先日、映画『ちはやふる-結び-』を見てきた。


なぜか思い返すだけで、止めどもなく涙溢れる。

「高校生活をかるたにかけた青春映画じゃなか」
そう言ってしまえば身も蓋もないし、
人生の半ばをとっくに過ぎた私自身が、
過去にそう言った高校生活を経験したことはない。

映画の中の彼女達は、
未熟ながらも我武者羅に突っ走っている。
悩み苦しみ、励まし助け合い、確固たる絆、
そして屈託のない笑顔がそこにはある。
まぶしいほど、きらめき、ときめき、かがやいている。

映画だからそのように演出されているのかもしれないが、
振り返れば私自身にもそのような
青春の1ページがあったように思える。

彼女達のように金ピカではなかっただろうし、
もう少し大人になってからだと思う。
例えるならそれは私にとって、
ピカピカの10円玉・ピカジュウのような時代。

しかし今ではそのピカジュウの思い出も
古いギザギザの入った10円玉・ギザジュウのように
くすんでしまっっている。

でも、今、「ちはやふる」の言葉から心に聴こえるのは
「かがやきを取り戻せ!きらめけ!ときめけ!」
と、響き渡りこだまする。

今となっては、あの時のような
体力はおろか、気力すらない。
いくらギザジュウを磨いてもピカジュウにはならない。

だが、まぶしいほど、きらめき、ときめき、かがやいていた
あの時代を忘れてはならないということだ。
過去に戻るのではなく過去を振り返って、
気持ちを“奮い立たせろ!”と言うことなのだと感じる。

そして、生きていることを真正面から実感できる。

「ちはやふる」
綾瀬千早の友、
大江奏の言葉が思い浮かぶ。
荒ぶるではなく、ちはやぶるだ。

まさに荒々しい心の高ぶりを感じた。