だぞー」と言って矢野菌遊びを始めるくらい流行っていた。とても悲しくなった



今日は水曜日なので、昼休みはクラス活動でみんなで遊ばなきゃいけない日だった。何をして遊ぶかを給食のときに、クラスのみんなで決めたのだが、3つ候補が上がった
ドッジボール
鬼ごっこ
矢野菌遊び
結局矢野菌遊びに決定してしまった。僕は、いじめられてる悲しさと、鬼ごっこと矢野菌遊びの違いを見出せないもどかしさで泣いた。システム的には矢野菌を持つ者が逃げる者にタッチして矢野菌をうつすという構図で、鬼ごっこと全く一緒だったからだ。ひどいことに、本村なんかは、昼休みの終わりごろには矢野菌を持ったやつのことを自然と「鬼」と呼んでいた。 じゃあ鬼ごっこでいいではないか



矢野菌遊びの白熱ぶりはとどまることを知らなかった
今日、僕が校門に入るや否や(なんだったら校門10m手前ぐらいから)菌をもらいに10人程度の人が僕のところに走ってきた
その10人は菌をもらったあと各々のクラスにもどって矢野菌遊びを始めた キャッキャ言っていた 腹が立ったが、その楽しそうな様子が羨ましくもあった



今日も昨日のような調子だった。6時間目が終わるころには僕も疲れはてていたが、今日は金曜日で、「明日は休みだ」という一縷の希望だけが僕の救いだった。そして6時間目が終わった。すると僕の目の前に行列が出来た。そして列の先頭の吉田が両手を差し出して、「なぁ、菌くれよ。休みの日の分の!」
僕は仕方なく、その差し出された両手にポンとタッチしてあげた。すると吉田は「…日曜の分も!」と言った。僕はもう一回タッチした。すると吉田は笑顔で帰って行った。だが、後ろには行列がある。僕はこの作業を何十回と繰り返す羽目になった。悲しかった



今日は月曜日、また学校が始まる、そんな憂鬱な思いを抱え学校に向かった。今日もこの間のように菌をせびられた。
でも今週はゴールデンウィークがある。水曜日から6連休だ。これを糧にがんばろう



今日は、ものすごく嫌な日だった。明日からゴールデンウィークだということで6日分の菌を貰おうという人が殺到した。僕は一人一人に菌をあげた。10人目くらいになると、手も疲れ、泣きそうになっていた。すると、さすがに見兼ねた担任の笹嶋がその行列を解散させてくれた。80~90人が菌を貰えず、路頭に迷っていた



ゴールデンウィーク明けの憂鬱な気分を抱えて学校に行ったら、すごいことになっていた。
ゴールデンウィーク前に僕の前に出来ていた行列を笹嶋が解散させたせいで、ゴールデンウィーク中に危機的な菌不足に陥った人が多発し、なんと高額で菌が取引されていたのだ。1菌あたり18$。しかし菌は1ダースごとに取引されているため、実質一回の取引で、最低でも216$、日本円にして約20000円弱のお金が動くということだ。
そして何より腹が立ったのが、その取引に笹嶋も参加していたことだ。



今日、学校に行ったら、雰囲気が違った。みんな僕の方をずっと見ているけど、僕と目が合いそうになると目をそらす、という感じだ。久々にまともにいじめられた気がして、少し悲しかった。



今日、昨日の雰囲気の原因が分かった。どうやら、「矢野から直接、タダで菌をもらうことを禁止する」という取り決め(みんな「A規約」と呼んでいるようだ)が出来たみたいだ。おそらく理由は、市場が崩壊するからだろう。
それでも、僕の動きひとつで、市場が動いてしまうため、みんな僕のことをじっと見ていたらしい。



今日は、風邪で休んだ。風邪をひいたので、お母さんが雑炊を作ろうとしたが、どうせ雑炊食べるなら鍋にしようということになり、土鍋とカセットコンロを買いに行かされた。なんかバカっぽかった。あと、高熱で弱っていたぼくに「リアル矢野菌が発症しちゃったね」という母親の言葉に耳を疑った



学校が大変なことになっていた。昨日休んだせいで、市場が崩壊しかけていた。泣いてる人もいた。
でも今日は嬉しかった。
なぜなら市場崩壊の危機に伴う緊急対策として、A規約が緩和されたのだ。
みんな僕のまわりに寄ってきてくれて、いろいろな話をした。今までで一番楽しかった一日でした。