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「らぽーる」日誌

離婚と親子の相談室「らぽーる」の日々を綴ります。

~日本リザルツ ブログより~

http://resultsjp.sblo.jp/article/163811131.html


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離婚と親子の相談室「らぽーる」開業に向けて、着々と準備が進んでいます。

私がこの事業に関わるようになって一ヵ月程経ちましたが、子どもの連れ去りの問題や、他の先進国と比べて圧倒的に遅れている日本の面会交流の現状など、毎日多くのことを学び、驚き、考えさせられています。

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開業に向けて、機器の買い出しから、パソコンや電話のセッティング、リーフレットとホームページの準備、テキストの作成まで、日々やることが盛り沢山で悪戦苦闘中です。ただ、新たな事業の起ち上げに携わることは、ゼロからものを作り出す面白さがあります。

リザルツは国際NGOですが、アフリカの栄養不良を改善することも、中東の平和を構築することも、日本の親子断絶問題を解決することも、人々を理不尽から救う、弱い立場にいる子ども達に手を差しのべるという意味では、何も違いはありません。

離婚と親子の相談室「らぽーる」、もうすぐ開業です。
(大崎)

ご近所のケーキ屋さんの前を通った時、「モンブランはじめました」と貼紙をしてあるのを見つけ、秋の訪れを感じたのと同時に「それって、『冷やし中華はじめました』のアレンジ?」とふき出してしまいました。

というわけで(どういうわけ!?)、間もなく動き出す「離婚と親子の相談室『らぽーる』」では、中立の立場の弁護士をはさんで、両親が離婚する際の子どもの面会交流について、「共同養育計画合意書」を作成するADRを実施するのです。
「ADRはじめました」という貼紙をするかどうか、冗談でなく本当に少し迷っています。

ADR(裁判外紛争解決手続き)について、離婚や別居を考え始めた方にぜひ知って欲しいし、夏の訪れ=冷やし中華、とか、秋=モンブランのように、離婚=ADRで共同養育計画合意書、と連想していただけるように、貼紙は効果的なアイテムかもしれません。(鈴木)

ADR:イラストにするとこんな感じです。詳しくは近日中にご案内します。





先日8月22日に、北区赤羽会館で行われた、子どもたちと、弁護士がつくるお芝居「家族のカタチ~親と離婚と再婚に伴う子どもの苦悩と子どもの手続き代理人制度~」を見に行ってきました。

 父親は家庭より仕事重視。浮気・DV・ギャンブルなどは一切していない、いわゆる真面目なサラリーマン。ただし、細かいことが欠点。一方母親も、仕事人間であるがゆえ、家事においては一切無頓着なタイプ。子どものことがあり次女出産後は仕事から一戦を退いた。
 というごく普通の家庭が、性格の不一致から、母親が離婚を決め行動にでる。そんななか、子どもたちの渦巻く思いは、吐き出せないまま沈没船のようにしずんでいく。
 その声を、すくいあげるため、『大人たち(子ども手続き代理人)が走り出す。』といったストーリーでした。
 
 離婚に至る、子どもの本音は、とてもよく表現されていたと思います。特に印象的だったのは、「パパとママ、どちらも好き嫌いじゃない。どっちも大切なんだ。」「パパとママの離婚はいくつになっても寂しい。心がぽっかり穴が開いたまま。」です。自分の子どもと照らし合わせてしまい、思わず涙がこぼれました。

 今回の設定では、父親が働かない・借金ぐせ・DV・浮気性等と、特に問題のない場合の子どもの気持ちですが、仮に問題(働かない・借金ぐせ・DV・浮気性)のある父親でも、子どもの気持ちは同じだと思います。

 今までの調停や裁判では、子どもが、ないがしろにされがちの中、子どもの本音(不安・孤独・寂しさ・自己嫌悪)を、東京弁護士会子どもの人権と少年法に関する特別委員会が制作し、お芝居までにしたことは、とても大きな一歩であり、画期的なことです。

 しかしながら、子どもの手続き代理人が、両親の弁護士と一切関係のない弁護士で設定していかないと、子どもの手続き代理人制度も、無意味になるケースもあると思いました。
 また、弁護士の先生がたも、離婚調停・裁判では、勝ち負けでなく、皆にとっていい結果を出すことを、目的としていかないと、全く無意味な制度です。 
あえて勝ち負けで分けるとしたら、『自分の都合のいい主張ばかりする場合には、親権も得られなく負けとなる。』という位の仕組み作りは必要かと思います。

