代車をそのまま置き去り | 2リットルのCBR

2リットルのCBR

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砂の器 」 の次はこちら。


桐野夏生。



「きりのなつお」と読みます。


ではなくです。


俺と同じ「てんびん座」生まれ(笑)




「OUT」でドラマ化、映画化されたので


御存じの方も多いはず。




この「OUT」という物語は、


普通の主婦が亭主を殺し、その死体の損壊作業を


同じ弁当工場で働く主婦仲間が請け負うというもの。


その後、ひょんなキッカケで


ヤクザ紛いの男から「死体損壊」の仕事を


数十万の報酬で引き受けるようになる。



この本は、97年に出たモノですが


ちょうど10年後に歌織容疑者の「夫バラバラ事件」が勃発。


可織はこの本を読んでいたのだろうか・・・。






たった10年で日本の社会は凋落の一途を辿っている。


深刻化する凶悪犯罪、そして低迷する検挙率・・・。



その昔の日本だって「殺人」はあった。


しかし、その多くは”怨恨”によるものであったはずだ。


「快楽殺人」などもっての外。


また、「誰でも良かった」と人をホームから突き飛ばしたり


特急内の衆人環視の前で女性を犯したり・・・。



もう無茶苦茶です。


皆が皆、そうであるわけではないのだが


”無数”が”有数”になったことが問題なのだ。





今日おれは、一組の”糞野郎”を見た。


場所は某ホームセンター。


降りしきる雨の中、少しでも入口に近い場所を探したが


皆、考えることは一様に同じで、どこも一杯。



諦めて、少し離れた駐車場を目指そうとした瞬間!



俺の後ろに居た車が、横を掠(かす)めて


手前の”空いている”場所へ車を放り込んだ。



入口から近い場所に


一般の客が止められる場所などは残っていない。



やっぱり・・・



横を掠めていった車が放り込んだ場所は


「身体障害者用スペース」であった。


俺は確率99%で「健常者」が下りてくることを予想した。



黒いミニバン。


ローダウン。


お決まりの格好だ。



ドアが勢いよく開いた。


助手席は女だ。


金髪、ジャージ、サンダル、


それに腕に墨を入れている。




”人は外見で判断してはいけません”



幼少期に、そう教えられて育った俺だが


「人は見た目で判断しますよ」


これが、今のおれの持論だ。



そもそも、見た目とは


自分で考え、装飾するもの。


従って、マトモな人間は、この方向へはまず行かない。



①金髪

②ジャージ

③サンダル

④刺青

⑤黒のミニバン

⑥ローダウン

⑦身障者用への駐車



①~⑦までを個々に見た場合、


マトモな人も該当するかもしれないが


この7点セットは偶然ではない。


明らかに狙って自分を”そのように”装飾している。


刺青などが一番の意思の表れである。




昔のヤクザは何故、刺青を入れたのか?


それは、社会とは背を向け、


己を”半端モノ”だと位置づけたから。


そして、一般人とは相容れない”裏の道”を生きた。


だから、一般人には優しかったのだ。



しかし、現代の刺青を入れている人間の


”それ”は、ちょっと違う。



一般人と同じ流行りを好み、


一般人と同列に扱ってもらうことを強要し


その反対のところで、


一般人を威嚇するための便利な道具として、


墨などを利用している。


そこには何の美学も道徳もない。





反対側の運転席からは男が降りてきた。


こちらも、いわゆる”類友”だ。


俺の期待と予想はピタリと的中した。


男は、さっきの女と


ちゃんと ”釣り合い”が取れた格好であった。



その後、意味もなく、唾を吐き付け


ガニ股で店内へ入って行った。




気分の悪い物を見せられた俺は


気を取り直して、店内で買い物をした。


そして、その帰り、またもや


さっきのDQNカップルと同期してしまった。




カップルは代車を押していた。


俺はひとつの”賭け”が閃(ひらめ)いた。



「あの代車、元に戻すだろうか?」



我ながら、楽しい”賭け”だ(笑)



何やら長い段ボールを乗せている。


組み立て式ロッカーか何かか?!



店を出て


一番近い「身障者用スペース」に代車を寄せた2人は


何やら大声で会話している。


よく聞き取れないが、楽しげだ。



そして、車のハッチバッグが締まる音がした。


すると、タイヤを鳴らし発進。


辺りには、ドライバーの心と同じ


排気ガスで淀んだ空気が漂った。




そして、一台の代車が


そのまま斜めに、隣の身障者用スペースを塞いでいた。


俺は降りしきる雨の中、


身障者用スペースに転がった代車を


”所定の位置”に置いた。




日本には、


代車を置き去りにした人間を取り締まる法律はない。


身障者用スペースに止めた人間を断罪する術もない。



道徳、恥、マナー・・・





皆さんは、蟻の習性って知ってますか?


昔、教育テレビで見て感動したのですが。



基本、蟻は働き者です。


しかし、10匹の蟻が一緒に仕事をすると


かならず1匹だけ、怠ける蟻が出てくるそうです。


そして、その怠け蟻を排除し


残り9匹で仕事をさせると


必ずまた1匹だけ怠ける蟻が出るそうです。


以下、最後の1匹になるまで・・・。



つまり、こうです。


俺を含め、一般の人は「働き蟻」なんです。


そして、今日のカップルは「怠け蟻」なんです。


ということは、今日のカップルを排除した場合


俺も怠け蟻になる可能性があるということか?!



イヤイヤ、それはない。


なぜなら、人間には「恥」と「道徳」があるから。


では、今日の彼らは人間ではない?!



いや、きっと、今日の彼らにも


「恥」や「道徳」はあるのだと思う。


自分たちが普段行っている事と同じことをされたら、


彼らはきっと激高するだろう。


それでも、相手の立場などには立たない。



なぜなら、天上天下唯我独尊だからである。




いっそ、「アイ(哀)ランド」を作って


道徳心やマナーのないものだけを集めて


暮らしてみたらどうか。



きっと、それはそれで


”最凶”な蟻と、”一般の蟻”が出てくるのだろう(笑)