yuz的 益者三楽

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星月夜虹霓綺譚
(ほしづくよこうげいきたん)


四十四 《 夜の花嫁 》



ーーーーーー阿弟は誰よりも優れた星君で、僕は彼が生まれた時から‥いや、生まれる前から気づいていたよ。
南斗星君はそう言った。
教えた事は砂が水を吸い込む様に瞬く間に己のものにした。僕は彼を連れ回すのが大好きで、そうだね………フフフッ…彼を見せびらかしたかったんだ。
でもね、彼は………うん、賢すぎたのかなぁ。彼は全てを理解したけれど、その核心を知る事は出来なかったんだ。

我等にとって三千大千世界、この世界に住まう衆生とは、その残酷な命運を一手に引き受けながら尚無条件に慈しむべき我が子に等しい。

それで?
彼はそれを知ったの?

ご覧の通りだ。あの、爪の先程の小さなか弱き魂を持つあの娘は、瞬く間に阿弟を虜にしたよ。
不思議だろう?絶世の美女でもなく、巨大な命運を背負う英雄でもない。どこにでもいる様な十把一絡げなそんな凡庸な凡人が、稀代の司命星君の心を掴んだ。
…いや、違うね。
心を作った。
彼に、司命星君としてあるべき人の心を作り与えてくれた。
阿弟はね、漸く本当の愛や慈しみを知ったんだ。

ああ………

何?

誰かが言っていたわ。恋は孤悲であり愛は哀であり、慈愛には見返りも際限もない……………その不安定さは吉にも凶にも瞬時に変わると…。

……………………………

この時ばかりは、南斗星君は百万歳の老人の様に老獪で狡猾な笑みを浮かべる。

ああ…

そのえくぼの浮かんだ笑みに再び思う。

それは、南斗星君から大剣を奪わせた。




三度目の季節は瞬く間に過ぎて行った。晩春の花を追いながら、咸宴は我が身に染み付き始めている撫星の匂いに益々悲しくなっていた。
丸三年、撫星哥哥は私といてくれたわ、……そろそろ終わりにしよう。天人はいつか天に帰って行くものなんだから。
そう思いながら何も口に出来ず、ただ幸せで苦しい夜だけが幾夜も過ぎて、相変わらず彼は咸宴を背後から抱きしめて、その後ろ姿に細い息をかけながら寝んでいる。

滴る程に豊かな蜜を集めて、蜜蜂達は息を呑んで次の展開を待っている。

片方の腕を咸宴の枕に差し出し、もう片方の手を彼女の腰に回す。
当初耳の先まで火を吹く様に真っ赤にしながらモゾモゾと抵抗していた彼女は、いつの間にかその腕に慣れ当然の様にその肢体を委ねる様になった。今夜も、彼女はそんな腕の端の袖をしっかりと握りしめて寝ている。
夜鳴きの虫の声がリリリリ…リリリリ…と聞こえる以外は静かな夜で、そんな静けさは余計に咸宴の目を冴えさせて泣きたくなる。
実際、泣いていた。声を殺して彼女は決心に揺れる涙を流して、その涙は彼の袖に僅かに染みる。無星がそに気付かないはずはない。

背中から彼女を引き寄せる彼の気持ちはいつも複雑で、ただこの三年の間に確かに何かをその心に灯す。
彼女のごね得の様な添い寝も真実は別の所で、その心地よさは実は無星の思いで、彼女の黒いよく跳ねる髪の香りを嗅がなくては一日が終わらない自分に戸惑い、呆れ、観念し、彼は既に決意している。その決意を袖に染みる涙が余計に知らせた。
「小咸?」
無星の声が小さく彼女の首筋のほくろに息を吹きかける。咸宴はドキリとしながらも返事をせず少しだけ息を太くした。
「小咸、寝てる?」
彼女は決して返事をしない。

