今日はお師匠と久々にお茶会。
あー、あっという間に時間が。やっぱ家に押し掛けて半日くらいしゃべり倒さないとだめだなw


卒論提出まであと3ヶ月半。

結構あるなーとか思うけど、後々が恐ろしいので
今は図書館に定期的にお目当ての品を仕入れにいく。
同じテーマを研究している人がいるのか?いつも何冊か目当ての本が貸し出し中。


ゼミのテーマが「人を殺す道具」という物騒きわまりないものなので....
基本、ハードな兵器を卒論テーマにするゼミメンバーが多い。

化学兵器とか潜水艦とか、空母とか、あと地雷もいた。無人戦闘機とかってのもあるなー。

あたいはハードなツールを卒論テーマにするのは、なんか自分っぽくないなーと思い。
「プロパガンダ」というソフトを扱っていこうと決めた。


決めた...矢先。
案外漁って見ると....思ったほど「戦争プロパガンダ=人を殺す」という文脈の文献がなかったりする。
あるけど、ポスター集とか。

とりあえずはまずナチスを触らなきゃなと思い、ナチスの煽動術とか文化の利用とか
その手のものをパラパラよんでみる。

ユダヤ人虐殺とかにたどり着かない......

プロパガンダと言えば「ナチス」と思っていたが、この「ナチス」はヒトラーがどうやって
権力の階段を上り詰めていったかという部分にほとんどフォーカスされているから
アメリカの選挙宣伝の戦略とかそういう本とかに近い。


ゆえに戦争とか「人を殺す」とかが遠のいている今日この頃。
ちがう。そういうんじゃなくて、もっと人が洗脳されていって人を殺してもOKって感じのプロパガンダを探してる。

にしてもだ、巻頭の写真資料をみると、まじナチスすごい。
数も規模も豪華さも....今の日本の政治家はかないまへん。
映画や新聞・雑誌・ラジオ・演説なんかは有名な話だけど、建築のスケールとか儀式の時の旗とか松明とかそういう演出が一体となっている写真みると....
この人にまかせれば国が繁栄するって....思う。


プロパガンダを非常に効果的に使っているのは、そういった写真一枚でも十二分に伝わってくる。
でも、そこじゃないんだ。

そして「人を殺す」をしょってプロパガンダの森を歩く私は迷子なのです(笑)

思いのほか、自分が思っているプロパガンダと、学術的なプロパガンダに距離が。
ようするに、なんでもかんでもプロパガンダになってしまうので、区分けに注意しないといけない。


プロパガンダの森で、あっちいきこっちいきしていると
現代の広告戦略とかまで行っちゃって、道を間違えたので引き返す。
メディア政策とか、メディア論になってしまう。

そう考えると、実は私が取り上げたいような「人を殺す」プロパガンダは、「大戦中」に注目するべきなのだろうかーとか思っている。
戦争しなきゃ人が同時に大量に死ぬ事はないから、そこから考えても「戦争の中でのプロパガンダ」から離れないようにしないと。


イメージは伊藤計劃の「虐殺器官」だからね。
(※ネタバレあり)
虐殺を起こす方法は、ある特殊な文法によるものだった。
首相(とか国の偉い人)のスピーチ原稿はその「虐殺の文法」によって書かれていて
それを聞いた国民は突如虐殺器官となって国内で虐殺の嵐を巻き起こす。
虐殺の文法を使ってスピーチ原稿を書いたのは、あるアメリカ人で
なぜ、そのような事を世界各国でやりまくったかというと
他国がそのように弱体化してれば、アメリカが平和でいられるから...みたいな話だった。

うる覚えなので、くわしく読みたい人はAmazonへGO!


「虐殺の文法」っていうのが、なんとなく現代で言うプロパガンダみたいな印象を受けた。
確かに、人を殺す道具=兵器・武器になるものだけど、そういう兵器や武器になりうるものは
意志を持って勝手に動いたりしない。
起動させたり、操作するのはいつも人間で、その「殺す意志」が必ず必要になる。

あとは、ある人や組織の利益を確保するために、「殺す」事の支持を得る。
「殺す意志の容認」を複製化するとかそういう事をもっと深く見たい。
「虐殺器官」の中で、暗殺戦闘員がカウンセリングを受け、脳に「マスキング」を行うシーンがある。暗殺する事に迷いが出たり、その後暗殺でのストレス障害に悩まされないための次善策だったきがする。
大衆に向けての戦争プロパガンダはこの脳への「マスキング」に似てる。


私っていう個人と、群衆の中の私ってまた別物だし、別の行動原理が働く訳だし。
そう思うと自分が自分で怖くなるが...
自分が自分の思うように行動なんてできてないのかも知れない。
そうできてるように思い込んでるだけなのかもしれない...とか

ずんずんと森の奥深くへはいって行くのです。


今、大衆とか群衆心理みたいのを漁りだしたとこです。はい。


人種偏見―太平洋戦争に見る日米摩擦の底流/ティビーエス・ブリタニカ

¥2,936
Amazon.co.jp

20世紀の権力とメディア―ナチ・統制・プロパガンダ/雄山閣出版

¥2,548
Amazon.co.jp

絶対の宣伝〈4〉文化の利用―ナチス・プロパガンダ (1979年)/番町書房

¥4,095
Amazon.co.jp

絶対の宣伝〈1〉宣伝的人間の研究ゲッベルス―ナチス・プロパガンダ (1978年)/番町書房

¥2,940
Amazon.co.jp

絶対の宣伝〈3〉煽動の方法―ナチス・プロパガンダ (1979年)/番町書房

¥3,675
Amazon.co.jp

戦争プロパガンダ 10の法則/草思社

¥1,575
Amazon.co.jp

メディアとプロパガンダ/青土社

¥2,310
Amazon.co.jp

戦争とプロパガンダ/みすず書房

¥1,575
Amazon.co.jp

広報・広告・プロパガンダ (叢書 現代のメディアとジャーナリズム)/ミネルヴァ書房

¥3,675
Amazon.co.jp

大衆と政治の心理学/勁草書房

¥3,990
Amazon.co.jp