破局した2人 |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

「お久しぶりです。Sです。ご報告致します。*月*日、市役所に離婚届を提出しました」

久しぶりにS君からメールが届き、そして昨夜、電話で詳しい話を聞いた。
S君は今は岡山にはいない知人で、以前、このブログにも離婚話で悩んでいる彼から相談があったという記事を書いたことがある。
かなり前になるが、「離婚の可能性が高い」と私は彼の運気を読み、そう告げていた。それが現実化しそうなので、もう一度占って欲しいというのがそのときの依頼だった。
相手との関係を読み、「これはもうダメだな」と感じてはいた。
相性云々よりも、相手の女性に問題がありすぎるように思えたからだ。

その女性と、S君はこの度、離婚した。
そういう報告だった。
実はS君、ここに至るまでの間に、私に2回、連絡を取ってきている。
前回、それでもなんとか奥さんとやり直したい、そのような努力がしたいと伝えてきていた。見上げた決意だった。自分にも悪いところがあった。子供のためにも、心を入れ替えて、頑張りたい。
そう伝えてきてくれていた。

しかし、相手の女性にはその気持ちは届かなかったようだ。
最初話があった慰謝料や養育費、そんなものはいらないから早く別れてくれ―――そんな話にまでなったようだ。S君はそれでも自分にできることはすると言ってはいるが、そうまでして早くに決着をつけたい彼女の心情や事情を想像すると、なんとなく気鬱になる。

まだ小さな子供のことを思うと、そして現実に戸籍上、相手の女性とその子の名前が自分と違ったものになってしまったという事実を目の当たりにすると、
「なんだかもう落ち込んでしまって……。わかってはいたんですが、実際、そうなってみると、本当に辛いんですよ。寂しいんですよ」
と、S君。
手の届かないところへ行ってしまった子供。やり直すチャンスも与えられぬまま、ただ拒絶を突きつけてきた相手の女性。

向こうには向こうの言い分もあろうし、私はS君の側からしか話を聞いていない。
彼女に喋らせたら、納得するような言葉が聞けるのかも知れない。
すれ違ってしまった想い。
すれ違ってしまった生活。
そして、人生。

これもまたプロセスと言ってしまえば、たしかにそうなのだろう。

しかし、一度はあきらめかけながら、それでも少なくとも自分では反省し、やり直そうとしたS君の決意、思いは残っている。
そのような選択をしようとした彼には、この後、きっともっと良いお相手が待っている気がする。

S君に星宿の導きと幸運を。