リリリリリリ…代わりに外の虫が返事をした。



夏は幾つもの嵐を運んでくる。
夜の嵐は月も星もぶ厚い玄雲に隠して風雨は木々をなぎ倒す。どこかでは瓦が木の葉の様に飛び、どこかでは山津波がおこり、どこかでは大河が決壊する。だがその帰結は嵐が去り、夜が明けるまで何一つ知れる事はない。
定められた命運がひっくり返り、誰の命書も見えなくなる一瞬の逢魔ヶ刻。
それは九天応元雷声普化天尊が往年の力を取り戻し狂乱の舞を見せる刻でもある。
「小咸」
彼は穏やかに一句を吐く。
外は轟々と風雨が響き渡り、宿代わりに慌てて入ったこの廃寺など本当はひとたまりもないだろう。
だが、屋内に入った途端外の嵐は千里向こうの喧騒の様な囁きに替わり、無星はひっくり返った燭台に一つひとつ自分たちの蜜蜂の蜜蝋で作った蝋燭を立てていく。僅かに震える空気の中でユラユラと揺れる万燈明の様な明るさは返って咸宴を不安にさせた。

別世界の佇まいで無星は声をあげる。
「小咸」
「…………………」
「こちらへ…」
無星は咸宴を蜘蛛の巣の張った黒く煤けた阿弥陀像の前へ誘う。
「何?…どうしたの?無星哥哥」
彼はぐっと彼女を引き寄せてこう言った。
「小咸。それは、私の名ではない」
「?」
彼女は仔犬の様に首を傾げて無星哥哥を見上げた。蝋燭の揺れる黄色い明かりを受けて、いつになく彼の顔は真面目で険しい。
咸宴はハッとする。彼女は丸三年、彼と共に旅をしながら、今初めて気付いた。

私は、彼の顔をそれ程知らないわ。

無星哥哥が彼女と共にいる時、その顔はいつも笑っている。年嵩な先達としての穏やかな笑み、物知らずな凡人を小馬鹿にする様な楽しげな笑み、先の判らぬ旅を期待する好奇の笑み。私を庇護する暖かな笑み。
それがこの天人の姿だと思っていたけれど、………ちがう…。
コクリと息を呑む。

初めて会った時は?
咸宴は考える。初めて出会った時、この天人はどんな顔で私を見ていたかしら?
…彼は池中からザブザブと現れたわ。怯え、震え、驚愕している私に何の躊躇いも羞恥もなく傍に立った。
彼は水の滴る黒髪を振るいもせずに、何の関心もない突っけんどな眼差しで私を凝視した。思いがけず私も彼を凝視し返して………彼女は思い出し、燃え上がる様に、どこかの山の噴火の様にボッッ‼︎と赤面する。全身が総毛立ち唾液から何から干上がりそうだった。
ただ、そんな咸宴のどんなに滑稽な面相を見ても無星はニコリともしなかった。いつもだったらこんな咸宴の姿に彼は大概に可笑しそうにクスクスと笑うものなのに……

彼は……これは、彼の本来の姿なの…だ。
泣きもせず、笑いもせず、人の心の奥底を覗き見る様に瞬きもせずに黙って見ている。
そして、言う。
「それは、私の名ではない」
………………………。
ああ……、終わった、のだ。
咸宴は気付いた。
幕間の寸劇は終わったのだ。
哥哥。あなたは、帰るのね。
咸宴はキョロキョロの瞳を動かし、落ち着きなく震えて応えることしか出来ない。
「わ、わ…ワ解ったわ……羽衣を…ヲ…返す…」
ブルブルと震える両腕を無星がゆっくりと掴んだ。本当に、震えるほど張り詰めていたのは彼の方だったが彼は、無星は彼女の正面に立ちその両手を温かく握りしめて怖いくらいで、こめかみをピクピクと震わせで低い声で言った。

