一度は絵画教室を辞めましたが、また藝大卒の先生のクラスに戻っています。
クラスではルーカスを描いているのですが、ルーカスはモチーフとして最難関クラスの猫です。
写真では黄色に写ってしまうのですが、ちょっと黒っぽいクリーム色です。
これが白や黒、三毛のような色だと描きやすいのですが…。
クリーム色のようなピンクのような白のような色で描いているのですが、やっぱり難しい…
先生がちょいちょい手を入れてくれます。
顔をまず決めないと駄目だということで、目を描いてみたのですが、こっちでまたてこずっていました。
先生が明るい黄色と紫、緑を混ぜると写真のような目の色になるんじゃないかと言いました。
「猫の目は黄色なの?」と先生が聞くので、
「いや、オレンジ色」と言うと、
「じゃあオレンジ色にしないと」
先生が席に座って修正し始めました。
「見てないから分からない…」
そうつぶやきながらも、描いていきます。
驚いたことに、明るい黄色になっている目の色に、ちょっとずつ赤っぽい色を加えて濃い黄色に微調整していくのです!
「オレンジ色って、どういう色?」
「カドミウムイエローディープっていう感じ」
またちょっとずつ瞳に赤みが加わっていきました。
「あ、今、ここ、ここ!」
と私が言うと、目の中のその他の部分を修正して、もう一方の目の色も同じ色で仕上げてくれました。
凄い…。
全然見たことがない瞳の色を再現できるなんて…。
今まで私は、自分が見たことのないもの以外は理屈としては描けると考えてきました。
ところが、見たことのないものでも描ける人種が存在するのです。
藝大院卒の画力は凄いと思いました。
(藝大の名を背負うのが恥ずかしいような人も世の中にはけっこういる)
これだけの画力があれば、他に何もなくても愉快に生きていけるような気がする。
私は画力が低いので、絶えず焦って、描かなければいけないという強迫観念に駆られています。