いぬのえいが | あごひげ兄ちゃんのスクラップ帳

いぬのえいが

うちは8歳の犬(女の子)を飼っています。
父も母も家族の一員として可愛がっていて、犬の番組のエアチェックは欠かしません。
いいお土産になるかなと思ってこの映画のDVDを借りました。



感想ですが、泣けます。
犬を飼っている人なら自分の犬へ投影してしまって泣くと思います。

でも映画そのものに対して泣けるかというと、正直微妙かも。

出てくる人物がCMディレクターとかミュージカル劇団員とかお嬢様とか、いかにも「ふだんお洒落なドラマを作ってるTV局が考えました」的なバタ臭い設定で、けっこう感情移入しづらいです。
小西真奈美が田舎のパン屋さんをひとりで継いで暮らしているというのもすごい違和感。
男性が女性にアプローチする手段が常にストーカー的なのも、私も男性なんですが引きました。
中村獅童がスポンサーや女優のマネージャに振り回されている下りやバウリンガルの開発者の話は笑えましたが、少々「取って付けた」感が拭えませんでした。

最後の宮崎あおいが出てる「ねえ、マリモ」は絵本の映像化らしいのですが、ちょっと長すぎ。
もう少し簡潔にまとめられれば泣けたと思いますけど途中で醒めてしまいました。
演技も映像もよかったのに演出で台無し。勿体ないなと。

この映画は数人の監督がリレー形式で作ったオムニバスらしいです。
犬に限らずペットと人間は寿命が絶対的に違いますから、「死による別れ」は永遠のテーマですね。
でもそれが全体としてうまくリズムを作れていなかったのは残念。

この映画に限らず全体のさじ加減をうまく行って「ひとつの娯楽」にまで昇華しているオムニバス映画は、僕の知る限りはあまりありません。
オムニバスは映画好きにとって新進作家を見るいい機会なのでヒットしてほしいんです。
この映画はけっこうヒットしたらしく第2作が作られるという事なのでそのあたりも次回は期待しています。