賢いお母さんは、子どもや夫をしっかりみつめています。
残念なお母さんは、家族から話しかけられてもうわのそらで、スマホやテレビを見ながら、子どもや夫の顔もみないで返事をします。
忙しい現代ですから、やむを得ない部分はあります。
携帯電話の画面を見ながら、料理をしながら、顔を見ないで会話することもあるでしょう。
私は、患者さんと話をしながら、肌を含む全身をよく観察しています。
具体的には、左手や耳です。
あなたが男性なら、あなたの奥さんや彼女の左手に何個ほくろがあるか、知っていますか?
実は、左の肩から左手の指先まで15個以上のほくろがある人は、乳がんになりやすいのです。
ほくろの少ない女性にくらべて、多い女性では、その数が増えるにしたがって乳がんのリスクが増えます(Nurses' Health Study)。
エストロゲン(女性ホルモン)の作用が強すぎると、乳がんになりやすくなります。
ほくろの多い人はエストロゲンの代謝がよくないので、乳がんになりやすいのです。
あなたが女性なら、あなたの夫や彼氏の耳をみてあげていますか?
耳たぶにこのようなシワがある人は、心筋梗塞や脳梗塞などの血管の病気になりやすいのです。
(図 「病気が長引く人、回復がはやい人」(江田証 著)より引用)
このサインはかなり正確な病気のリスクのサインです。
この耳たぶのサインがある人で有名な人はブッシュ元大統領です。
「感度」(心筋梗塞になった人で、この耳のサインをもっている人の割合)は、48%もあります。
「特異度」(心筋梗塞になった人で、この耳のサインがない人の割合)は、88%。
名探偵シャーロックホームズは、死体についたわずかな毛糸などを頼りに、真犯人をさがしあてます。
あなたも、愛する人の「シャーロックホームズ」になって、病気のリスクを教えてあげよう。
愛するということは、よく見つめてあげることなのです。
医療法人社団信証会 江田クリニック 院長 江田証