気を失った太郎が目を覚ますと、あたりは真っ暗な闇に覆われていました。
「そうかぁ、俺は海の主に喰われて海の底に連れて来られちまったのか」
そんな事をつぶやいていると、遠くの方にチラチラと瞬く光があることに気づき、太郎は、
‘海の底ってのは、こんな風になってんだなぁと考えていました。’
どれ位経ったか分からない時間が過ぎた頃、眼前にはとてつもなく大きなトンボ玉のような物が現れました。そしてトンボ玉はどんどん大きくなり、ついには、太郎を喰った海の主を飲み込みそうになりました。
恐ろしくなった太郎は目を瞑り、
「ナンマンダ....」
と祈り続けました。
暫くの後、ガクンッという衝撃を受けて顔を上げると、
辺りは、奇妙な建物が並ぶ街でした。
「あんれまぁ・・・なんだやここは・・・」
そうつぶやくや否や、突如太郎は、ドサッと、亀のような物体から吐き出されました。
太郎が面食らっていると、周囲から、タコのようなイカのような姿をした生き物が擦り寄って来て、太郎を大きな建物の中へ引っ張っていきました。その建物は、太郎の故郷にある城よりも大きな建物でした。
建物の中には、やはり、タコのようなイカのような生物や、ナマズのような形をした生物など、なんだかヌメっとした感じの生物がたくさんおり、ざわついておりました。
どうやら、その生物達は、太郎に危害を加えるつもりは無いらしく、逆に歓迎すらしているようでした。
そうこうしているうちに、その建物の責任者らしい生物が太郎の前に現れました。
責任者らしき生物は、やはり人間とは似ても似つかない様相であったが、表面の質感が、妙にツヤっぽい感じがしたので太郎は?
‘女か?女なのか?よしっ、女だと思う事にしよう!’
と決めました。
つづく