てんさんからリクエスト頂きました。
詳細は後日公開致します。






******


今年で23歳の入社3年目宙ぶらりんなOLです。
一部上場の会社に務めてはいるけれど、あまりそんな実感なくて。
与えられた仕事をきちっとこなし、新たに仕事を見つけて手を付ける。
手際がだいぶ良くなりましたが、入社当時から変わらないそんな毎日です。
業務についている時間を苦痛と感じたことはありません。
ただ、公休の土日や早い時間での帰宅後なんかは時間を持て余して仕方がなかったです。
年中無休で駆け回ったバイト暮しだった頃からは考えられない程の、有り余る時間。
最近では一人で過ごす休日ということを覚え出しました。
勿論、数は少ないですが友人もいます。
その友達と遊んで食べて飲んでと、時間を合わせて楽しんでいます。
大人になって一番に上げられる良かったことは彼女達と時間を気にせずいられるようになったことでしょうか。
その中でもお酒で失敗したことなんて、指で数えられる程な私です。
元来警戒心の強い気質だったから、そんなに羽目も外さない。
・・・・・・はずだったのですが、やらかしてしまいました。
宇宙船に持っていかれたの?と問いただしたくなるくらい・・・・・途中から一切の記憶が・・・・・ゴザイマセン。



見知った部屋。
見知ったベット。
見知った・・・・・・・先輩。



ぼんやりとお酒が色濃く残る頭は思考が上手く巡りません。
なんなら昨日のやっすいお酒が見せた幻覚なのかとさえも思います。

そうであったら良いな。
そうに違いない。
きっとそう。

自分に掛けた魔法に誘われて、もぞもぞと掛け布団から出した手で彫りの深い輪郭をなぞります。
幻覚にしては鮮明な感触に営業第一部門でNo1と誉れ高き先輩の幼子のような寝顔に、ふふふっと思わず吐息を出して笑ってしまうのはご愛嬌でしょう。
歳は4つ程しか離れていない方なのですが、その美貌、その手腕、その佇まい、どれをとっても我が社の営業のエースとしての名を欲しいままにしています。
私の所属する営業第二部門は部門名こそ連なっていますが、実際は名前と顔も一致しない方が多いほど、彼所属の第一部門と距離があり、実際の面識など無いに等しいのですが・・・・・
私もその高い認知度の一端を握る一人なので、一方的に彼の人となりを知っています。
春の日差しのように穏やかな敦賀 蓮。
そんな高尚とさえも称することができる人が、この幻覚に出て来た理由はただ一つでしょう。


昨夜の部門交流の飲み会。


そこでの二次会がよくわからない合コン状態になったのです。
ターゲットは何故かフリーをアピールしていたこの敦賀 蓮という人。
目の色を変え群がる先輩・同期・後輩に、あまり色恋に興味のない私は嫌気がさし、その気持ちをぶつけるべく可愛らしいジョッキに入れられたハイボールを煽りました。
前にモー子さんが飲んでいて美味しかったジンジャーの入ったそれは口当たり良く・・・・・・私の記憶を宇宙船へと誘いました。
最後に見た光景は、敦賀 蓮が沢山の女の人に囲まれている姿。
そうぼんやりと記憶の尻尾を探していると、自分ではない声に現実世界へと戻されます。

「触ってて楽しい?」
「楽しいというか、気持ち良いというか。・・・・・・!!!」
「おはよう、最上さん」

その時の私の反応がお気に召したのか、まるで魔王のように悦が入った微笑みを携える先輩。
ガチっと固まってしまった私の頬を撫でるべく布団から出てきた腕によって、気付こうとしなかったことを無理やりに気付かされて・・・・・しまいました。







私たちが・・・・・・衣類を纏っていないという事実に。










******
大人のキョコさん