教室に入ると、担任が最後のHRを開いた。


担任「…卒業、おめでとう」


目を潤ます担任に、男子が駆け寄っていた。




私は自席で帰り仕度をしながら、カメラのチェック。


近付いてきた友達Fにカメラを向け、試し撮影…


私「あぁ!今マフラーでカメラ隠した!!」


慌てる私に笑う友達Fは地元を離れ、専門学校への進学が決まっていた。


友達Kも地元から離れた専門学校へ。




私は友達と離れ、この地で一人になる───




写真、ちゃんと撮れたかな…


友達Kは8年間、友達Fは3年間。


いつも一緒にいてくれて


本当、ありがとね。








卒業式を見に来てくれた親と一緒に帰るので


車で待たせている手前


斉藤先生を写真に撮りたかったが


時間がなかった。




斉藤先生には彼女がいる。


告っても無駄。


結果は分かってる。


それに、迷惑は掛けたくないから…






生徒玄関。


ここから外に出れば、校門を潜ればもう戻って来れない。


…これでいいんだよね。




バイバイ、斉藤先生───









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…嫌だ。


こんな終わり方嫌だ。































一度は開けた下駄箱を再び閉めた。




もう、『後悔』はしたくないよっ…




その想いがドンドン強くなると、居ても立っても居られず


斉藤先生を探しに廊下に戻ろうと振り返った


その時だった。






生徒玄関に向かい廊下を歩く、一人の先生がいた。


間違えない、あの先生は


───斉藤先生




その瞬間


私の体は抑え切れない想いと共に


斉藤先生へ走り出していた。









先生…




先生っ……





先生、あのね。-image



斉藤先生、あのね。









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☆3月1日☆




白銀の通学路を歩くのも、卒業を迎えた今日で最後。


気持ちを込め、一歩一歩踏み締めながら


一人歩く私に、冷たい風が吹くと


まだらに染まった赤く短い髪がフワッとなびいた───




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




私「私、卒業式に髪、赤にしようと思うんだ…」


友達F「じゃあ、私は茶色にしようかな」


私「…え」




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




早朝。


髪染めに反対している親の目を盗み、洗面所にて実行。


∑わぁ、何これ!赤過ぎる!!


予想以上の赤色に驚いて恐くなり、途中で辞め


まだらになったのが余計目立つ。




辺りを見渡し、誰にも気付かれない様に


恐る恐る校舎に入ると、急いで教室に駆け込んだ。




友達F「おはよう」


…な、えぇっ!?


そこには、いつもの黒髪の友達Fがいた。


何、この期に及んで


私を裏切るの!?




その場で固まる私に弁解する友達F。


…まぁ、今に始まった事ではないからいいけど^^;←




正装した担任が教室に入ると、HRで今日一連の流れを聞き


その後、金髪な後席男子を中心に


頭髪検査が始まったので


私は逃げるかの様に、ソッと教室を後にした。









司会「卒業生が入場します」


その声と共に、卒業式が行われる体育館の扉が開かれた。




卒業生は入場時、在校生席や父母席を


一列で通らないといけないから、恥ずかしかったけど


私は辺りを懸命に見渡し、ある人を探した。


…先生、斉藤先生




自分が座る席の前に立ち、担任の合図を待っていると


男子越しに見付けた斉藤先生の



先生、あのね。-image


髪型がいつもと違っていた───




∑何、イメチェン!?


見慣れてないせいか、正直似合ってないと思ったけど←


それでも、斉藤先生大好きだよ///






極限の緊張状態であると思われる担任が


次々と名前を読み上げた。


担任「秋月 楓」


私「…はい」




緊張した面持ちで、校長先生から


本当は受け取りたくなかった卒業証書を受け取ると


席へ戻る為、横を通過した生活科女子から聞こえた声。


生活科女子「…あれ、秋月さんの髪。赤くない!?」


やはり、まだらなこの髪は目立っていた。




『秋月 楓』の名に恥じない様に


色付き、紅葉し、巣立つ私を多くの人に


斉藤先生に見て欲しかった。




私は、ここにいるよ───









司会「卒業生が退場します」




入場と同じ様に一列に並び、体育館を出た途端に


ダラダラ列を乱し始め、教室に向かう階段を上がると


そこは、暖かい日差しを受けた誰一人もいない静かな廊下。




女子「高校生活最後なんだし、廊下走ろっ!」


突拍子もなく提案して、笑顔で走り始めた女子達。




今まで学校生活を送って、出来なかった事を全力でやる。


その発想は悪くないと思うけど


女子の意見に批判し賛同しない友達Fがやるわけな…




友達Fに声を掛けようとすると


友達Fは私を通り過ぎ、女子達を追い掛ける形で


走った!!!


私「…あ、ちょっ、待って><」


私も友達Fに続き、廊下を走った。






友達Fと女子が少しでも仲良くなったらいいな*^^*




漠然と思っていた私の願い。


女子と私達が初めて一つになった瞬間だった。




この暖かく心地良い日差しを、一緒に駆けたこの廊下を


私は一生忘れない。









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☆2月26日☆




家庭学習期間が終われば、私達は卒業となる。


今日はその卒業式学年練習が行われる為、登校。




久しぶりの学校。


斉藤先生に会えるんじゃないかと、胸躍らせて歩く通学路。


降り積もる雪が容赦無く、私と友達Kの行く手をさえぎった。






やっとの思いで学校に着いたはいいが、完全遅刻。


既に、生徒玄関は閉められている様子だったので


仕方なしに職員玄関に向かい、歩くと


後ろから車の気配。




私「危なーい!」


私の声に、友達K共々道の端に避けると


車は荒々しく私達の横を通り過ぎた。


───斉藤先生




久しぶりに見た斉藤先生の横顔に私は───


ドクン






職員玄関のドアを開けると


入室許可書を持った後藤先生が待ち構えていた。




友達K「おそようございまーす(笑)」


私「おはようございます><;」


後藤先生「おはよう」


挨拶と共に入室許可証が手渡され


この場を離れようと、私達が歩き出したその時。




後ろから、ガチャッと職員玄関の開く音。


斉藤先生「おはようございます」


斉藤先生が後藤先生に挨拶する声が聞こえた。






生徒玄関で上靴に履き変えた私達は


そのまま近くの階段を上がり、教室に向かいたかったが


後藤先生が、目を光らせて監視しているので逃げれず(((゜д゜;)))


渋々職員室に立ち寄り、生徒指導の先生から


入室許可書に判を貰っている時に聞こえた、斉藤先生の声。




どんな雑音に紛れていても


斉藤先生の声だけは


鮮明に聞こえる───






これで遅刻時の手続きは終了。


後は、入室許可書を担任に渡すだけとなった。


今からならHRには間に合いそう…




ホッと安心して、職員室を出ると廊下で栩堂先生とバッタリ会い


友達Kが栩堂先生と話し始め


終わった頃には、HRも終わっていそうな時間;;




栩堂先生が職員室に入った事を確認した私は


友達Kに訊ねた。




私「…あの、HRは?」


友達K「∑あ!ごめん!!」


私「…いや、そうじゃなくて」


私「あの先生(栩堂先生)も何で止めないんだろう(`Δ´)」




まずは、HRを受けさせるのが先決。と思っていた私は


友達Kの話に乗った栩堂先生の行動が疑問だった。









教室では案の定


HRは既に終わり、LHRが始まろうとしていた。




担任「イメージトレーニングはしてるんだけど」


担任「極度の緊張状態になると思うので、(名前)間違えるかもしれないけど」


生徒以上に担任が、卒業式を前に異常な緊張を見せていたw









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