住宅雑誌をみていると素敵なおうちがたくさん載っていますが、
実物をみてみたい、とまで思う家はなかなかないもの。

 でも、ある時初めて知ってから、私のこころを捉えて離さない家がひとつあります。

 それは吉村順三さんという「住宅建築の神様」と評される建築家の自身の別荘である、「軽井沢の山荘」です。その山荘を見たある人が「風呂敷につつんで持って帰りたい」との言葉を残したことも有名なようです。できることなら私は「ポケットに入れて持ち歩きたい」です。

 http://jp.youtube.com/watch?v=LwgBlP8_2Lw
 
 素朴でいて斬新、シャープだけれどもかわいらしく、懐かしさとモダンさの両方を兼ね備えていて、決して豪華ではないけれど、それがかえって永遠に古びれることがなさそうに思わせる、周囲の風景に当たり前のようになじんでいる小さなたてもの。

 私の少ないボキャブラリーではその魅力を到底言い表すことは難しいのですが。

 そして、吉村氏の「住まい」や「たてもの」に対する精神性といいますか、哲学も、この機会に学んでみたいと思います。

 吉村氏がらみの本になるとたくさん書店においてあるのですが、少しばかりマニアックな本になると、そこそこ高いんですよね。

 そこで、一般向けのお手頃なのが
 「週末別荘・傑作選」

 冒頭ページは吉村氏の特集のような作りになっています。

 夫に吉村氏の魅力を語っても、私がボキャ貧故にイマイチな反応だったのですが、実際の写真をみて「ピンときたきた」と言ってもらえました。ちなみに我々の家づくりにおいて、夫婦の趣向がピタリと一致するのは珍しいことです(たいてい私が押し切ります秊)。
 
 吉村氏のお弟子さんである中村好文氏の作品もいくつか載っています。堀部安嗣氏の作品も素敵です。

 この本全体が「質素であること、粗末であること、それが豊かさにつながる」ということを訴えかけています。

 夢が膨らむとついつい、豪華路線を妄想してしまいがちなわたくしですが、上の「」をよくよく肝に銘じておきたいと思います(まあ、幸いお金もないことですし。)

 そうえば、私の大好きな国ネパールも、そこに暮らす人々の雰囲気全体が「質素であること、粗末であること、それが豊かさにつながる」
とういことを投げかけていました。食事も住む家も暮らしもとてもとても粗末で質素なんですが、なぜか雰囲気が人々の表情が豊かなんです。

 どんどん話しがそれますが、対して日本はマザーテレサに「私は、この豊かな美しい国で孤独な人を見ました。この豊かな国の大きな心の貧困を見ました」と指摘されてしまいました。

 「真に豊かな暮らし」とは何なのか、何度も振り返り確かめながら、「おうち作り」を楽しんでいきたいものです。 

  
 

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