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「らぽーる」日誌

離婚と親子の相談室「らぽーる」の日々を綴ります。

第2回親教育プログラムのリーフレットが完成しました。
サブタイトルは~充実した面会交流のために~です。
12月25日19時から補講もあります。その他、個別対応も行っております。

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監護親として、ただただ思うのは、子どもには面会交流が必要だということです。片親しか知らないで育った子は、自分が分からなくなることが多くあります。充実した面会交流を頻繁にしてると離婚しても「どちらの親からも愛されている」という安心感=自己肯定感を育むことができるのです。

私たち親が思っている以上に、子どもは自分が片親になってしまったことを、複雑な思いでいることを忘れてはならないと思います。

充実した面会交流を頻繁に行うことは、親の都合で片親にさせてしまったせめてもの配慮だと思います。
ともすれば、受けいれたくない面会交流。気持ちは監護親として分からないでもないですが、ここは気持ちを切り替えていくこと、子どもは自分の所有物ではないということを心にとどめておくことが、自分(監護親)の心の貯金につながると思うこのごろです。(HK)
この数か月は、公私共に様々な年齢層の親御さんと、沢山お話する機会がありました。

その中で感じたのは、母親が自分の不安や空虚感を埋めるために、子どもに愛情を注ぎすぎてしまい、過干渉(=子に対する支配)を、してしまう方の多いことです。

子どもに愛情を注ぎすぎてしまい、過干渉(=子に対する支配)親御さんの多くは、単独でお子さんを育てている方や、配偶者の方と上手くいってない方に多く見受けられました。

また逆に、子どもの事に全く関われない人(=ネグレスト)もいます。各家庭で、自分の子どもに十分な関心がはらえる事に越したことはないのですが、十分な関心がはらえない背景には、貧困・虐待・DV・親の精神疾患など、親も困難な状況にあることが見受けられました。

子どもに愛情を注ぎすぎてしまい、過干渉(=子に対する支配)の親御さんに育てられた子・子どもの事に全く関われない(=ネグレスト)親御さんに育てられた子、どちらの場合でも、子どもは学力低下・気力低下・異常行動・自己肯定感の低い子になります。

どちらの場合でも、親が大変な状況にあるとき、その子どもも過酷な状況に追い込まれてしまう仕組みがこの社会にはあります。

生まれ育った家庭に左右されない、子どもたちを守るための制度や仕組みが早急に必要です。そして制度や仕組みを整えていく一方、私たち大人一人一人が担う、「子どもを真ん中においた社会の風土づくり」も考えていくことが重要な課題だと思います。(HK)

現在私は、母子家庭の子に学習指導を行っています。
下は小学校1年生から上は高校1年までいます。

不登校になった子どものことで、お母さまから私に相談されたのがきっかけです。
家から一歩も出ないよりは、少しでも外に出ることをすすめ、私のところに来るようになりました。

昔と違って、学校が全てを賄ってくれるわけでなく、学力UPには親のサポートが必要な時代、親のサポートがないと、学力が高くないことは、多く見受けられます。

その子が私のところに通い、ずいぶん慣れて、心を開いて来てくれたころ、その子からポツリと出たことば・・・

「私のお父さんは、私の事きっと嫌いになったんだと思う。私なんてどうでもいい人間なんだ。」
「今までは、私や〇〇(下の子)の誕生日・クリスマスには、テーマパークのチケットを送ってきていたのに、急に送って来なくなった」と言って来ました。

「そのチケットはお父さんからだよ。とお母さんが言ってたの?」と聞いところ、「ううん。お母さんは一度もお父さんからだと言ってない。でも絶対にお父さんだと思っていた。」

「会えなくても、誕生日・クリスマスに送ってくれるのが、私の事も大切にしてくれていると思えてすごく嬉しかった」

「でも、この間のクリスマス・私の誕生日には何も送って来なかった。だからお父さんは私のことなんて嫌いになったんだと思う」
「別のお母さんの子の方が大切なんだよ。」

「子どもの事が嫌いになる親なんていないよ。まして会えない子ほど、子どもに対する思いは強いものだよ。きっとお父さんなりの事情があったからだと思うな。」

私はお母さまから、元ご主人が、そのテーマパークで働いていたが、数か月前に退職し故郷へ帰ったと聞いていたので、その理由で送って来れなくなったことは、直ぐにわかりました。