 そして、子ども手続き代理人には、弁護士でありながら臨床心理士並みのクオリティも必要とされると思います。もしくは臨床心理士とのペアで行っていくことで、名前ばかり形ばかりでない、本当の意味のある、子供も手続き代理人制度といえるのです。

(お芝居後のアンケート記入の際には、上記のことをしっかり明記して、東京弁護士会の方に直接渡してきました・・・。)

 子どもが両親の離婚によって深く傷ついているのに、子ども手続き代理人の方までも、事務的な対応だったり、どちらかの親に偏りがちだったら、『子供にとって、はかり知れない傷になるということ』『子どものその後の人生を大きく左右してしまうということ』を肝に命じて、子どもに寄り添い対応してほしいと願います。

 そして最後に、やはり一日も早く共同親権制度になることは、深く願うばかりです。
 らぽーるの開設に向けてと準備が進んでいますが、親教育プログラムと共に、弁護士の先生方の意識改革も、とても重要であることを、さらに痛感した一日でした。(H・K)
8月26日(水)19~21時、離婚と親子の相談室「らぽーる」 第二回事例勉強会を開催いたしました。
(第一回の様子はこちらをご覧ください。http://resultsjp.sblo.jp/article/158143668.html
「らぽーる」に関わる弁護士5名、面会交流支援者3名、大学院教授1名、大学準教授1名、マスコミ2名の12名の専門家、有識者にご参加いただき、加えてリザルツ関係者5名の合計17名で、初回に続いて今回も内容の濃い白熱した議論が展開されました。
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今回は、相談業務に次ぐサブメインの事業となる「ADR」についての話し合いをじっくり行いました。専門家が集まると、私などが思いもよらない想定が出てきて、大変勉強になりました。
議論の流れについていくのに夢中になっているうちに、あっという間に2時間が過ぎていました。
まだまだもっと詰めていくべきことがあり、また、第二回事例勉強会で表出した新たな課題もあり、大至急のお仕事もあり…、帰宅して休んでいる夢の中でもあれこれと考えていたのか、翌朝起きたらぐるぐるとめまいがしました。(笑)
もう若くないので、体調を整えて、まわりの協力を得ながらきっちり準備していきたいと思います。(鈴木)
7月27日(月)19時~、離婚と親子の相談室「らぽーる」 第一回事例勉強会を開催いたしました。
「らぽーる」に関わる弁護士6名、面会交流支援者3名、家政学教授1名、マスコミ1名、当事者団体創設者1名の12名の専門家にご参加いただき、加えてリザルツ関係者6名の合計18名で、初回から内容の濃い白熱した議論が展開されました。
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事例勉強会は、毎月1回行う予定で、都度、事例を取り上げて対応について協議したり、よかったことや反省点を述べ合うなどして共有し、経験値を高めていくのが目的ですが、まだ相談室開業前であったり、先駆的な取組みでもあるので、第一回目はいろいろな想定の下での話し合いとなりました。
各方面の専門家が集結されたわけですから、想定も奇想天外で、内容が深くて濃くて、大変勉強になる「第一回事例勉強会」でした。

私からは、初めに「らぽーる」で何をどう始めたいか、皆さんにどうご協力いただきたいかを、個々にはお話していましたが、再度ご説明しました。
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早川忠孝先生から「これは、日本の文化を変えるような大きな仕事」というお話をいただきましたが、それがずっと耳に残っています。
厚生労働省から助成が下りるかどうかは、あと数日で決まります。その可否によって、事業規模もやり方も、何もかも考え直さなくてはなりません。
早川先生がおっしゃったお言葉をお借りすると、離婚と親子の交流については、「日本の文化」の実情はすでに変わろうとしていて、今の法律や制度の枠に収まりきれなくなっています。そこに生まれるひずみを解消するような取り組みを成功させることで、「日本の文化を変える」法律や制度は後からついてきて整ってくるものかもしれません。そうなると、マスコミでの報道も増え、広く人々の知るところとなり、新しい「日本の文化」として根付くことでしょう。
今回の第一回勉強会で、「日本の文化」を変えたい思いはすでに私だけのものではなく、こんなにたくさんの優秀な専門家集団の思いでもあることが確認できました。
この思いを具現化する道が開けますようにと願って止みません。(鈴木)
ひょんなことから、1年ぶりの親子の面会交流に付き添うことになりました。
リザルツで立ち上げる「らぽーる」では、面会交流中の付き添いや、お子さんの受け渡しなどの支援は原則行わない方針です。なぜなら、DVや精神疾患、薬物中毒、児童虐待などの特別なケース以外は、自分たちでやりとりして、子どもがストレスなく行き来できるようにすべきだ、"普通の"父母間に毎回仲介を入れていると、経済的にも負担が大きかったり、やりとりにも疲弊してしまい、頻繁で継続的な面会交流ができないのでは…という考えを基本とするからです。
では、依頼があった場合はどうするか…?
考えに考えて、信頼できるところをご紹介し、状況に応じて、オブザーブさせていただく、ということにしました。
そこで「ほいくさぽーと」にご協力いただくことに決め、お話を持ちかけたところ、快くお受けいただけました。
「ほいくさぽーと」は、保育のプロが携わっておられて、利用者との契約等もしっかりしている点等に信頼が置けると思いました。