「違う、小咸。よく聞いてくれ。私の名は無星ではない。私の名は壬魁。私のこの名を憶えて欲しい」
ピカッ…と稲光りが走るか、その恐怖も既に咸宴には届かず彼から目を離せずにいた。
「壬…魁……」
「そう、壬魁。そしてこの香を小咸への婚姻の証に」
「…………」
言葉の意味が解らず、咸宴の思考が停止し、ゴロゴロと遠く雷が鳴る。
彼の懐から出たのは青白い玉の香壺で、既に紛々とその香りを振り撒いていた。
中にあるのは生命の樹である緑檀て彼の星の欠片(かけら)、彼女の持つ蜂蜜で練り合わせた練香の粒達がキュッと身を寄せるように入っている。
咸宴は壬魁の手の中に収まるその玉壺を見つめゆっくりと彼の顔に視線を合わせる。
彼は蜜蝋燭の明かりと時折ピカリッ…と鳴る稲光に照らされ感情の読めない顔をこちらに向けていた。
「…哥哥」

突然、咸宴はその両の手を彼の頬に合わせギュッとつねりあげた。
「⁈」
恐ろしいくら位に真顔だった壬魁の顔が驚きと戸惑いと痛みに滑稽に歪む。
「嘘つき…。哥哥の顔が怖いわ。…哥哥は私にそんな怖い顔したことがない。それは嘘をついてる顔でしょ?惨めな、少し可哀想な娘にちょっとだけ情をかけた?憐れな下凡の小娘を慰み者ようとしている?……大丈夫よ、私だって……こんな物知らずな娘だってちゃんと自分の身ぐらい弁えている。そうよ、三年も一緒にいてくれたんだものね。もうお遊びの期限は切れているって…そう言いたいのでしょう?」
滔々と話している間に緩んだ指先にふたたび力を入れてぴっ…と横に引っ張る。面長の精悍な彼の顔が不自然に横に広がるのを涙目で見上げる。
「大丈夫…ありがとう。…羽衣はいつでも返すわ。貴方が沢山幸せな事を教えてくれたから、私はもう一人でも生きて…いける」
最後の句は自分に言い聞かせるように呟く。

彼は?
彼は…?
彼は。無様に歪んだ顔が意志を持ってその口角を横に広げた。
「小咸」
彼の手が咸宴の手に掛かり、ゆっくりとその両手を降ろさせる。それから、いつもの微笑みを浮かべたその顔をゆっくりと横に振った。
「君の言葉はとてもよく当たっている。小咸、私を笑わせる事が出来るのは君だけだ。…君以外、私を笑ませる者はいないのだ、だから小咸」
どこまでも愛に満ち溢れた言葉は、彼自身内心驚きを隠せない程だった。口にして、ようやく彼は咸宴のかけ替えのない存在を実感していた。

凡人かもしれない、明日には消えてしまう命かもしれない。我等天仙が手を出す命ではないのかもしれない。そう思いながら、それでもその命の尽きるまで共にありたいと、その思い一つでのこの告白だった。
私の名を知る事でその呪に守られる様にと。
この香気を浴びる事によって少しでも共にいれるならばと。
この戒律破りの密約を守るには、と暗黒の雷雨の夜闇を選ぶ事も彼は怠らなかった。
どんな手を使ってでも、彼は彼女を手に入れたかったのだ。

私の地の花嫁。
私の春花の君。
私の中にある心。
私の魂を分け合う人。

それが凡人であったというだけの事。

再びその手には香壺が握られ、それは咸宴の少し皮の厚い節立った手の中に収められた。その手は天仙の白い玉手ではなく、幾万の御仏達の尊き救手でもない。
ありふれた日々を営む小さく愛おしい手。

「だから小咸、どうか聞いておくれ。この香には君の作り上げた最高の蜂蜜と緑檀(生命の樹)、そして私の星の欠片(かけら)を練り込んでいる。これは私自身。君に差し出せる精一杯の想いだ」
震える手が玉壺を握り締める。
「それから私の名、壬魁。………これを、貴女に…捧げる」
見上げる咸宴はポロポロと真珠の様な涙を流し、壬魁は可笑しそうに笑いながらそっとその涙を拭き取った。
「壬魁…哥哥」
ゆっくりとその子煩い唇を黙らせる。

