韓国 ヤマカワくんの旅 | ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!
2011年3/6~9日までひょんな事から滋賀人権センターの人が主催する韓国スタディツアーに参加してきました。
まあ、あまりに間近だけど行きたい人がいればどうかな、と韓国語サークルのメンバーさんたちにメールしました。
それでヤマカワくんが行く事になりました。

意を決して「行きます!アップ」と言ったものの「やっぱりボクには勇気がありませんダウン」と翻してみたり、
当日まである事ない事心配しすぎて不安のボルテージが上がりワラワラ~~~状態。

ヤマカワ君には発達障碍があります。

普段、女子の多い韓国語サークルで男子のヤマカワ君が話のスピードについて行くのはちょっと大変そうです。
そしてみんなで文法の説明を聞く時もなかなか集中する事ができません。
それでも、みんなヤマカワ君が大好きだし、
ハングル紙芝居では一番安定して大きな声が出るので「座長」です。

今回の旅はツアーは3泊4日。
釜山から入って慶州、慶尚北道義城をまわりソウルから帰国。
私たち二人は後から参加表明したのでツアーの皆さんとは別行動。
私が飛行機を手配した結果、行きはヤマカワ君と私は二人で行くけれど、
帰りは私はソウルの金浦空港の出国ゲートまでお見送り。
ここでヤマカワ君とお別れします。

『セキュリティチェック、出国審査を受け、搭乗ゲートに時間までに行く。
飛行機に乗って、日本に到着し、入国手続きを受け、預けた荷物をピックアップして、税関を通過して入国ゲートの外に待つお父さんと会う』
それを一人でやらなければなりません。

さて、ヤマカワ君は高まる不安を期待で押さえつつ、無事に韓国の旅を終えられたでしょうか。。。

ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-テグ
東テグ駅からKTXに乗る時に「ヤマカワ君撮るよ~」て瞬間になぜかツツツ、、、と寄って来て笑顔でパシャっと収まった謎の美女。

ヤマカワ君は普段から電車や飛行機が大好き。

「あ!セマウル号だ!」
飛行機の国際線だけでなく、韓国の電車や地下鉄についてもメチャメチャ詳しい。
ソウルに昔住んでいた私も今の複雑な地下鉄路線図に頭がこんがらがっちゃった時は
「ヤマカワ君…」尋ねると
「○○駅でx号線に乗り換えです」と即座に返事が返ってくる。
ツアーのみんなもビックリ。
ナビ・ヤマカワと呼んでやって下さい…。

「ウィキペディアに書いてあります!!」がヤマカワ君のキメ言葉。
パソコンで一人で勉強しているのでしょう。
韓国は以前お父さんと行った経験が1回きりなのですが、そうとは思えない博識ぶり。
私が韓国語で質問してもたいていヤマカワ君は韓国語でちゃんと答えてくれます。


ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-ktx
ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-ソウル駅

このツアー2日目はとある田舎の集落でホームスティする事になっていました。
打ち合わせの電話通訳を私がしたのですが「大丈夫~、来てから決めてもなんとかなりますから~」という大らかなお言葉。
それが前日に慶州のホテルから窓口になってる人に電話したら「あれから連絡なかったんでなくなったと思った」と、ご当人も村を離れていると!!

つまり、

ツアー11人、、、明日宿無し決定。

わっはっは。あせる

ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-地下鉄2
ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-地下鉄

なんせ企画者が参加してない企画ツアーゆえ、様々トラブルがあり
もしやスタディツアーじゃなくてサバイバルツアーか?と思うほど。
あれこれ不満を募らせる私たちの一方で
地下鉄に乗れて、
本場の韓国料理を食べられて
「嬉しいなぁ~~」と感激しているヤマカワ君の姿にみんな我に返り「今」を楽しむ事を思い出したのでした。
ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-樋口さん
宮城県から参加のお坊さんの樋口さんと。帰国の3日後に大震災が。
連絡は取れませんがご無事であることを祈るばかりです。


人とのコミュニケーションが苦手と言うヤマカワ君。

「言葉の通じない所で上手くやって行けるかなぁ。。。」

去年の夏、ヤマカワ君と一緒に滋賀県内の日韓交流に参加した韓国語サークルのメンバーは

苦笑いな事でしょう。。。

キミは一人で韓国人の女の子達にガンガン話しかけとったがな!!

ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-ユンサン
ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-鳥鍋2

ヤマカワ君は慶州で一人で朝ご飯にカルビタンも食べに行ったし、
温泉場にも一人で行って来た。
看板や道路の案内の韓国語もサラサラ読める。
食堂では必ず出る時に「マシイッソヨ!(おいしいです)」「カムサハムニダ!(ありがとう)」と大きな声で挨拶。お店の人もにっこりしてくれる。
スタディーツアーの訪問先でも話を聞いて、とても熱心に沢山の質問もしました。
そんなヤマカワ君に助けられたり、癒されたり。
参加者の一人の企業の経営者の方が
「ヤマカワ君、ウチで働かない?」と言ってくれたり!!

おお~~!スゴイ!嬉しいなぁ。

「勝手に決めないで下さいよぉ~」と焦るヤマカワ君だけど
まだヤマカワ君自身が過小評価してる事、
ヤマカワ君の可能性はまだまだこれからだって事、
感じたんじゃないかなぁ。

それは障碍がない私たちとて同じ事。
障碍がなくたって人間関係は難しいんだよ、ヤマカワ君。
でもやってみない事には出来るかなんて分からない。
思い通りじゃないかもしれないけれど
君は君のやり方で、それでいい。

ニゴロブナ子は里山(さと)に帰らせていただきます!-旅

いつのまにか君の日常のこだわりは、
ちゃんと君の生きる能力として立派に機能しているよ。