日曜日は、いよいよその面会交流の付き添いのオブザーブの日だったというわけです。
都内某公園で10時に待ち合わせ。10時数分過ぎに、ママが第二子を連れて現れました。第一子は嫌がって連れて来られなかったとのこと。第二子も買い物に行くと言って連れ出したとのことでした。
はじめは、ママの側を離れなかった第二子を、ママがスタッフと話している間に、バイキンマンの真似をしたりしながら少しずつママから離れることに成功し、ママはお買い物に行くと告げて公園を去りました。
すぐにパパに電話をかけ、5分ほどでパパが現れました。
第二子は、驚くこともなく喜ぶこともなく、いつの間にか受け入れて、パパが持ってこられたおもちゃやボールで本当に楽しそうに遊んでいました。
ママは第二子がパパを覚えてないかも、とおっしゃいましたが、様子を見ていて確かに覚えていたと思います。 パパが来てから第二子は急におしゃべりになりましたし、最初のうちはパパから逃げたりもしましたが、逃げ方が"鬼ごっこ"のそれで、半ば笑いながら逃げていましたから。
パパが帰る際は、少ししょげた表情で顔は見ずに手を振っていました。

1年ぶりの親子の再会は感動的でした。1年前に行っていた親子独自のコミュニケーション法でやりとりして笑ったりもしていました。
第三者が少しだけ手を貸すだけで、貴重な親子の時間を持つことができるなら、軌道に乗るまで面会交流支援を行う意義もあるのかなぁ… 頭で考える理想と現実にはいつだってギャップはありますね。
それにしても、親の都合で子どもが一方の親に会えなくなったり、会う時間を大幅に制限されることは、子どもに申し訳ないことだなぁ~と改めて感じました。
次回は第一子も来れるようにするにはどう話を進めていくか、知恵をしぼってアイディアを出し、専門家のアドバイスも得て、良好な親子関係を再構築するお手伝いをしていきたいと思います。(鈴木)
先日 夜九時に急に元夫から子どもたちに連絡がありました。
なんでも三男の誕生日の日に仕事が休めないから、早めにプレゼントを渡すためと。

三男の誕生日プレゼントとわかっていても、三人してゾロゾロ行きます。
15分程度ですが、子どもたちは嬉しそうに帰宅してきました。

大人の私たちは、『たかが15分?』『たった15分!』ときっと思うと思います。
しかしこれは、大人の感覚なんですね。
子どもにしてみれば、『たかが15分』『たった15分』も嬉しいのです。
良くも悪くも、子どもは今を生きる天才!!です。

そんな話しを知人にしたところ、それは普段から頻繁に会っているから「15分のおまけ」もうれしいのだと言われました。
たとえば、一年以上も会っていない親子だったら、15分でいったい何ができるでしょう。ぎこちなさを埋めることすら、15分ではできません。
何年もかけて、面会交流の調停を何度もやりなおして、やっと得られた親子の時間も、それが月1回2時間では、毎回ふりだしから始めなくてはならず、せっかくの親子水入らずの時間も間がもたなくて、再び面会交流が途絶えてしまうことがあるのも、何となくうなずけます。