雷公と電母がズゴゴオォォ……ッッ………と天上を駆けて行く。





「なる程ね、それがあの姑娘だという訳ね」
孟婆はポコポコとお茶を注ぎながら溜め息と共に言った。
醧忘台の最も見晴らしのいい城壁の上で孟婆と瓢娘はお茶の時間を楽しんでいる。
城壁の下には一本の河がゆるゆると流れていて、孟婆はその辺(ほと)りに一人の女性が佇んでいるのを見届けての言葉だった。
「そういう事、孟姐姐」
瓢娘の持つ瓢箪竿は壁に立て掛けてあり、瓢娘はいつもの調子で長い黒髪を無遠慮に一つに纏め上げて一本の簪を通している。何の色香もない行商人な格好はいつもの事で、簡素ながらも長い裾をゆったりとその身体に合わせ、豊かな黒髪を半分結い上げ、半分背に垂らし真っ新な細紐で括っている孟婆の方がよっぽど若く艶々とした美しさに彩られている。
だが、瓢娘にとってそんな事はお構いなしだ。
注がれたお茶をクッと一気に飲み干すと孟婆と同じ視線を眼下の凡人に向ける。

「大司命星君ともあろう者がなんて事を、ねぇ瓢娘。こんな事になるのが想像出来ない訳でもあるまいに…」
言いながらコクリと自分のお茶に手をつける。
瓢娘は少しだけ揶揄(からか)い気味にこう言う。
「まあ、ね。…人の恋路を邪魔する奴は何とやらって言うじゃないか」
ククッ…と喉の奧で笑う。
「大司命はそれでいいかも知れない。でも彼女は?彼女を側に置いて凡界の妻や夫になれる訳ではない。天界の妃や上神になれる訳でもない。それなのにどう?息も詰まる程の彼の真心と仙気だけを与え、…愚かだわ。彼女は真っ当な庶凡の魂よ。あのいたいけな凡人の身体で彼を受け入れて一体どれだけ彼と共にいたの?百年?千年?二千年?」
信じられないと言う様に孟婆はフルフルと首を横に振った。両手に抱かれ膝の上に置かれたお茶がチャポン…と踊る。
「彼女の身体と魂魄はどれだけ蝕まれているか」

「姐姐の孟婆湯を鍋いっぱい飲み干せば綺麗さっぱり来世に飛んで行けるさ」
「ふざけないで、瓢娘。それが出来ればどれだけ簡単かわかりゃしない。見てみなさいよ…結局の処彼女は大司命を忘れる気なんてこれっぽっちもないのよ。いい?瓢娘、私はそれなりに慈悲深いつもりよ。まあ、少なくともあなたが言う様に無理やり彼女の口をこじ開けて鍋いっぱいの孟婆湯を流し込む様な真似はしないわ」
「ちょっと待って、姐姐。えらく物騒な話にすり替わってるじゃないか」
瓢娘がまあまあ…と抑え気味に言ったが、孟婆はここぞとばかりに続けるのだった。
「大司命は凡人である彼女を思って彼女を手放したかも知れない。でも、もう遅かりしよ。彼女の魂魄に刻みつけられた大司命との一件をなかった事にして再び輪廻の渦に戻るなんて……彼女には出来ない。でもそれが出来ないなら、私はこの醧忘台の主人として来世への橋を渡る事は許さない。人の恋路を…なんて悠長な話じゃなくてね瓢娘、解る?彼女の人としての生の全てを台無しにしているのよ。ねえ、これは大変な禁忌だわ、そうじゃなくて?」

怒りを含んだ口調ではっきりと言う孟婆に、瓢娘は口をへの字に曲げて息を吐き、再び蜂娘の小さな姿を追うのだった。
「南斗星君や大司命は己の権限で一笑に付して終わらせようとしているかも知れないけれど、そう易々といく話ではない。見てごらんなさいよ、何て哀れな、惨めな姿だわ。あそこにいる限り彼女に今世を洗い流せる来世はやって来ないのよ」
「……だねぇ…」
空の茶器を弄んで、瓢娘は仕方なく卓の真ん中に置いてある鬆糕に手を伸ばす。
「あら、ごめんなさい。もう一杯淹れましょう」
孟婆は手早く次のお茶の用意を始め、瓢娘は黙って忘河のたもとで所在なくウロウロとしている蜂娘を追っていた。
鬆糕は料理上手な孟婆の腕の見せ所で頬が落ちるほど美味しい。瓢娘は思わず顔を綻ばせてあっという間に二つめに手をつけて、満足そうにモゴモゴと口を動かす。

