2012年問題へのアプローチ |  ZEPHYR

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「2012年滅亡説が流行している」
親友Nが先日、メールを寄越しました。彼が言うには、前世紀末に人類滅亡説が流布した状況と非常によく似ていると。
――1999年7の月、恐怖の大王が降ってくる。
有名なノストラダムスの予言詩を始めとし、様々な予言者や予言の解読者が世の中に登場し、世界の破滅、人類の危機を訴えました。
現実には、恐怖の大王は少なくとも我々が認識できるような形では降らず、人類は滅びることもなく新しい世紀を迎えました。
そのとたん我々の世界に出現したのが、911テロとその後の泥沼のような戦いの日々ですから、世紀の変わり目にはなんらかの意味があったのかという思いも抱かせられます。

今回、世間で騒がれている2012年という年回りの出所は、マヤ暦にあります。
マヤは非常に高度な天文学を有していた文明で、こと暦に関しては現代のそれに匹敵する正確さでした。そしてマヤとその振興や文化を色濃く伝えているアステカの暦石には、次のようなことが伝えられているそうです。
現代は五番目の周期の世界で、この世界に先行する四つの世界があった。この世界は、それぞれ「太陽」の名で呼ばれていた。
第1の太陽、マトラクティリ。4008年間続いた巨人の時代。洪水によって、この太陽は破壊された。
第2の太陽、エエカトル。4010年続き、人々は野生の実を食していた。風の神エエカトルによって、この太陽は破壊された。
第3の太陽、トレイキャウィロ。4081年間。この世界は、火によって滅ぼされた。
第4の太陽、ツォントリラク。5026年間。血と火の雨の後、人々は餓死した。
そして我々の生きる世界は、第5の太陽であり、その始まりは紀元前3112年8月13日であり、それから187万2000日、約5125年後にこの時代の暦が終わる。それは2012年12月22日である。

というわけです。以上の要約は、今年の月刊「ムー」9月号から要約したものですが、この五つの太陽の時代についても年数の数え方など、まったく異なる説もあります。
また今年、日本を訪れ伊勢神宮などを参拝したというマヤの最高神官、ドン・アレハンドロ・シリロ・ペレス・オクスラ氏によれば、マヤ暦を現代のグレゴリオ暦に換算した計算が正確でない可能性もあり(計算はイギリスの学者が行った)、氏は2012年12月22日に限定することには否定的だったという話も伝わってきています。

とはいえ、算出されているこの五番目の時代の始まりが、たとえば最古といわれるシュメール文明の黎明期とほぼ重なっていますし、ある程度の根拠はありそうに思えます。
それに呼応したかのように、近年、異常なほど2012年という年が声高に叫ばれています。
様々なスピリチュアルな方々が、この年に世界が変わることを訴えていらっしゃいます。
よく言われるのは、「次元上昇」です。地球を含めた太陽系の環境が、新たなステージに上昇する。「アセンション=ascension」という言葉で表現されていますが、この言葉には上昇・即位などの意味の他、「キリストの昇天」という意味もあり、キリスト教圏の人々にとっては特別な意味合いを持ちます。
世界全体がアセンションするわけですから、これは大変です。
「じゃ、みんな、昇天(=死ぬ)しちゃうの?」と、早合点する人もいらっしゃるかと思いますが、厳密にはそうではないようです。ただ起きる出来事も、その原因も、人によって言うことは様々です。
しかし、原因としてもっとも多いのはやはり「太陽」のようです。
太陽からのエネルギーがどんどん上昇していき、それが引き金となって次元上昇が起きる。それにともなって、社会も人間個人も大きな変化を経験する。

実際、太陽の活動が異常に活発化していることは、天文学者が観測していて、地球温暖化の原因もそれではないのかという見方もあります。
そして、活発化のピークが2012頃になるだろうとも。
やはり2012年。
うーん。ほんまかいな。


2012頃には何かが起きる。
そういう傾向は、実際のところ、占星術でも読み取れます。
世界の命運というのは、人々の運命の集積の上に成り立ちます。つまり一人一人の運勢を読み解いていき、その総和を算出すればいいことになります。でも、全世界六十数億人類のホロスコープ・チャートのチェックなど私がしようとしても、一生涯かけても行えるはずがありません。先にアセンション(=昇天)しちゃいます(笑)。

しかし、不思議なことなのですが、ここのところ鑑定をしていて、2012頃に特徴的な運気を持つ人が増えているのは事実です。
過去記事の<沈みゆく船には……?>には、同時期に大きな職業上の変化を体験しそうな、某企業の従業員10人の運気について述べていますが、このときの解釈では私は「この企業はこの時期に大きな組織的な転換、改変を迎えるか、最悪倒産するのでは」ということを考えましたが、そのときにもちらっと頭の隅に、この2012年問題はありました。
たとえば2012年に変革を迎える企業はもっともっと多いかも知れない……。
それは地球規模、世界規模での大きな変化の波が訪れ、それにどの企業も等しく洗礼にさらされるから、という解釈もできなくはないからです。
たとえば日本という国家体制が崩壊すれば、国内企業は隅々まで影響を受けずにはおれません。雇用している社員(つまり国民の大半)の運気にも、その影は表れているはずなのです。
ところが逆に、たとえば自分のところの田畑で作物を作り、自給自足の生活を送っているような人がいたら、その人には「無縁」かも知れないのです(=運気には表れないどころか、絶好調の運気だったりして)。

その会社の従業員ばかりでなく、様々な個人が2012年にそれぞれなんらかの体験をしそうだということは、漠然とですが、私も感じています。
今後、この「未来を変えるために」のテーマの中で、この問題をしばらく取り上げていこうと思います。
そして、その中で私たち一人一人が何ができるのか、何をするのがよいのか、ということを探っていこうと思います。

私たちは皆、宇宙船地球号の乗客乗員です。

青木泉さん。
まったく同感ですね。もしかすると、日本は膿出しを行っているのかも知れません。