犬が空から降って来た | ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!
わが家の玄関外に新しく「下宿犬」が来て半月。
人生生きてると色々ありまんな。
ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-おつかれぎんちゃん
下宿犬の名は「ぎんちゃん」。
フレンチブルドッグです。

隣のアパートの3階のベランダに閉じ込められ必死に家の中に入れてもらおうと鳴いている犬を見つけた時は胸つぶれる思いでした。
ベランダに積み上がったゴミの山をウロウロして、時に足を取られて「キャンッ!」と転けたり、
ベランダの柵より高く立てかけたベッドマットの上に乗って、隣の家に助けを求めたり。
その度に「あ~~~!!落ちる~~~~~!!!」と心臓止まる思いでした。
半月前の日曜日の朝、その犬は3階のベランダから転落したのでした。

その瞬間アパートの住民のママたちや子供達も走り出て来ました。
アパートでは動物の飼育が禁止なのでとりあえず、すぐ裏の家の私のうちに繋いでおく事にしました。

不動産屋さん「うちではどうも出来ませんからね」

その足下にキチンと座って
ウルウルした大きい瞳でじーっと見つめる犬。。。
ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-お行儀ぎんちゃん

その数日後、不動産屋さんの仲介で飼い主さんとお会いしました。
どんなヒドい人だろうかと心配でしたが、実際お会いしてみたら杞憂でした。
犬も飼い主さんにとても懐いていて、ただ犬を飼うのには現状難しい中だったようです。
初めは手放してもらうよう不動産屋さんに説得してもらう事にしていました。
3階から落ちるような状況を作り、こんなに痩せて体もクサくて、とても責任のある飼い方とは言えません。
不動産屋さんは飼い主さんとお話しした後「所有権がありますから」と飼い主さんに返すようおっしゃいましたが、それは私が頑として断りました。
私は犬が欲しいのではありません。
物だったら躊躇なく返しますが、この犬がちゃんと幸せに暮らせる環境がある事を証明してもらわない限り飼い主といえども引き渡せないと繰り返しました。
うちには既に1匹犬がいて、悲しいかな2匹も飼える経済力はありません。
なにか病気になったりしたら青ざめるほどお金がかかるのです。
もし飼い主さんが飼えないのなら私が引き取った後、ちゃんと最後まで面倒を見てくれる覚悟のある飼い主さんを捜そうと思っていました。

飼い主さんとお話しして、
外飼いならわが家で下宿できるので毎日朝晩エサやりと散歩とかわいがりに来て下さい、と約束してもらいました。
不動産屋さんもそう勧めて下さいました。

犬がどうなるのか心配していた近所の子供達は

「(ж>▽<)y かみさま、ありがとう~~~~~~ドキドキドキドキドキドキ!!!」

と叫んでホッとした顔をしていました。
近所のママ達も犬のエサの缶詰やカミカミガムを差し入れしてくれました。

犬の名前は「ぎんちゃん」

ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-のびのびぎんちゃん

大人しくて、鳥が鳴くような声で鳴きます。
誰にでもおなか見せちゃうし、
怯えたり、怒ったりすることもなく、
ただ、ナチャケナイほどにカワイがってほしいだけなのです。

飼い主さんは事情で帰れない週末以外は毎日朝晩ギンちゃんに会いに来てくれてます。
ギンちゃんが落ちて来てから「こどもが朝ちゃんと起きるようになった」と、あるママが言ってました。
私も近所の子供達とは面識あっても、全く接触の機会のなかった彼らのママたちと仲良しになりました。
飼い主さんも顔だけ知ってたり、顔も見た事もない近所の人たちと顔見知りになってきて、
ペット禁止のマンションでは行ってなかったろうお散歩も毎日しています。
うちの前を通る近所の人もよく気にかけてくれています。

わが家の縁の下で白目むいて、舌出して安心しきって爆睡してるギンちゃん。
ある日痛い目を見て空から降って来たギンちゃんが
地域の空気をとても優しくしてくれているように思います。

ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-しゃんぷーぎんちゃん

昨日は、ギンちゃんとおなじアパートのママがシャンプーを持って来てくれました。
多分、初シャンプーでしょう。
ベッタベタでフケだらけでクチャかったんだったんだから。

ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-まな板の上のギンニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-しゃんぷーいやいや

フケ用犬シャンプーをたらいに溶かして、
シャワーで水かけて、
たわしでこすってシャンプ~ぅフレンチブルドッグあせる

ギンちゃんにとってはイジメみたいだったけれど、おかげでキラキラつやっつやキラキラ

ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-やきもちぐっちゃん

「ぐっちゃん(わが家の犬)がヤキモチやくでしょう?」
と、言われますが、案外そうでもありません。
仲良くもない代わりにケンカにもなりません。

わが家の犬は「負け犬」なのですヽ(;´ω`)ノoh~ no~~~。