元夫と子どもたちの楽しい「おまけの15分」は、ずっと積み重ねてきた親子の時間の上に成り立つ、重みのある15分であることをはじめて知りました。
すべての親子にとって、楽しい「おまけの15分」が実現するように、どうぞ、同居親の皆さんも裁判所も、可能な限り頻繁で継続的な面会交流を認めてあげてください。(HK)
母子家庭の事件のニュースが後を絶たないですね。
母子家庭と聞く度に、胸が締め付けられる思いです。
特に千葉県銚子のニュースは、涙がこぼれました。
http://www.chibanippo.co.jp/news/national/216108
どんな事があっても、手を下してしまうことは、決して許される事ではないけれど…
母親は極限まで追い詰められてしまったのだと思います。

そして、ひとり親家庭の子どものニュースのたびに耳にするのが「行政の対応」という言葉です。
「もう一歩踏み込んだ対応をしていれば…」、「横との連携が取れていれば…」

「行政の対応」といえば、私が離婚後に子育て福祉課に母子家庭申請に行った際に、「頻繁に父親と合わせていると、離婚したと見なさず、母子家庭手当をカットしますから。」と言われた事を思い出します。子育て福祉と名乗っているのに、子の福祉という観点からかなり外れた発言だと感じたのです。

確かに銚子の事件は「行政の対応」が責任を問われるべきでしょう。

母子家庭の事件でもう一つ思うことは、別れた父親はどうしていたのだろうということです。
離婚しても親は親。それを自分の離婚を通して、子どもたちから教えられた私は、そこにも疑問を持ちます。

離婚したからと
養育費も払わず、全く子どもと関わろうとしない人。
養育費の受け取りを拒否し、子どもをあわせない人。
養育費だけは受け取り、子どもにはあわせない人。
養育費は払うけど、子どもとは関わろうとしない人。
私は、どれも違うと思っています。

離婚したからといって、責任を取らなくていいのでしょうか?
離婚したからといって、片親にあわせなくていいのでしょうか?
離婚して親権を取れなかった親は、親でなくなるのでしょうか?

子どもの健全な成長には、両親を含めたより多くの温かい眼差しが必要と誰もがわかっているのに、なぜ離婚家庭の子どもを、そこから切り離してしまうのでしょう…
離婚した子どもほど、両親を含めた多くの温かい眼差しが必要なのに。

両親の離婚により、生活が困窮したり、虐待や育児放棄で子どもの命が亡くなること、これは絶対にあってはならないことです。
そして両親の離婚により、子どもの心身が健全に育まれなくなってしまうことも、考えていかなければならない重要な問題です。

それには、離婚しても親は親であるという意識の啓蒙と、親として感情と行動を区別すべきと(どこかで誰かが)訓えることは、とても大切だと思いました。

そして親へのアプローチとは別に、行政への働き掛けもとても重要です。
日本リザルツは政策提言をするNGOです。活動の重要さと緊急性をいま身にしみて感じています。(H.K.)
「親子断絶防止」の活動に縁あって参加させていただいています。
私は3人の子どもを監護する母親です。
6月15日が近くなって思い出すことがあります。
あれから2年・・・。
忘れもしません。子ども達それぞれから言われた言葉。
「なんで最近パパと会えないの・・」

当時離婚するにあたり別居していました。
離婚しても養育費を払わないという元夫の言葉に腹をたてた私は、別居以来3ケ月間子どもとあわせていませんでした。

そして3ケ月後に子どもから言われた「なんで最近パパと会えないの・・」という言葉に、私は言葉を失ったのです。

同居していた際は子どもたちそろって「パパなんて嫌いだ!」と言っていたのに…絶対に私の味方だと思っていた子どもから言われた言葉でした。 

涙がでてきました。
自分は何をしているのだろうか! 
私はなんて事をしたのだろうか! 
飲めないお酒を夜通し飲み続け、泣き続けました。

翌朝一番で元夫に連絡し、「子どもたちが、あいたがっている。」「これ以上子どもを巻き込むのはやめよう。子どもとは自由にあっていいから、離婚届にサインして欲しい。」と伝え、そのまま仕事で長野に一泊で行き、東京に戻った翌月曜日に離婚届を提出しました。

あの時、素直に自分の思いを表現してくれた子どもに感謝するとともに頭があがりません。様々な感情はあったけど、今は、子どもと父親が自由にあえるようにしてよかったと心から思えます。

京都・奈良の修学旅行に行ってきた長男が、お土産を父親に渡すため、本日子どもたち皆で、父親とあっています。そして「ただいま!」と元気に無邪気に帰宅してくる姿が、何より幸せを感じる日です。(H.K)