孟婆が二杯目のお茶を瓢娘の前に置き、瓢娘はやっと落ち着いて茶器を取ると、淹れたてのその茶の香りを嗅ぎながらチラリと、やはり城壁の下のあの娘を見遣る。
姐姐の作る孟婆湯をたった一杯、こんな風にコクリと飲み干して、ほろ酔い気分で忘河にかかる奈何大橋を渡りきれば大司命壬魁の事など綺麗さっぱり忘れて意気揚々と来世への一歩を踏み出せるのに。
彼女はどうしても大司命壬魁の事を忘れる事はできないらしい。
「ならば……」
視線を下に下ろしたまま瓢娘は問う。
「あのまま、自力で忘河を泳いででも渡りきればいいのでは?そう言えばそんな話も昔聞いた様な…どうしても孟婆湯を飲みたくない、前世の記憶を残したいならば橋を渡らず河を泳いで渡る、と…」
孟婆は「フンッ」と鼻を鳴らす。

「ああ、そんな話も出回ってるみたいね。確かに、橋を渡れないなら、直接河を渡る…間違いじゃないわ。でもね…」
コンコン…と孟婆は卓を爪先で叩く。
「はっきり言うわ。あの河はただの河じゃない。あの河には六界の血毒と獄界に堕ちた亡者達の阿鼻叫喚が入り混じっている。あそこに一歩でも足を踏み入れてごらんなさい。河水は一瞬にして燃える水となり煉獄の炎はその我欲を餌にして燃え広がる。そこに現世への断ち切れぬ想いがあればある程その者を焼き焦がし、溶け放し、全ては川底の澱(おり)になって次の餌を待つ。もしくは海まで流れ果ててただの塵となる。どちらも…二度と輪廻には帰ってこれない」
孟婆も城下に顔を向けながら蜂娘を見て、最後に小さく言った。
「……それだけよ」
僅かな憐憫が、そこには見て取れる。

「あッッ‼︎」
突然、ガタリッと立ち上がる。
そこには蜂娘が蜂娘が決意を固めて膝を折るとスッとその指先を水面に当てる姿があった。
アッ…と驚きと苦痛に慌てて手を引き、その手はやはり孟婆の言う通り赤く焼け爛れ、蜂娘は険しい顔で痛みに耐え指先を見つめ固まっている。
孟婆が肩で息をするとゆっくりと座り直した。
「……あんまりいい見せ物じゃなさそうだね。今日はもう帰るわ」
入れ替わりに立ち上がったのは瓢娘で「あら、そうなの?」と残念そうな顔で孟婆が彼女を見上げるのだった。
「瓢箪を十ばかり頂きたいわ。大きさはこれくらい」

手で寸法を測って瓢娘に上目遣いに笑いかける。
生きた人がこの醧忘台にやって来る事は珍しくて、姐姐と慕ってくれる瓢娘は孟婆にとって貴重な友人なのだ。懇願にも近い彼女の笑みに絆(ほだ)されて、瓢娘はもう暫く冥府に滞在する事になるだろう。

その間に、蜂娘の話は何処かに決着出来るのだろうか。

 

 


 

 

逃避行

 

泊襄の戦いから逃れた二人
摘星ちゃん意識を失って傷を負い、同じく渤王も矢傷を負っている。

 

原作ドラマ共に、直ぐに朱温(梁帝、ドラマ:楚馗)による追捕令がだされ、多くの兵たちが街道を捜索する中、渤王は摘星ちゃんの安全を第一に、最初に彼女の傷の手当てを行ってから、街道を避けつつ、晋国へと送り届けようとします。

 

ドラマと原作はかなり展開が異なります。

 

 

