楽しい学校行事が終わって、帰宅した彼は


『少し疲れたから 休むね』と自室にいき、そのまま眠るように亡くなったという。


階下に降りてこない弟を心配した兄が
起こしに行って突然の弟の死に気づいた。


初盆お見舞いに伺ったお宅でのできごとです。


まだ中学生だった彼を慈しむように
玄関には彼の学生時代の美術作品が額縁に入れてたくさん飾ってあって。


私はそれを見ているだけで自然に涙があふれて仕方なかった。


玄関先につながれた番犬はそのお宅の門をくぐると一番先に目に入ってきた。


その番犬の絵は
迫力があり、特徴を捉えていて、
私がついさっき見た番犬と重なって見えた。


彼の残した作品をみなさんに見てもらおうと考えたご家族の彼に対する想い、惜しみない愛、それを最大限に感じて胸がいっぱいになった。


家族の死も
身近な死も
どんな死も受け入れなければならない。


生きていれば、何度か出合う そんな場面。

この世からいなくなってしまう寂しさに向き合う強さは
私にはあるのだろうか。



季節は流れ、
何事もなかったようにひとは心の内に秘めて生きていくんだなぁ。