バッハ「G線上のアリア」

 

小澤征爾さんが亡くなりました。

 

88歳で死因は「心不全」でした。

 

小澤さんは偏見とたたかった人でした。

 

小澤さんが世界にデビューしたころ、「日本人にバッハがわかるのか?」という偏見が欧米にありました。

クラシック音楽は欧州で生まれた音楽です。

それが、東洋人などにわかるものか、といううがった見方があったのです。

 

英雄とは、最初から英雄ではありません。

偏見とたたかって、勝利したものが英雄になるのです。

 

彼のなかにはいろいろな怒りがあったのだと私は推察します。

その怒りを、暴力や不平不満で晴らすのではなく、アートとして昇華し、自分の力で正当な形で世界に納得させたところに小澤さんのすばらしさがあるのです。

 

だれもが若いころ、感じた怒りや憤り、世の中の不条理について、悩んだことがあるはずです。

たいていはそれが「核」となって、人は人生をつくっていくのです。

意識しているか、していないかは関係ありません。

フタをしていても、その核となるマグマは、人間の根っこにずっと存在するのです。

 

あなたが、本当に自分の人生でなしとげたいことはなんでしょうか?

人生の初期にあった、どんな体験が今のあなたを作ってきたのでしょうか?

 

今日は祝日です。

 

今日は小澤征爾さんの音楽を聴きながら、そんな問いをみずからの心に問うてみてください。

 

小澤征爾さんの音楽と姿を感じながら、自分の人生について振り返ってみよう。

 

医療法人社団信証会 江田クリニック 院長 江田証

 

The New York Timesでも、小澤征爾さんの死去が大きく報道されています。

 

Seiji Ozawa, a Captivating, Transformative Conductor, Dies at 88 - The New York Times (nytimes.com)

 

小澤征爾さん追悼 津で新日本フィルが「G線上のアリア」演奏|NHK 三重県のニュース