原作

1.摘星ちゃんの傷を手当したのは渤王本人

2.崖落ち

3.水落ち

4.狼に助けられる

5.摘星ちゃんが渤王を救う

6.別れの場面

 

 

ドラマ

1.僧侶が摘星ちゃんの傷を治療する

2.崖落ちなし

3.水落なし

4.狼は登場しない

5.摘星ちゃんは最初から最後までなにもしない

6.別れの場面

 

かなりの部分が異なっていたります。

 

 

次回 YUZが気に入っている場面を少しご紹介しようかなって考えています。

ドラマの渤王も原作の渤王も両方とも素敵なのです

(n*´ω`*n)(n*´ω`*n)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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逃避行

 

様々な思惑が渦巻く中、最後の戦いへと向かっていく。

 

 

泊襄の戦いから逃れた二人

摘星ちゃん意識を失って傷を負い、同じく渤王も矢傷を負っている。

 

 

この辺はドラマと一緒ですが、この後の展開は原作とかなり異なります。

 

正直、原作通りドラマ作ったら・・・・死傷者 出そうです(;^_^A

本当に、かなりハード💦

 

諸事情があって狼仔・渤王は上半身は裸

その上、雪が降っている~~~

( ̄□ ̄;)!!( ̄□ ̄;)!!( ゚Д゚)

 

 

しかも、逃避行先の山はこんなですから~~~下矢印

 

ドラマはセミの声が入っていたみたいなので、撮影は夏のようでしたが、

原作中の逃避行は真冬

雪が滾々と降っている💦

 

 

 

ここでハッハッハッ

狼仔・渤王が上半身裸でも摘星ちゃんが平気な点

 

嫁入り前のお嬢な摘星ちゃん

普通ならキャ---

なのですが、ここは平常心ウインクウインク

 

これは以前、彼の裸を見たことがあるから

見たことあるし、そんな事では動揺しないのですおいでおいでおいで

 

実はこのシーンは伏線でしたウインクウインクウインク


 

という事で、次回からはインサイトでこの辺について、少しご紹介予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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泊襄の戦い

 

今回から、泊襄の戦いについて

 

 

大地を覆いつくす程に城を取り囲む渤王軍

ここでドラマではカットされたシーン、摘星ちゃんと渤王との感情の違いが幾つかあります。

 

 

蝶の交渉の前にあった攻防

此処はきっと、残忍だって言われてカットされたんだろうな~~

 

ただ、YUZは戦いは綺麗ごとではないし、悪辣な事、蛮行がまかり通ってしまういわば人間の極限状態

籠城で食べ物がなくなり、草木を食べそれでも飢えをしのげない場合は・・・・

この時代、人が人を食べる時代と記載しておりますが、

上の者が自らの子供を、妾を食べ始めれば、下々の者も従う。

 

近代で言えば、原爆で一瞬で焼かれた人々、沖縄戦で生きたまま焼かれる人々、

これらは全て現実であり、事実

目を背けてはいけないのではと感じます。

 

上矢印この時に刈り取った捕虜の首を,渤王は敵の陣営の中に投げ込んでいるガーンガーン

 

この時に刈り取った捕虜の首を、摘星ちゃんのいる陣営に投げ込み、士気をくじく作戦をとる

一応、これは戦場では普通の事で、渤王は目の前で惨たらしく殺している訳でもないので、この辺は情義があると思います。

 

この蝶のシーンは渤王が摘星ちゃんの覚悟を確かめたのではと感じます。

ドラマでは渤王の弱点を探子(スパイ)が探り当てた事となっていますが、

原作では摘星ちゃん自らがまわりに伝えています。

この情報は朱友贞(四殿下)からもたらせれたもの

 

この辺の心の葛藤が本当にいいんですよ~~おねがいおねがい泣くうさぎ泣くうさぎ


 

 

交戦中の摘星ちゃんと渤王の感情此処には以前にも指摘した謀りがあるし、摘星ちゃんは心の中で渤王を想っているハッハッ

 

 

逃避行中の出来事、感情など

 

上矢印このシーンはないのです下矢印

 

 

という事で、次回からはインサイトでのお届け予定です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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