翌日には、お母様と会い、お母様にお子さんとのやり取りを伝え、「ずっと一人で抱えてきたね。元ご主人や実の妹の悪口も一度も子どもには言わないできたね。それは本当に立派だし偉いよ。」とも伝えました。泣き崩れたお母さま。

その後は、お母さまは全てお子さんに話し、お子さんは現実を受け入れるのに時間もかかっています。

共同養育制度だったら、この親子の人生もまた違っていたと思います。離婚してもずーとパパとママでいてね。子どもの本音だと思います。

そんなこんなしている間に、日本ではまた一組の家庭が離婚しています。


少し前の話しですが、三男の習い事のキャンプに引率したときのことです。
あるちょっとした事件が起こりました。

子どもたちは、みんな同じ部屋で寝泊まりし、同じものを食べています。
ある子どもが一人嘔吐をしました。一時間後また一人嘔吐。12時間後には、次々と嘔吐する子が出てきました。嘔吐するのは子どもばかり。本来の集団感染なら大人も嘔吐がでます。
長男が幼稚園年長からの習い事のため、この習い事歴が長い私は、なぜか嘔吐処理係。私は何も感染しなかったです。

この後に、父親が引率の子と、母親が引率の子とはっきりと明暗が分かれました。

嘔吐が発症した子は、みんな母親の引率の子ばかり。
嘔吐の出なかった子は父親が引率の子か、引率に両親どちらも来なかった子です。

ノロウィルス?胃腸炎?食中毒?感染する。感染したら大変。この後の行事が・仕事休めない。と様々な思いを巡らせてしまった母親の引率者。感染するまで考えなかった父親の引率者。

面白いですね。近くにいる親の意識の通りに、子どもは行動するというか、無意識に親の意識を吸って、その通りの結果になってしまうのです。今回小学校2年生と1年生で、まだまだ素直な時期なゆえに、直ぐに反応が出た子供たちです。

せっかくの楽しいキャンプも、嘔吐を発症した子の家族は大変なことになってしまいました。

近くにいる親の意識の通りに子どもは行動する。子どもは無意識に親の意識を吸って、その通りの結果をつくる。普段の生活でも起こりうることです。

親の意識一つで子どもをいかようにも、動かしてしまうことは、一人の親と気をつけて行きたいと思いました。一つの出来事を前向きにとらえるのも、悲観からとるのも、親の意識により育まれてしまうのです。

親という字は、木の上に立って見ると書きます。
私自身が、本当の親となるために、私の価値観・意識を入れていかないような子育てをしていきたと思います。子どもが自分で感じ、自分で判断できるような子育てをして行きたいと思いました。
先日、静岡市こども家庭課の岡 哲丈さまから「らぽーる」にお電話をいただき、「離婚届を取りに来られた方に養育費について取り決めをするように案内するリーフレットを作成中で、イラストを探していたがいいのがなく、『らぽーる』さんのHPを見たとき、『これだ!』と思ったのがあったが、使用を許可していただけますか?」というお問い合わせをいただきました。
作者である三箇美奈子さんには、今までボランティアでイラストを提供していただいてました。彼女は、私がイメージを伝えると、それをはるかに超える、何とも心和むかわいらしいイラストを描き上げてくださってました。「りこちゃん」がこんなにも有名になったことを彼女は「使ってもらってうれしい」と大変喜んでおられました。
そんな彼女ですから、きっと静岡市でも使いたいというお申し出を嬉しく受け入れられるだろうと思い、「かわいい子には旅をさせろ」ということわざもありますし、静岡市にも使っていただくこととしました。
前述の岡様からは、「事情があって離婚することになった家庭の子どもが、りこちゃんのように、笑顔で生活していければと、静岡市も願っております」というお言葉をいただき、本日、「リーフレットができました」と完成したリーフレットをお送りいただくという心温まる交流ができました。
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きっとこれから、「りこちゃん」の笑顔は日本全国で愛されるようになっていくような気がします。
そんな「独り歩き」第一弾のご報告でした。(鈴木)
10月14日、開業間もない「らぽーる」は、感動的なサプライズプレゼントをいただいちゃいました!
この場をお借りしてすみませんが、お礼を言わせてください。
素敵なお心遣いをありがとうございます、五十嵐社長!
そうです、この素敵な贈り物は、いつも大変お世話になっている株式会社ジェーピートレーディングの代表取締役 五十嵐隆博様から頂戴したものです。
「らぽーる」の「ぽ」の小さな「○」の中に、ちゃんと四つ葉のクローバーが入っています。
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寒くなるこれからの季節に重宝しそうです。
大切に着用させていただきます。
本当にありがとうございました。(鈴木)
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10月1日に開所式を行った「らぽーる」ですが、10月3、4日のグローバルフェスタでリーフレットを配り始めました。
日本リザルツのブースはにぎやかな雰囲気です。テント内に机を2基置いて、そのうち1基は「らぽーる」でお借りしました。
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「らぽーる」の看板はリーフレットそのままに作りました。0120-085-125(オヤコ イッショニゴー)の番号も宣伝したいですから…
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折しも、10月3日の毎日新聞夕刊の1面に「厚生労働省は10月から、離婚後の親子の面会交流の取り決めに『裁判外紛争解決手続き(ADR)』を活用する『面会交流ADR』の試験運用を始めた。厚労省はこの調査研究事業をNPO法人 日本リザルツに委託した」とする記事が出ました。
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何かとタイムリーな記事の掲載となりました。
山本将克記者さま、ありがとうございました。

グローバルフェスタは2日間とも暑くて、テント内に直射日光が差し込んで大変でしたが、そんな中でも訪ねてきてくださったり、足を止めお話しに耳を傾け、リーフレットを受け取ってくださった皆さま、ありがとうございました。

「らぽーる」の横では、親子ネットの方々が、この日のために作成した大きなパネルを使用してアンケート調査を実施しておられました。
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グローバルフェスタは、たくさんの方の抱えておられる問題や、背負って歩かれている事情や、その人を育んできた背景や環境など、聴かせていただけて、本当に勉強になりました。相談業務に生かしていきたいと思います。(鈴木)

10月1日 らぽーる開所式を行いました。
早川先生、迎田先生、少し遅れて三谷先生が、駆けつけてくださいました。
そして最後には、リザルツの白須代表が、お祝いの品をプレゼント。
らぽーるカラーでもある、グリーンの置き傘です。
思わず感激しました。
これまで支えてくださいました皆様、この場を借りて深くお礼申し上げます。(H/K)


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迎田先生と早川先生によるテープカット

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三谷先生の到着

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鈴木の鏡割

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リザルツ白須代表からのプレゼント贈呈

9月28日(月)19時より、離婚と親子の相談室「らぽーる」 第三回勉強会が開催されました。
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今回は初めて、大正大学人間学部臨床心理学科教授 青木 聡先生と、東京国際大学人間社会学部教授 小田切 紀子先生にご参加いただき、離婚と親子の心理の専門家、研究者の第一人者のお立場からも貴重なご意見をいただけました。
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また、青木先生が最近視察されたノルウェーの最先端とも言うべき離婚制度のお話しを伺うことができました。あまりによくできたシステムに驚愕し、同時に感動しました。日本も後に続きたいものです。

第3回目にして初の集合写真を撮りました。
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毎回のことですが、議論が白熱して、終了後もしばらく会議室のそこここで、少人数の話し合いは続くのでした。(鈴木)

~日本リザルツ ブログより~

http://resultsjp.sblo.jp/article/163562133.html

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9月11日(金)は、らぽーるの相談員としての研修でした。
マニュアルとして一冊の冊子にしてみると、今までやってきたことに、これからの事に更に重みを感じます。

相談員の基本姿勢として、自分の枠組み(価値観、思い込み、固定観念、欲求、動機など)にとらわれず、相手の枠組みで物事を考え把握する。相手が感じている世界を一緒に見ていく、同感と区別する。という部分では、ハットしました。

自分が離婚という体験をしたゆえ、同感になりやすいからです。「あらら・・・大変どうしましょ! 」と直面した研修でした。

そして、今までの仕事がらアドバイスをする立場でしたし、自分の世話好きの部分も含めて、こちらから提案してしまう事が多かったので、新しい自分への挑戦となりそうです。

新しいことを考えること、人と接することが好きな性分で、外的な環境変化にも柔軟に即応していくことは、もっぱら苦痛はなく楽しめるタイプ。こんな自分も活かして、日本の離婚スタイルを変え、親の離婚が子に与えるダメージを最小限に留めることに、少しでも貢献をできたらと思います。(HK)